世界の凋落を見つめて クロニクル2011-2020
四方田犬彦(著)
/集英社新書
作品情報
東日本大震災・原発事故の2011年からコロナ禍の2020年まで、日本と世界が変容し、混乱した「激動の10年」に書き続けられた時事コラム集成。この間、著者はニューヨーク、ロンドン、パリ、北京、ソウル、香港、台北、キューバ、イスタンブール、リオデジャネイロ、サハラ以南のアフリカ諸国、そして緊急事態宣言下の東京など、様々な場所と視点から世界の変貌=凋落の風景を見つめた。私たちの生きる世界は、そして私たち人間は、どのように変わったのか。全99本のコラムが「激動の10年」を記録する!
【目次より抜粋】
原発を語らず/北京の変貌/吉本隆明さんの思い出/ハバナの三島由紀夫/誰がテロリストなのか/ザハ・ハディト問題/ゴダールのFacebook?/慰安婦と赦し/日本死ね/佐村河内守は詐欺師なのか/非常事態発令下のパリ/サハラ砂漠の南へ/〈1968〉から50年/香港の天安門事件追悼集会/ジョギングの社会階層/コロナウイルスの日々/感染者はケガレか
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商品情報
- 著者
- 四方田犬彦
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社新書
- 書籍発売日
- 2021.05.17
- Reader Store発売日
- 2021.05.27
- ファイルサイズ
- 1.6MB
- ページ数
- 336ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (3件のレビュー)
-
過去十年、腹を立てつづけた四方田犬彦!がおもしろい。
今は、きっと、もっと腹を立てていると思うと、ちょっと笑っていられない気もする。でも、もっと、腹を立てていてほしい。投稿日:2022.06.10
エッセイストの著者による、2011年から2020年までに雑誌に掲載されたエッセイをまとめた本。
著者については全然知らなかったのだけど、『「かわいい」論』の著者と書かれてあって、そういえば読んだことあ…るなと思った。どんな内容かあまり覚えてないのだけど、今ほど本をよく読む前に書名に惹かれて読んだ覚えがある。
本書は、ある年に書かれたことだからといって、その時代の話を書かれているとは限らないのだけど、この10年はいろんなことがあったんだなということが分かった。
2011年にオリンピックは都市の景観を破壊する三大元凶(後の二つは地震と無差別爆撃)と書かれてあって、ちょっと笑った。まあ、オリンピックは壊してるわけじゃないから他の二つとは違うような気もするけど、そういう見方もあるのか。
ウィーンには、全長1㎞以上ある、カール・マルクス・ホーフという集合住宅があるらしい。1382世帯もあるそうだけど、一つの建物で一つの町になっているような感じなのだろうか。いろんなお店もあるようで、ここにいるだけで生活に不自由なさそうに思った。
他、9.11の自爆攻撃を、海外メディアでは「カミカゼ」と呼んでいたという話も初めて知った。確かに、そういうイメージは分からなくないのだけど、それで通じるほど「カミカゼ」って有名なのか。
佐村河内守についてもいくつか書かれてあって、耳が聞こえないというのは嘘というように言われてたけど、感音性難聴であることは事実らしい。まあ、Wikipediaみてみたら、中度で障碍者手帳の交付の対象となるレベルではないそうだけど。
『週刊金曜日』2016年12月2日号に掲載されたという、「熊にひどい目にあったら」というエッセイはよく分からなかった。幼いころに、家族が食べられるなど熊にひどい目にあった経験があって熊が怖くなったため、熊に関するキャラクターなどのいっさいを禁止してほしいという話。本気でいってるわけではなくて皮肉ではあるようなのだけど、いまいち何のことかよく分からなかった。多分、時事ネタなのだろうけど、2016年のこの時期に何かあったんだったかな。
アフリカのナイジェリアでは映画をよく撮影しているという話も初めて知った。今世紀に入って世界で最も多くの映画を撮っている国だそう。調べてみるとそんなに品質はよくなさそうだけど、将来的にアカデミー賞をとったりするのだろうか。続きを読む投稿日:2021.10.19
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