ゆきうさぎのお品書き あじさい揚げと金平糖
小湊悠貴(著)
,イシヤマアズサ(イラストレーター)
/集英社オレンジ文庫
作品情報
大樹の前に、母方の叔父である零一が、十数年ぶりに現れた。零一は、先代女将、つまり彼の母親が亡くなったことを知り、遺産の遺留分を請求するためにやって来たのだ。大樹の手元にそんな大金があるはずもなく、支払うためには、土地建物――「ゆきうさぎ」を売却しなければならない。途方に暮れる大樹をよそに、零一は連日、店に来て食事をしていくが・・・・・・。第6巻!
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商品情報
- シリーズ
- ゆきうさぎのお品書き
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社オレンジ文庫
- 書籍発売日
- 2018.06.26
- Reader Store発売日
- 2018.08.10
- ファイルサイズ
- 3.3MB
- ページ数
- 272ページ
- シリーズ情報
- 既刊10巻
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この作品のレビュー
平均 3.9 (20件のレビュー)
-
シリーズ第六弾。
小料理屋〈ゆきうさぎ〉を舞台にお送りする、連作四話+序章&終章が収録されております。
※今回の巻末レシピは、第二話「八十八夜の筑前煮」に登場した、先代女将・雪枝さんのご友人、十和子…さんの思い出の一品である“筑前煮”と、表題作の第四話「あじさい揚げと金平糖」で大樹の叔父・零一さんが作った“あじさい揚げ”が載っております♪
前巻のラストで何とも不穏な雰囲気で登場したのは、大樹の叔父・零一さん。
彼は大樹に、亡くなった先代女将の遺産の遺留分を請求してきます。
その請求金額を支払う為には〈ゆきうさぎ〉を売却しなければならない・・?
急にやって来た叔父に、とんでも請求をされて途方に暮れてしまう大樹ですが・・。
さて、序盤から〈ゆきうさぎ〉大ピンチ?という展開で、こんな時こそ大樹の側にいてほしいタマこと碧が教育実習など諸々で忙しくて、バイトに入れないという状況・・でも、だからこそ“たまに来るタマ(スミマセン)”の癒しを実感できる、ということでもあるのですけどね。
第二話では先代女将・雪枝さんが〈ゆきうさぎ〉を始めた経緯の物語で、先代の頃からずっとお店に通ってきてくれている十和子さんのように、〈ゆきうさぎ〉を愛してくれている常連さん達の存在が心強いですね。
もし〈ゆきうさぎ〉が閉店してしまったら、十和子さんも悲しむでしょうし、何といっても常連の“ヌシ”・彰三さんが暴動を起こしかねませんからね!
一方、初の教育実習に臨む碧ですが、第三話「父と娘のお弁当」では彼女を見守る父・浩介さん視点の話なのですが、碧の為に大樹に教わったお弁当を作ってあげるという神っぷりで、本当に、この父娘の関係は理想的ですよね。
そして、父と娘といえば、第四話では大樹を悩ます叔父・零一さんと娘のめぐみさんの話も綴られます。
そう、一見非情に見えた零一さんにも、実はせっぱつまった事情があった訳でして、彼は腕のある料理人でもあるので、体調を崩した大樹のピンチヒッターをバッチリ務めてくれます。
巻末レシピにも抜粋された、零一さんの得意料理“あじさい揚げ”は、私これ絶対好きなヤツだわ~・・と、食べたくなりました。
ということで、一連の騒動を経て、ラストはちゃんと心温まる着地をしてくれるのが、このシリーズの良いところ。
さらに、終章「心が躍る店仕舞い」での胸キュン展開には、“つ、ついに来たか!”と顔がほころんでしまいました。
色々あったこの巻でしたが、今後の新体制〈ゆきうさぎ〉を見守っていきたいですね。続きを読む投稿日:2024.03.05
あらあらあら。まあまあまあ。
ラストでこんな言葉が出てくるくらい、遂に、って感じですね。
零一さんが悪役なだけじゃなくて上手いこと収まって、それがあまりにも自然にするっと流れて行ったからすんなり受け…入れてしまった。
食事が絡むほっこり系のお話って、こうわざとらしいくらい人情派でお人好しな空気を感じることが多いけれど、
ゆきうさぎはそんなことなくて、でも結局人情派な空気はある、っていうその塩梅がいいぐあい。
あじさい揚げやアイスのように、その時食べたものが思い出の品になることってあるよね。
食べ物だと誰と食べたのか、その時の自分の状況だったり気持ちだったり、鮮明に刻み込まれるような気がする。
だからものすごいお気に入りになったり、反対に見る度にモヤっとする料理とか、それぞれあるんだろうな。続きを読む投稿日:2023.12.17
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