ヒトの本性 なぜ殺し、なぜ助け合うのか
川合伸幸(著)
/講談社現代新書
作品情報
人間は残酷なサルか、それとも協力するサルか――。「なぜ攻撃的なのに、人類は滅ばなかったのか?」、「なぜヒトの選択は合理的ではないのか?」、「なぜよい行動に褒美を与えると逆効果なのか?」、「なぜ赤ちゃんは「正義の味方」を好むのか?」、「なぜあくびは友人や親族ほど伝染するのか?」、「なぜ過密状態だと、周りに気を使うのか?」……。最新知見が明かす驚きの真実!
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商品情報
- シリーズ
- ヒトの本性 なぜ殺し、なぜ助け合うのか
- 著者
- 川合伸幸
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 数学・物理学・化学
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社現代新書
- 書籍発売日
- 2015.11.20
- Reader Store発売日
- 2015.11.27
- ファイルサイズ
- 4.9MB
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この作品のレビュー
平均 3.8 (12件のレビュー)
-
性善説か性悪説か、ヒトは他人を助けようとするのか、それとも生存・保存のために他人を蹴落とすのか、といった「ヒトの本性」を、赤ちゃんやサルなどの動物の行動の観察や実験、脳の仕組みから読み解こうとしたも…の。著者は科学者的な大学の先生で、理系の本、といった感じ。
何か教育学的な話でもなければ、もっと胡散臭いセラピスト的な人の話でもなければ、誰かの経験論に基づく実はエッセイ、のようなものではなかった点、とても良かったし、面白かった。心理学の入門みたいな本でよく出てくる有名な実験の話(「ハーロウの代理母親」の実験、「スタンフォード監獄実験」、「ミルグラム実験」など)も載っているので、勉強になる。
気になった部分をいくつか挙げておくと、まず「怒鳴られるのは、叩かれることに匹敵する」(p.29)というのが衝撃だった。自分で言うのもおかしいが、おれは結構怒鳴ってしまう人なので…。「一三歳のときに親から叱責された子どもは、翌年には同世代の子どもとのケンカや学校でのトラブル、親へのうそ、抑うつなどの兆候が顕著に高まる」(p.30)らしく、ということは怒鳴ってしまったら必ずそのフォローを忘れないようにしよう、というかそもそも怒鳴らなくてもよい方法で何とかならないのか、とか考えた。「人は尊敬し賞賛している人にいわれるほうが、自分の行動により強く責任を感じる」(p.31)というのもその通りだと思う。男女の攻撃性の差異について、「男女ともに攻撃性は『資源を護る』気持ちから生じており、男性と女性ではそのアプローチが異なる」(p.94)というのが面白い。オスは資源を護るために集団外への攻撃性を発揮し、メスは集団内にある資源を取り合うために集団のメンバーを攻撃する、という違いらしい。
あと「わたしたちはだれかから仲間はずれにされると、身体に痛みを与えられたときに活性化するのと同じ脳の領域(島皮質と前帯状皮質)が活性化する」(p.144)というのが興味深い。そこから、「仲間はずし」の実験とも言うべき実験が紹介され、「ほんの二、三分の仲間はずれの経験が、その後の脳の活動に大きな影響を与えた」(p.148)とか、「いじめの悪影響はかなり長く持続し、おとなになるまでつづくこともありうる」(同)というのは、最近NHKで見た特集と重なることもあって、印象的だ。いじめられた経験というのは、ずっと傷になって残ってしまう、という話で、逆にそこまで傷となるように、ヒトの脳はできているんだと思った。
それから、よくおれは教師として、他人のために働くことが、他人を幸せにすることが、結局自分も幸せになるんだ、みたいなことを言うけど、それはもうすでにそういう実験がある、というのを知った。要するに「与えることによる喜び」(p.182)というのは、本当にあるんだと思った。
あとこの本には、印象的な名言がいくつか載っているが、p.50の「悪の最も効果的な誘惑手段の一つは闘争への誘いだ」というカフカの言葉、p.168の「我々は得ることで生計を立て、与えることで生きがいを作る」というチャーチルの言葉、p.202のガンジーの言葉「『目には目を』を貫いてたら、世界中の人の目が見えなくなってしまう」は特に心に残った。(17/03/19)続きを読む投稿日:2017.03.22
面白かったし、最後綺麗にまとめられていた。人類自己家畜化って言う説が面白いと思った。攻撃的であったり反社会的な人を排除して、平和的なDNAを残している。正にその通りだと思った。
投稿日:2022.04.21
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