【感想】悪事の心理学 善良な傍観者が悪を生み出す

キャサリン・A・サンダーソン, 本多明生 / ディスカヴァー・トゥエンティワン
(2件のレビュー)

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ブクログレビュー

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  • corpus

    corpus

    みんなと一緒であることは安心のしるしである。仲間外れにされたり、嫌われたくないのが一般的だと思う。

    実際、ある特定集団、たとえば、学校、企業、宗教組織に所属していると、そこでは通例になっているのを否定するのは困難だ。

    しかし、より広い集団、たとえば、国家、そして長期における歴史の視点からみると、その当たり前で通っていたことが、不正や不祥事であることがしばしばある。悪は実在するのではなく、ある視点に従属しているとしか思えない。

    ただ、世界人類、過去から現在に至るまで、みんな共通の認識をしていたのに、この今の自分だけが、おかしいと訴えても、何の力にもならないのも事実だ。ここに善悪のない神の領域があると私は信じている。

    それは極端にしても、同調するのが必ずしも快いといえないまでも、多くの人は同調傾向が強いと思う。この本の革新的なところは、少数派の変革者に注目して、それをハウツー物にしているところだ。

    脳神経にも触れているのも、一つの特徴であるとも言える。何より実例が豊富だ。この先、新しい倫理学ができるかもしれない。
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    投稿日:2024.05.25

  • のんのん

    のんのん

     人は善にも悪にもなると思う。
    特に、集団における同調圧力の力は凄まじく大きい。制服、会社の理念、誇らしくもあるのかもしれないが、それは同調を促す。
     ミルグラム研究が取り上げられているが、指示に従う時に、自分の責任を薄まったと勘違いしてしまうのか?

     いじめは多数の傍観者がいて表面化するのに時間がかかる。いじめを注意した為に自分が対象になることもある。
     誰もが我が身が可愛い。そして自分の子供、あるいは友人など、自分の身内意識を持っている人が可愛い。
     「見て見ぬふり」も傍観者を表す言葉だ。そして、傍観者が多いほど、傍観者を生む。
     本の帯に「抗議の声を上げるのをやめたほうが楽だと感じたことが何度もありましたが、本書はそれに屈することがないように勇気を与えてくれました。」と。

     ルワンダで大量虐殺が起きた時、難民を勇敢に助けたのは人助けをした経験を持つ両親のもとに育った人が多かったという。

     正しいことも認識とスキルを身につける必要がある。

     自分1人が声を上げてもという自己認証に対する過小評価を乗り越え、居心地の悪さも乗り越えなければならない。

     それが出来たら、選択を迫られた時、内面の奥底にいる自分を誇らしく思うだろう。
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    投稿日:2024.03.24

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