革命のライオン 小説フランス革命1
佐藤賢一(著)
/集英社文庫
作品情報
1789年。フランス王国は破産の危機に瀕していた。大凶作による飢えと物価高騰で、苦しむ民衆の怒りは爆発寸前。財政立て直しのため、国王ルイ16世は170余年ぶりに全国三部会を招集する。貴族でありながら民衆から絶大な支持を得たミラボーは、平民代表として議会に乗り込むが、想像もしない難題が待ち受けていた――。男たちの理想が、野望が、歴史を変える! 一大巨編、ここに開幕。
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商品情報
- シリーズ
- 小説フランス革命
- 著者
- 佐藤賢一
- 出版社
- 集英社
- 掲載誌・レーベル
- 集英社文庫
- 書籍発売日
- 2011.09.16
- Reader Store発売日
- 2012.05.11
- ファイルサイズ
- 0.8MB
- ページ数
- 240ページ
- シリーズ情報
- 既刊18巻
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この作品のレビュー
平均 3.8 (36件のレビュー)
-
英雄から変人まで各種取りそろえております、お好みのをどうぞ
佐藤賢一の文章はちょっと癖がある。が、ハマるとハマるのだ!ちょっと見てみよう。
「やかましい」
ミラボーが声のかぎりに吠えた。今こそと噛みついていたはずなのに、また議員たちは野次の言葉を飲み込んだ。…演台に黙礼だけして感謝すると、ロベスピエールは取り戻された静けさに言葉を投じて、話を改めることにした。
ええ、なんだか、議論が本筋から外れてしまったようです。ミラボー伯爵、あなたの言葉はそれとして聞くところがないわけではありませんが、かたわらで、なんだか皆を煙に巻こうとしているかの印象がある。
「ですから、話を戻します。なおかつ、はっきりと申し上げます。」
ミラボーは黙したまま、かわりに目で答えてきた。ああ、受けてたとう。
「どうして王の機嫌を取らなければならないのですか」
まあ、こんな感じだ。「ええ、なんだか~」以降のロベスピエールの台詞は普通だったらかぎかっこに入るところであるが、あえて地の文になっている。
そしてそのことが「ですから、話を戻します。」以降の部分を際立たせる効果をあ与えている。
初めてこうした文体に接したとき、かなり違和感があったが、慣れてくると、
地の文で「ええ~~~です」「ああ、~だ!」とかつぶやいている人物に共感を覚えるようになってくる。
有名な話だが、佐藤賢一が小説を書き始めたきっかけは、学生時代、ワープロに慣れるため、自分が書いている論文の人物に一言ずつ台詞を言わせていたことだという。
やっているうちにみながどんどん語りだし、結局研究者ではなく、歴史小説家になった、と。
だから、地の文でええ、とかああ、とか言っている人は
おそらく佐藤賢一が入れ込んでいる人物なのだろう。これが結構いろいろなタイプがいるのが面白い。
前半の大本命と思われるミラボー。革命のライオン、まさにそんな感じの描写。彼が死の床で残した言葉に、一つの時代の終わりを感じさせる。
それから、真面目過ぎる優等生・ロベスピエール君。純朴な彼が非情な独裁者になっていく過程は納得のいく丁寧な描写。
つかみがたい国王、ルイ16世。彼が一人称で語り出すのが半ば過ぎてからなので、陛下ってばそんなこと考えてたんですか!と驚く。
そして私が一番お気に入りなのが、シャルル・モーリス・ドゥ・タレイラン・ペリゴール。4巻から登場。
死屍累々のフランス革命を生き延びただけではなく、ナポレオン失脚後まで生き延びてしまう奴なのだが、このキャラ描写の面白いこと!
高貴な生まれと陰のある美貌、誇り高き変節漢にしてお笑い担当、泣き言を言いながらも天上天下唯我独尊なエキセントリック聖職者。
もう、書いててますますわからなくなってきたけど、本当にわけわからん人(笑)これも作者の愛ですか(笑)
英雄から変人まで取りそろえております、お好みのをどうぞ、的な小説。
続きを読む投稿日:2014.09.17
-
・出た当時から気になってて、やっと読み始めた。タイトルどおり、小説としてフランス革命を描いてて、読みやすい。
・今のところミラボーとロベスピエールを中心に物語が展開してて、物語の舞台は議会。
・歴史に…しろ何にしろ、物語という形式で見せてくれると、頭に入りやすい。ゆっくり最後まで楽しみたい。続きを読む投稿日:2024.02.25
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