【感想】嘘があふれた世界で(新潮文庫nex)

浅倉秋成, 大前粟生, 新名智, 結城真一郎, 佐原ひかり, 石田夏穂, 杉井光 / 新潮文庫nex
(6件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • よつば

    よつば

    「かわうそをかぶる/浅倉秋成」
    「まぶしさと悪意/大前粟生」
    「霊感インテグレーション/新名智」
    「ヤリモク/結城真一郎」
    「あなたに見合う神さまを/佐原ひかり」
    「タイムシートを吹かせ/石田夏穂」
    「君がため春の野に/杉井光」

    嘘をテーマに描いた7話収録の短編集。

    杉井光さん以外は皆さん平成生まれという事もあってか、VTuberや動画配信、マッチングアプリ、ユーチューバーなど今時のコンテンツが目白押しで、文章に勢いを感じた。

    どの短編も個性的で楽しめたが、お気に入りは浅倉秋成さんの「かわうそをかぶる」。
    痛快で愉快で強烈。
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    投稿日:2024.04.16

  • purple

    purple

    7人の作家のアンソロジー小説。
    VTuber、TikTok、位置情報を利用したアプリ、マッチングアプリ、YouTuber、Teams、故人のSNSアカウント・仮想通貨口座を題材にしており、令和の時代を感じる。続きを読む

    投稿日:2024.04.15

  • 雪だるま

    雪だるま

    このレビューはネタバレを含みます

    浅倉秋成さん  かわうそをかぶる

    人気音楽クリエイターが殺された。その犯行動機は『VTuberを守るため』だった。主人公の女性に共感できる部分も沢山あり親近感が湧いた。 
    最後の展開に驚き、見返す面白さがあった。

    大前栗生さん  まぶしさと悪魔 
    動画がバズり、カリスマとなった女子高生の海荷は神と呼ばれ学校外からも人気があった。
    しかしそんな海荷がいきなり動画を撮るのをやめてしまった。やめた理由を問うために教師が動いた。動画の中のキャラづくりや誹謗中傷に疲れたためであった。しかしその原因を作った人が意外な人であった。

    新名智さん   霊感インテグレーション
    「幽霊からプッシュ通知が届く」その1文から始まった物語で仕組みがしっかりしていた。仕組みが分かった時にそういうことかと納得感が大きかった。そして自分が使ってるアプリとかがそんな仕組みになってたら怖いなって思った。

    結城真一郎さん ヤリモク
    マッチングアプリで年齢を偽り、娘に似た女性に会う男性がいた。なんで娘に似た女性ばかり会っているのかな?と読んでいる最中に疑問だった。しかし最後まで読むとどんでん返しを受けた気分になった。面白かった。

    佐原ひかりさん あなたに見合う神さまを
    好んでいるYouTuberを「推し」ではなく「好き」と言ってる権藤さんの性格がかっこいいなと思った。推し活が流行っている中で、権藤さんは好きな人の真似をなどをすることで近づこうとしている姿がかっこよかった。またその友達?として手伝っている女の子も人間味あって共感できるところが多くあった。
    最後はあれ?とびっくりする部分があって読んでいて面白かった。

    石田夏穂さん  タイムシートを吹かせ
    これからの時代増えてきそうなIT介護を題材にしたお話であった。疎い人にIT系のことを伝える大変さが身にしみて分かり共感が大きかった。ログインする際のパスワード、IDなどは老人などは覚えられない、打てないのはあるあるでそこを利用した話であった。

    杉井光さん   君がため春の野に
    亡くなった夫のアカウントが未だに動いており不思議に感じていた。予約投稿などでもなく未だに投稿されており不思議であった。
    位置情報も様々なところからされていることや、投稿内容もその人らしい投稿をしているため原因がわからなかった。
    パスワード変更を試みるもうまくいかない状態であった。
    その原因は、よくある詐欺の1つであった。


    どのお話も最後はえっ!となる作品ばかりで読んでいて楽しかった

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    投稿日:2024.03.23

  • ほうれんそう

    ほうれんそう

    注目作家のアンソロジー作品

    SNS、Vtuber、SNSによるバズり、マッチングアプリ、若手社員と再雇用者のネットリテラシーの差異
    今の自分達にとっては馴染み深いテーマでとても読みやすい作品だった
    もちろんアンソロジー作品なので好き嫌いは多少なりとも出てしまった。

    かわうそをかぶる
     どうしてこれほど心が壊れた少女を描けるのか読んでいて不思議な気持ちになる
     物語の展開がとても綺麗で短編と思えない読み応えがある
     ラストで伏線回収があるのもなんとも秋山先生らしい

    ヤリモク
     40代男性のマッチングアプリ事情
     妻子持ちの彼がやっている理由とは…
     こちらも伏線回収ものだが、一番個人的にはなってほしくない形の結末迎えてしまった
     後味は悪いが面白く一気に読むことができた
     一度結城先生の他の作品も読んでみたくなった

    君がため春の野に
     亡くなったSNSのアカウントが動き続けると言う現実も起こり得るような題材のお話
     気に入った作品の中では唯一心温まる内容の作品
     1月7日の投稿主の詮索をするのは…ヤボってもんですよね…
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    投稿日:2024.03.22

  • にょぴ

    にょぴ

    このレビューはネタバレを含みます

    嘘がテーマのアンソロジーであり、各作品で何が嘘に当たるのか?を考えながら面白く読めた。1つ目の『カワウソをかぶる』がインパクト強すぎる。あーこっちの人やったんかい!ただのASD(解離はあるかも?)かと思わせといて自分が気持ち良くなるためならどんな事でもやっちゃうサイコパス人格の居る解離性障害やったんかい!が痛快で(書き方が上手くてミスリードさせるからズルい!)、思わず最後の数ページを何度も読み返した。途中何度もあれ?って思わせつつ上手く気付かせないようにするのが作者の狙い通りやとすると凄いなと。その次の話がなんか面白くなくて途中やめそうになったけど、『ヤリモク』が途中早めにネタバレしたけど面白かったから最後まで行けた感じ。最後の『君がため春の野に』も題名の意味が最初全然分からんかったの最後にちゃんと回収出来るようになってて『世界でいちばん透きとおった物語』の続編として楽しめたりしたし、軽ーい読み物としてオススメできる本。

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    投稿日:2024.03.17

  • ERI

    ERI

    初めてのアンソロジー。豪華なメンツですよね!
    石田夏穂さん、佐原ひかりさんの作品が好みだった。
    特に石田夏穂さんの作品は面白くて、くすくす笑いながら読んだ。ベテラン社員のことをレジェンドと密かに呼んでいる時点でツボ。あと、IT介護スタッフとかね笑 やはり石田夏穂さん大好きだ!続きを読む

    投稿日:2024.03.11

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