【感想】NHK 100分 de 名著フロイト『夢判断』2024年4月【リフロー版】

日本放送協会, NHK出版 / NHK 100分 de 名著
(3件のレビュー)

総合評価:

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  • 深川夏眠

    深川夏眠

    精神分析の礎を築いた
    ジークムント・フロイト(1856-1939)の『夢判断』を繙く100分。

    ■はじめに
     『夢判断』は一介の町医者が偉大な真理の発見者=
     《世界のフロイト》に変貌する契機となった著作。
     百年以上経過した古典だが、
     人間が夢を見続ける限りアクチュアルであり続ける。
     いかに文明が進歩しようと、
     人間が夢を見なくなることは多分なく、
     AIは夢を見ないのだから、
     夢こそが〈人間の証明〉になる時代が来るのかもしれない。

    ■第一回:「無意識」の発見と夢分析
     〈心の病〉としての神経症の治療。
     催眠療法から自由連想法へ。
     患者及び自分自身の夢を研究したフロイトは
     時代の節目である1900年に成果を発表。
     人間の無意識を論理的に、ある種の法則性によって
     解明可能なものとして『夢判断』を世に示した。
     これは「意識が理性的・論理的であるのに対して
     無意識は非理性的で混沌としたもの」という
     旧来の常識を覆す画期的な書だった。
     フロイトは無意識を〈もう一つの理性〉
     〈もう一つの知〉と位置づけ直して
     アプローチする方法を示した。
     曰く「一切の夢は願望充足である」。

    ■第二回:夢形成のメカニズム
     夢は抑圧された願望の偽装された充足であり、
     そこには歪曲された願望が顔を出し、
     問題の中心点がずらされることもある。
     また、夢は抽象的な思考をヴィジュアル化する。
     夢には文化に規定された〈象徴的表現〉が登場し、
     物語に整合性を付与するための〈第二次加工〉が行われる。 

    ■第三回:エディプス・コンプレックスの発見
     ――無意識の愛と性
     フロイトはソフォクレスの『オイディプス王』と
     シェイクスピアの『ハムレット』という二つの悲劇から、
     エディプス・コンプレックスの概念とその普遍性を導き出し、
     説いた。

    ■第四回:無意識の彼岸へ
     三層構造を成す『夢判断』
      3F 夢事象の心理学
      2F 分析によって裏付けられる〈夢作業〉を具体的に論じる
      1F 夢分析の実例とその方法を提示
     本丸は「夢事象の心理学」で、フロイトはここで、
     夢をその形成メカニズムにまで遡って検討した結果
     得られた知識の全体を包み込む、
     未だかつて誰も見たことのない新しい《心理学》の構築に
     乗り出した。
     心を一つの〈装置〉と捉え、
     その機能と成り立ちを説明する《心理学》を、
     フロイトは「意識の背後へ通じる心理学」の意で
     《メタ心理学》と呼んだ。

    ※番組(録画)視聴後の感想を併せたレビューは
     後日ブログにて。
     https://fukagawa-natsumi.hatenablog.com/
    続きを読む

    投稿日:2024.05.14

  • nakaizawa

    nakaizawa

    「フロイト『夢判断』」立木康介著、NHK出版、2024.04.01
    113p¥700C9411(2024.05.06読了)(2024.03.27購入)

    【目次】
    はじめに 二十世紀を動かした「無意識」の発見
    第1回 「無意識」の発見と夢分析
    第2回 夢形成のメカニズム
    第3回 エディプス・コンプレックスの発見 ―無意識の愛と性
    第4回 無意識の彼岸へ
    もう一冊の名著 フロイト『精神分析入門講義』

    ☆関連図書(既読)
    「精神分析入門 上」フロイト著・豊川昇訳、新潮文庫、1956.06.10
    「精神分析入門 下」フロイト著・豊川昇訳、新潮文庫、1956.06.15
    (アマゾンより)
    夢の中へ、自分の知らない自分を探しに
    人は誰しも、自分では認識していない「心の秘密」を持っており、そのありか=「無意識」にたどり着き、心の秘密を取り戻すことで、心の病を治療することができる。そして、無意識を明らかにするための重要な素材が「夢」である――フロイトはこう考え、「無意識」という新たな心の領域を発見・探求し、人類の知の枠組みを一変させた。その理論を、夢の分析の豊富な事例をもとに築き上げたのが『夢判断』だ。「エディプス・コンプレックス」など性に関わる問題を扱っていたこともあり、誤読・誤解されることも多い本書を改めて丁寧にひもとき、夢や無意識をめぐるフロイトの理論・思想の本質、そして現代にも通じるその革新性を読みとく。
    続きを読む

    投稿日:2024.05.01

  • 下山はじむ

    下山はじむ

    立木康介さんのしゃべりは、よどみなく、すらすらと速い、だからかもしれないが、どうもウサン臭い。
    「夢判断では扱わない夢」という話になった時、なんか変だと思った。
    「例外あり」の理論ならば、心理分析というのは、「確証バイアス」を巧みに操って、自分のテリトリーの中で答えを出す手法とも言えるのではないだろうか。続きを読む

    投稿日:2024.04.27

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