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太田泰彦 / 日本経済新聞出版 (3件のレビュー)
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midoridensya
アメリカが先端半導体の技術を中国に渡さないように締め上げつうサプライチェーンの国内化を目指し、中国は自国での先端技術開発に死力を尽くし、欧州は最先端半導体製造装置における圧倒的優位性でチョークポイント…を押さえにいくなど、経済、国防の両面で戦略的重要物資となった半導体を巡る地政学的な勢力図と各勢力の戦略がよくわかった。その中で、日本はかつてのメモリ半導体王国の地位を失い、資本の論理でキオクシアの売却先が決まるなど戦略的でない動きもある一方で、IBMの最新技術を実現するためのラピダスの設置や多額の補助金を提示してのTSMC工場誘致成功などの戦略的な取組も奏功しはじめている。さらに、専門特化型のチップの設計を担い半導体チップ設計の民主化を目指すソシオネクストの存在や、富岳に使われた高性能CPU「A64FX」を開発した富士通、TSMCと組んで半導体の研究開発ラボを電光石火で設けた東大、光論理ゲートでこれまでの電気信号ベースの情報処理を覆す革命を予感させるNTTのIOWN構想など、今後に向けた期待の技術開発が日本で行われていることに希望が持てた。重要なのは、半導体を「使う」画期的なプロジェクトを生み出す力(結局は強力な需要があるかどうかがサプライチェーンの強さを決める)と、アメリカが通商政策における指導力を失った現状において日本がどのような戦略的構想と影響力を発揮できるかである。続きを読む
投稿日:2024.05.26
tama_chan
半導体はバリューチェーンが複雑だということがよくわかった。半導体はもはや産業だけでなく政治にも影響を及ぼしており、半導体について知るには地政学的視点が必要不可欠だと感じた。全体の構成としては少し長く感…じたが、説明は丁寧で最新の情報も盛り込んであり、非常に面白かった。続きを読む
投稿日:2024.05.08
mochioka
以前から半導体不足の話をよく聞いていたが、本書を読んでものすごく納得できた。デジタル技術の進歩が加速度的に進み今後も止まらないのは明白な未来であり、半導体サプライチェーンがますます重要になっていくのは…明らかすぎる。 まさかアルメニアとアゼルバイジャンの紛争も、半導体に一端関係あるとは、、(すべてが半導体のせいというわけではない) 半導体という観点で世界を見るとこんなにも色んなことが知れるのかと、驚きがあった一冊でとても面白かった。続きを読む
投稿日:2024.03.15
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