【感想】武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

山口周 / 角川文庫
(6件のレビュー)

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ブクログレビュー

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    このレビューはネタバレを含みます

    自由について、わかるということについて、変化について。。。何事にも共通する概念であり、読みながらいろんなことを思い出して、一応私は生きてきたんだな、と思った。
    疑う力、思考する力、哲学といまを照らし合わせ、その必要性を感じた。

    学べる事が非常に多い一冊だった。読んでよかった。


    特に印象に残ったもの↓↓↓
    ・フロム「自由からの逃走」
    自由は孤独や責任を伴う
    「人間の理想である、個人の成長、幸福を実現するために、自分を分離するのではなく、自分自身でものを考えたり、感じたり、話したりすることが重要であること。
    さらに、何よりも不可欠なのは「自分自身であること」についての勇気と強さを持ち、自我を徹底的に肯定することだ。」
    選択肢が増えてきている現代において向き合わなければいけない課題

    ・アーレント「悪の陳腐さ」
    悪とは、システムを無批判に受け入れること
    現行のシステムの中でいかにうまくやるかor現行のシステムをよいものに変えていくか
    という生き方があった時に、前者を選ぶ人が多いが、それは悪に加担する可能性がある

    ・マズロー「自己実現的人間」
    自己実現を成し遂げた人に共通する15の特徴

    ・チクセントミハイ「フロー」
    フロー理論
    うまくいっているときの共通点

    ・デシ「予告された報酬」
    「予告された報酬」は創造的な問題解決能力を著しく低下させる。
    アメもムチも逆効果。ただ自分がそうしたいから、が動機になるのがよい。

    ・レヴィナス「他者の顔」
    他者とは気づきの契機
    わかりあえない人、理解できない人が大切
    わかるというのはそれによって自分が変わるということ

    ・マルクス「疎外」
    自分たちが生み出したシステムによって、自分たちが振り回され毀損される
    ルールやシステムで人の行動をコントロールしようとすれば、おのずと疎外が発生する
    理念や価値観といった内発的なもので望ましい行動へ促すのが重要

    ・ボードリヤール「差異的消費」
    消費とは記号の交換
    記号とは個人間の差異
    消費の目的は
    機能的便益、情緒的便益、自己実現的便益
    社会的な欲求
    記号の地獄
    マーケティングにおいて、どんな差異を規定するか

    ・ソクラテス「無知の知」
    知らないことを知っている
    わかるということの深遠さ
    わかるということに対してもっと謙虚になるべき
    コミュニケーションレベル U理論
    要はーでしょの危険性

    ・デカルト「コギト」
    我思う、ゆえに我あり
    方法的懐疑、すべてを疑う
    その末すべてを疑っている自分がいる事だけは確かだとわかる

    ・ソシュール「シニフィアンとシニフィエ」
    概念を示す言葉 言葉によって示される概念
    自分が知っている言葉でしか世界は把握することができない
    言葉を多く知っているということは、多くのより細分化された概念を知っているということ

    ・デリダ「脱構築」
    二項対立の構造を崩す
    枠組みが間違っている

    ・ケイ「未来予測」
    未来はどうなるか?ではなく未来をどうしたいか?
    未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ

    レビューの続きを読む

    投稿日:2024.05.02

  • 重度積読症

    重度積読症

     ビジネスパーソンが「哲学」を武器として使いこなすための案内書。著者は、ビジネスパーソンが哲学を学ぶ理由を大きく4つ挙げている。
     ①状況を正確に洞察する。
     ②批判的思考のツボを学ぶ。
     ③アジェンダを定める。
     ④二度と悲劇を起こさないために
     以上のような観点に立って、著者にとって有用性があるかどうかという基準で選択した50人の哲学者(思想家)とそれに関わるキーコンセプトが、人について、組織について、社会について、及び思考についてという4つの使用使途別に整理、紹介される。
     
     取り上げた哲学・思想のエッセンスが簡潔に紹介された上で、それらの考え方がいかに私たちの生き方や仕事に活かすことができるかが論じられる。経営コンサルタントという著者のバックグラウンドもあり、イノベーション、意思決定、報酬政策、人事評価等具体的なビジネスとの関わりにを例にしつつ著者の視点が明確に説かれているので、各人の説自体は良く知らなくとも、読んでいてなるほどと思うものが多い。

     次の学者たちの思想・説についてはほとんど知らなかったので、本書を参考にしながら、まずはそこから学んでいきたい。
     ・フロー ~ ミハイ・チクセントミハイ
     ・予告された報酬 ~ エドワード・デシ
     ・解凍=混乱=再凍結 ~ クルト・レヴィン
     ・マタイ効果 ~ ロバート・キング・マートン
     ・ナッシュ均衡 ~ ジョン・ナッシュ
     ・権力格差 ~ へールト・ホフステード
     ・反脆弱性 ~ ナシーム・ニコラス・タレブ
     ・格差 ~ セルジュ・モスコヴィッシ
     ・公正世界仮説 ~ メルビン・ラーナー
     ・未来予測 ~ アラン・ケイ
     ・ソマティック・マーカー ~ アントニオ・ダマシオ

     
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    投稿日:2024.04.14

  • Yoshiee

    Yoshiee

    高評価であるのが大いに納得のいく内容。前作も含めて著者の作品には冗長なところかなく、難しい話しも極力平易に解説がされており、読み易く、内容も多くの示唆に富む。50の哲学・思想が紹介され、その多くが時に振り返って参照・思い出しをしたいと感じた。続きを読む

    投稿日:2024.03.06

  • チルコート

    チルコート

    とっつきにくい哲学をうまくわかりやすく整理して実用的な形に落としこんでおり、よい気づきが多くあった。時折読み返して身につけていきたい。

    投稿日:2024.02.03

  • Y.O

    Y.O

    哲学というのは批判と提案を常に繰り返してきたものである。だからこそ、そこに人の思考のプロセスがある。その思考のプロセスは、目の前の出来事を相対化するための道具となる。目の前の状況に対して新しい切り口をくれるものでもある。哲学を学ぶことで、あらゆる分野を横断的に進んでいかなければならないということを知ることができる。それは、結局、自分の思考を深めることにつながる。
    哲学という営みが、自分の思考を深めると言う作業である。そして、哲学という分野に確固たる答えはない。常に時代の中で変容していくものである。
    続きを読む

    投稿日:2024.01.20

  • べべ

    べべ

    特にビジネスマンとしての考え方(人事評価制度や自己成長など)について書かれていた。このような哲学書はあまりなかったため、とても面白かった。

    投稿日:2024.01.10

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