女性差別はどう作られてきたか
中村敏子(著)
/集英社新書
作品情報
医科大学での女性受験生一律減点問題など、現代においても「女性である」ことによる差別はなくならない。それどころか、日本はジェンダーギャップ指数で世界の下位にいる。なぜ、女性を不当に差別する社会は生まれてしまったのか。長年ホッブズや福沢諭吉研究に携わってきた著者が、女性差別が生まれるまでの過程を、政治思想史の観点から分析。西洋と日本で異なるその背景を「家父長制」という概念により読み解く。
◆小島慶子氏(エッセイスト)推薦!◆ジェンダーの観点から思想史を読み解く、平易で明快な筆致に引き込まれます。
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商品情報
- シリーズ
- 女性差別はどう作られてきたか
- 著者
- 中村敏子
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社新書
- 書籍発売日
- 2021.01.15
- Reader Store発売日
- 2021.02.19
- ファイルサイズ
- 1MB
- ページ数
- 192ページ
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この作品のレビュー
平均 4.1 (12件のレビュー)
-
録画しておいたNHK「アナザーストーリーズ」を見た。
取り上げられていたのは、女子差別撤廃条約に批准するため国内法を整備した女性官僚、俳優浅野ゆう子氏、そして男女雇用機会均等法一期生の女性たちだった。…
私も彼女たちの意志を継ぐものとして、後輩に道を作りたいと思う。
さて、本書ではホッブズの意外な点に驚かされた。
ホッブズといえば、リヴァイアサン。
教科書に載っていた白黒の王冠を被った王のような、怪物のようなものが描かれた版画を覚えている人もいるだろう。
ロックやモンテスキューに比べると、ちょっと古い人、というイメージがあったのだが、こと女性の権利に関しては全くホッブズを理解していなかった。
「社会契約」によって守られていたのは男性のみで、女性はそもそも契約の主体である「人間ですらない」というのはショックだった。
アリストテレスから続く「女性=無能力」の思想は西洋に根深く、だからこそ女性たちは権利を勝ち得た。
一方日本では、江戸期においては女性が一定の独立性を持っていたことを考えると、次第に女性の権利が奪われていったのは何故か。
本書では明治政府の施策に原因をみる。
そしてその施策によって作られた「伝統」は今も女性を縛るが、時代は動きつつある。
男女の別なく、互いを尊重し、協力し、自分らしく、善く生きることは誰にとっても生きやすい世界だと思う。
本書は日本と西洋を同一に語らず、しかも断罪しない点がよい。
私のように感情に任せるのではなく、淡々としかし単調ではない論理の詰めかたは素晴らしい。続きを読む投稿日:2021.03.25
近年女性の社会進出が進み、会社に行けば、当たり前だが多くの女性が働いている。結婚して子供が産まれても、産休明けにはまた以前と同じように職場復帰し働ける制度も機会も充実してきた。国による法整備も行われ、…役員数を一定以上、女性にする動きも出てきている。会社は頻繁に女性の管理職登用に躍起になっており、後何年後かには沢山の女性管理職が生まれているはずだ。
一方で、本書の入りに記載される様に、受験で一方的に女性の点数を下げて、男性を優先的に合格させようとする不祥事があったり、世界経済フォーラムの発表するジェンダー・ギャップ指数では先進国G7の中では最低、全体146ヶ国中でも125位と低迷する。特に政治への女性進出を表す「政治」の指標では世界最低クラスの138位と、恐ろしく低い。別の調査では、女性管理職が30%を超える企業は全体の10%そこそこで、働く人数は凡そ男女同数でも、実際に能力とは関係ない、昇進の壁の様なものがあるとしか思えない。これでは国も躍起になって法整備を進める理由もよく分かる。
本書はそうした現代日本で問題となっている女性への差別的な扱い、現状が過去の人類の歴史の中でもどういった経緯で発生してきたかを紐解く内容である。まずは西洋社会における、アリストテレスの論に始まり、自由平等の社会が確立し始める産業革命前後の法学者や社会学者の言葉を集めて推測していく。更にはそれらが日本の旧来の社会に与えた影響、そして西洋とは異なる形で成立していく日本独自の考え方などを多くの学者の考え方などから紐解いていこうとする。個人的には江戸時代の儒教の影響が強かったと考えていたが、それを否定した上で別の要因に迫っていく。
女性社会進出の現状改善に向けては、まずその成り立ちや原因を探るところから始めなければならない。全く場違いな改革や施策では本質的な問題を取り除く事は無理だろう。政治家だけでなく、企業経営者、管理職、そして昭和の親父達にも読ませたい一冊である。続きを読む投稿日:2023.11.12
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