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内藤正典, 三牧聖子 / 集英社新書 (2件のレビュー)
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ハルモヤ
他書を読んだあとの違和感が解決された。三牧さんの明確な視点は、欧米、とりわけバイデン政権についての理解の助けとなる。
投稿日:2024.05.22
mmcit
10・7に始まるイスラエルのガザ侵攻を止めることができない欧米中心の国際秩序を「リベラルのダブルスタンダード」という観点から厳しく検証する。米国の若年世代の政治動向をウォッチしている三牧氏の議論は、…バイデンの筋金入りの親イスラエルぶりを指摘する一方で、米国内部が決して一枚岩ではないことを示すものとなっている。 一方で内藤氏は、トルコから見たEU、米国、イスラエルという視座を提示するが、エルドアンの政権をどう評価できるのかがいまひとつわからない。エルドアンといえば強権的なメディア統制を行っているとされるが、そのようなイメージも歐米メディアによるバイアスということなのか? ウクライナ戦争が始まる前、反米・反グローバリズムの文脈でプーチンを相対的に持ち上げるような議論が散見されたが、氏の見解は、そのような種類の言説と差異化できるのだろうか。 三牧氏は、イスラエルの侵攻を支持する欧米の動きを指して、「言葉が歪んでいる」とする。彼ら・彼女らの「言っていること」と「やっていること」との乖離を指した直観的な物言いと思うが、そもそも第二次世界大戦後の国際秩序じたいが、いくつもの虚構=擬制の積み重ねの上に成り立ったことを想起してもよい。イスラエルの建国=パレスチナ人の追放は、その虚構=擬制の最たるものの一つだろう。冷戦構造の崩壊後、30年にわたって延命させられてきた「世界」を成り立たせる約束事としての虚構=物語――近代、自由、人権、倫理、法の秩序――について、ひとつひとつのコンセプトを鍛え直すことから求められている。いま戦争と平和を語ることは、こうした歴史的なパースペクティブの下にあることを自覚するところから始めるべきではないのか?続きを読む
投稿日:2024.04.25
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