乱紋(上)
永井路子(著)
/文春文庫
作品情報
織田信長の妹・お市の方と、近江の雄・浅井長政のあいだには3姉妹がいた。長女・お茶々は豊臣秀吉の側室として権力をふるった後の淀君。次女・お初は京極高次の妻となり、大坂の陣で微妙な役割を演じる。そして、最も地味でぼんやりしていた三女・おごう。彼女には、実に波乱に満ちた運命が待ち構えていた――。おごうの生涯を描いた長篇歴史小説。
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商品情報
- シリーズ
- 乱紋
- 著者
- 永井路子
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 2014.10.03
- Reader Store発売日
- 2014.10.03
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 470ページ
- シリーズ情報
- 既刊2巻
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この作品のレビュー
平均 3.5 (24件のレビュー)
-
(2016.10.05読了)(2010.12.12購入)(1981.11.05・第7刷)
2011年のNHK大河ドラマ「江 姫たちの戦国」が放映された際に読むつもりだったのですが、他の関連本を読んでい…るうちに放映が終わって仕舞い積読になっていました。
2016年の大河ドラマ『真田丸』は、「おごう」が生きた同時代なので、この際に読んでしまうことにしました。「おごう」と真田一族の直接の接点はありませんが、「おごう」の最終的な夫・徳川秀忠は、真田一族と闘っています。そういう意味で最後の方の話題として真田一族の話が少し出てくるような気がします。
大河ドラマ「真田丸」では、徳川秀忠と二人の場面でおごうが、チラッと出ていました。もう一回ぐらい出番があるのでしょうか。
題名からは、誰の話かは分かりませんが、浅井長政とお市の方の間に生まれた三姉妹、茶々、初、ごう、の三女ごうの物語です。
柴田勝家が秀吉に敗れ、お市の方も勝家とともに亡くなって、三姉妹が秀吉に引き取られます。引き取られたのちに安土城で過ごしているあたりから、物語が始まります。
主人公は、おごうなのですが、お姫様で無口と来ているので、主な語り手は、侍女の「おちか」です。
おごうの最初の嫁ぎ先は、尾張大野の城主・佐治与九郎一成・18歳です。与九郎の母は、お市さまの姉、お犬さまです。お江のいとこになります。お江は14歳です。(19頁)
尾張大野は、織田信雄の配下ですので、秀吉による懐柔作戦だったのでしょう。
おちかは、清州の街で、博多の商人・ちくぜんと知り合いになる。時代劇でよくある情報屋の役割が割り当てられている人物です。おごうもおちかも、それほど自由に動けないので、ちくぜんが、舞台進行に必要な情報を与えてくれます。なぜ博多なのか? 秀吉の九州攻めや朝鮮半島への侵攻がありますので、博多と行き来ができるのは、好都合というわけです。
清州の信雄に挨拶して大野へ旅立つ前に信雄はおごうの遊び相手にと「おたあ」という15歳の娘を引き出物とした。
おたあももう一人の情報屋として物語を盛り上げてくれる役割を担ってくれます。
秀吉が、家康のもとに妹の旭姫を送り込み、母親を人質として差し出すことによって、家康は秀吉の配下に入った。
東の方は安心できる状態になったので、秀吉は、九州の平定を行い、小田原を攻め滅ぼし、天下統一は、完成する。
小田原城降服の後、家康は江戸へ移封となる。徳川の支配していた東海五カ国に信雄が移封となることを言い渡されたとき、信雄が不満を述べたため、下野の烏山に蟄居させられてしまった。
信雄配下の佐治与九郎も領地召し上げとなったので、おごうは、秀吉の元へ戻された。
初は、京極高次に嫁いでおり、茶々は、秀吉の妻となり淀城に住んでいたので、おごうは淀城へ行く。
茶々が、秀吉はお江にも手を出すのではないかと恐れたので、おごうは、秀勝のもとに嫁ぐこととなった。秀勝は、秀吉の姉の子である。秀勝は23歳である。
住む所は、岐阜城である。秀勝の生母は、おともさまというかたです。
おともさまは、息子が嫁に寝首を書かれるといけないと心配して、夫婦の寝所を毎晩のぞき見しているとか。
秀勝は、朝鮮出兵に参加したが、かの地で亡くなった。おごうのおなかには、秀勝の子どもが宿っているという。
【目次】
裲襠
清州にて
花嫁の船
博多ねりぬき
流星
海燃え
招かれざる客
岐阜御前
高麗だより
●朝鮮出兵(371頁)
秀吉は朝鮮や中国に対して、全く認識が足りなかった。国内の小田原攻めや九州攻めとひとしなみに考えていたらしい形跡がある。社会のしくみ、言語、風習の差などについて、彼は何ひとつ予備知識を持っていなかった。
●お江の特技(388頁)
おごうは、ひとりでいるとき、何もしないでいられるという特技の持主だ。ふつうの人間だったら、本を読むとか、縫いものをするとか、何かせずにはいられないのに、おごうは放っておけば、いつまでも、ひっそりと黙って座っている。
☆永井路子さんの本(既読)
「炎環」永井路子著、文春文庫、1978.10.25
「流星 お市の方(上)」永井路子著、文春文庫、1982.09.25
「流星 お市の方(下)」永井路子著、文春文庫、1982.10.25
「銀の館 上」永井路子著、文春文庫、1983.12.25
「銀の館 下」永井路子著、文春文庫、1983.12.25
「一豊の妻」永井路子著、文春文庫、1984.04.25
「姫の戦国」永井路子著、日本経済新聞、1993.11.13
「山霧 上」永井路子著、文春文庫、1995.11.10
「山霧 下」永井路子著、文春文庫、1995.11.10
「絵巻」永井路子著、角川文庫、2000.08.25
「岩倉具視-言葉の皮を剥きながら-」永井路子著、文藝春秋、2008.03.01
☆関連図書(既読)
「江-姫たちの戦国-上」田渕久美子著、日本放送出版協会、2009.10.30
「江-姫たちの戦国-下」田渕久美子著、日本放送出版協会、2010.01.30
「江の生涯-徳川将軍家御台所の役割-」福田千鶴著、中公新書、2010.11.25
「江史跡紀行」小和田哲男監修、新人物往来社、2010.11.25
「淀どの日記」井上靖著、角川文庫、1964.05.30
「徳川秀忠」百瀬明治著、PHP文庫、1999.10.15
「千姫様」平岩弓枝著、角川文庫、1992.12.10
(2016年10月9日・記)
(「BOOK」データベースより)amazon
織田信長の妹・お市と近江の雄・浅井長政の間には三姉妹がいた。長女・お茶々は、秀吉の側室として権力をふるった後の淀君。次女・お初は京極高次の妻となり、大坂の陣で微妙な役割を演じる。そして、最も地味でぼんやりしていた三女・おごう。彼女には、実に波乱に満ちた運命が待っていた―。おごうの生涯を描く長篇歴史小説。続きを読む投稿日:2016.10.09
上下巻合わせて。
面白かったけど、永井路子の他の小説に比べるといまいちな感じがした。
浅井三姉妹の末のお江が主人公なのだが、結局主人公の性格というか何をどうしたいかというのがよくわからなかった。その文…だけ狂言回しの侍女や「ちくぜん」が饒舌になりすぎている。
思うに、永井路子さんは戦国時代に向いていないのではないかと思う。続きを読む投稿日:2018.04.24
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