ライトノベル
カクリヨの短い歌(イラスト簡略版)
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(13)
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和歌の世界で交錯しあう複雑な人間模様――。
「梅は咲いたか、桜はまだかいな・・・・・・」
春風に漂う白檀の香りを味わうように目を閉じ、真晴は笑った。
どこか血の臭いが似合うような、凄惨な笑みだった。
「待ちに待った季節。せいぜい艶やかに咲いて、気が向いたら散ってやるさ」
桜は咲いて散るものだと信じていた。
ひと思いに散ることもできずに枯れ死ぬことがあるとは、思っていなかった。
とある仏像を狙う孤高の天才歌人・帳ノ宮真晴と、彼女を狙う若き歌詠み――椿市と振根。そこへ祝園完道を加えた各人の思惑が「鎮花祭」で交錯する。三十一文字を巡る物語・第三章、桜は咲いて散るものだと信じていた・・・・・・・・・。
※この作品は廉価版です。廉価版にはイラストが入りません。 -
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真晴からの脅迫状が完道を歌典寮の巣窟に!
たまたま歌の家に生まれ、双子の兄よりも才能に恵まれていたという理由で、逃げることも許されず、絶えず歌をたたきこまれた。そのせいで体の弱かった妹は病に倒れ、早すぎる死を迎えようとしている。歌に支配された一生といっていい。
少年は妹に辞世を詠んでもらいたくなかった。詠めば妹の死が逃れられないものであることを思い知らされることになるという恐怖もあったが、それよりも大きかったのは「自分の言葉でしゃべってほしい」という願いだった。悔しいなら悔しいと、悲しいなら悲しいと、与えられた形式ではないむき出しの言葉を口にしてほしかった。しかし少女は、手を強く握っても握り返してくれなくなってしまった・・・・・・。
不変なものなどなにもないのだ。だから、妹の辞世を覚えているなど無駄だ。
―――歌が憎い。妹を奪った歌を一首残らず、必ずこの世から―――
話題のガガガ大賞受賞作の続編が早くも登場!シリーズ2作目にして早くも最高傑作!!
※この作品は廉価版です。廉価版にはイラストが入りません。 -
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失われてしまった<和歌>を巡る物語――。
もし「歌」について語る機会があるのならば、断絶という一語で足りてしまう。
遠い遠い昔に生まれた「歌」は、ある時に一首の例外もなく幽現界(カクリヨ)に消えた。それから後に、僅かずつではあるが「歌」は還ってきたが、昔の人たちのようにただ無邪気に楽しむことはできない。「歌」のありかたは、根本から変わってしまったのだ。
白髪の青年・祝園完道と類なき天才歌人・帳ノ宮真晴の命運が交錯する――失われてしまった和歌を仲立ちに。
新星、大桑八代がおくる・三十一文字を巡る物語・・・・・・。
賀東招二氏(『フルメタルパニック』シリーズ)が「キャラも台詞回しも個性的かつスタイリッシュ」と絶賛した、第7回ライトノベル大賞ガガガ大賞受賞作!!
※この作品は廉価版です。廉価版にはイラストが入りません。 -
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