翔ぶが如く(三)
司馬遼太郎(著)
/文春文庫
作品情報
「西郷と大久保の議論は、感情に馳せてややもすれば道理の外に出で、一座、呆然として喙(くちばし)を容るるに由なき光景であった」(板垣退助)。明治六年十月の廟議は、征韓論をめぐって激しく火花を散らした。そして――西郷は敗れた。故国へ帰る彼を慕い、薩摩系の士官たちは陸続として東京を去ってゆく。内戦への不安は、いまや現実となった。
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商品情報
- シリーズ
- 翔ぶが如く
- 著者
- 司馬遼太郎
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 2002.03.10
- Reader Store発売日
- 2014.12.12
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 361ページ
- シリーズ情報
- 既刊10巻
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この作品のレビュー
平均 3.6 (41件のレビュー)
-
【感想】
大久保利通の若干の狡猾さはあるものの、彼とて親友の西郷を出し抜く事に心を痛めているような描写もあり可哀相だなと思った。
しかし、後年にも語り継がれる西郷の偉大さからは想像できないほど、晩年(…というか明治時代)の西郷は愚鈍な人間っぷりだった。
それもそのはず、西郷には桐野利秋というフィルターがかかっていたからねぇ。
優秀な人材はもちろん、些細な情報からでさえ彼は蚊帳の外になってしまった。
YESマンで周りを固めた「お山の大将」になってしまえば、こうも愚かになってしまうのだろう。
そう思えば、自民党圧勝のこれからの日本がどうなるのか、先行きが怪しく感じてしまう・・・
あと個人的に、今の都道府県名が明治初期の官軍・賊軍に由来しているという事実を初めて知った。
いい勉強になったね
【あらすじ】
西郷と大久保の議論は、感情に馳せてややもすれば道理の外に出で、一座、呆然として喙を容るるに由なき光景であった―。
明治六年十月の廟議は、征韓論をめぐって激しく火花を散らした。そして…西郷は敗れた。
故国へ帰る彼を慕い、薩摩系の士官達は陸続として東京を去ってゆく
内戦への不安は、現実となった。
【内容まとめ】
1.西郷の征韓論は財政上きびしく、散々待たされた挙句、破談してしまった
2.幕末とは打って変わってしまった西郷。桐野たちの護衛の為、世論と触れ合う機会すら失ってしまった。
3.結果、西郷は江戸を去る事になったが、この時点では西南戦争を起こすつもりなどなかったとのこと
【引用】
p66
いちいちの能力論をもってしては、どうにも西郷という人間が出てこない。
西郷は単なる仁者ではなく、その精神を常に無私の覇気で緊張させている男であり、その無私ということが、西郷が衆を動かしうるところの大きな秘密であった。
p234
大久保と西郷は陽と陰
源頼朝と源義経、徳川家康と豊臣秀吉のときのように、一つの体制を作った人物が好まずにそこからはみ出て漂泊してしまう人物が好まれる。
陽気な人格というものは欠点でさえ愛嬌になり、失敗でさえ気の毒になるという効用を持っているが、陰気ということはいかに誠実で謹直であっても、得体の知れぬ肚黒さを感ずるということがあるらしい。
大久保はこの上なく謹直な男で、およそ栄達に驕るというところがなかったが、彼がのちに外国人を招待するために建てた粗末な西洋館の住宅さえ、薩摩人を激昂させ、歌舞伎における赤面のように驕りに驕った大久保像として流布された。
p274
新政府が熊本県と言わせなかったのは、一種の差別による。
大藩のうち、戊辰戦争に参加して新政府を樹立させることに功のあった藩は、その城下の地名をもって県名にした。
鹿児島県、山口県、高知県、佐賀県、福井県がそうである。
また、遅ればせながらも積極的に参加した旧藩地も、この待遇を受けている。
岡山県、広島県、鳥取県、福岡県、秋田県など。
これらに対し、若松(福島県)、仙台、金沢、米沢、松江といったものは成立せず、それぞれその旧藩地における小さな郡名などをとって県名とされた。
白川県もそうである。
戊辰戦争における「官賊」という色分けを、こういった形で烙印した。続きを読む投稿日:2018.01.28
三巻を読了。
西郷隆盛の征韓論が新政府に容れられず、鹿児島に帰郷する流れが描かれる。
西郷隆盛という巨人を、周囲の動きを繊細に描くことにより、リアリティもって読者を理解へと促してくれる。
いわゆる…英雄豪傑的な時代から、知者が時代を席巻していく流れが読んでいて面白い。続きを読む投稿日:2024.03.23
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