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関川夏央 / 岩波書店 (9件のレビュー)
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エプロンパパ
晩年を中心に描いた評伝集。天下一下の会の内村健一からポルポトまで、幅広い人選が魅力だ。面白かったのは、テレサ・テン、萬屋錦之助、ダイアナ・スペンサー、金杉忠男、大津高幸、村山聖など。後書きにもあったよ…うに1995年は阪神大震災、オウム真理教事件が起きた年、それからの5年間に亡くなった人たちは、歴史の転換点を生きたのだ。続きを読む
投稿日:2022.01.20
sagami246
関川夏央、「人間晩年図巻」の2冊目。本巻は2016年6月の発行で、1995年から1999年に亡くなられた方についての紹介。 1995年は阪神淡路大震災と地下鉄サリン事件が起きた年だ。1990年代初頭に…バブルが弾けて、日本では低成長が続いていた。当時はそれでも、それは景気循環の下降局面であり、いつかは景気は回復するであろうと見られていたが、そこから約30年間近く、日本の経済は低迷を続けている。 個人的には、私の30代。1995年には、子供2人は小学生。任される仕事の範囲も広がりつつあり、生活は充実していたと言える。 本書で紹介されているのは、35人。 例えば、テレサテン、横山やすし、司馬遼太郎、渥美清、鄧小平、ダイアナ妃、村山実など。 司馬遼太郎の「坂の上の雲」に心を動かされたり、テキ屋の寅さんの自由気ままな人生を羨んだりしたことが思い出される。 そういう意味では、本書は亡くなられた方々を紹介する本であると同時に、読者が自分の人生を振り返る本でもあるのだと思った。続きを読む
投稿日:2021.12.17
boutoumetous
山田風太郎「人間臨終図巻」の衣鉢を継ぎ、現代史へシフトした「人間晩年図巻」。三島由紀夫賞の授賞式で「私(関川)は、たまたま江藤淳の真後ろに座っていて」という「江藤淳」の回は臨場感がある。「人間臨終〜…」でいうと「江戸川乱歩」の回にあたるだろう。 初読が2018年晩秋。僅々2年半の間に自分も老いた。再読した今、物故者の晩年がロールモデルとして身に迫ってくる。続きを読む
投稿日:2021.04.23
debuipipi
山田風太郎「人間臨終図巻」の続編を意識して書かれた本. 山田本が死んだ年齢順でソートされている一方でこの本は死んだ年の順. 作者によればそうすることによって,この 1990年代の世相を浮き上がらせたか…ったとのこと.それはある程度成功しているのではないか. 山田本と文体まで似ていると思うけれど,大きく違うのは登場する人物たちへの作者のコミットが大きいところ.山田はドライな客観的な視点が多かったが,著者と同時代に生きた人たちに対する視線はかなりの批評を含んでいると感じた. 続編も岩波の web マガジンで連載中.まとまったら読ませていただきます.続きを読む
投稿日:2020.08.15
ucym100
もうひとりのシベリア天皇 袴田陸奥男 日本共産党幹部袴田里見の弟 55年生まれでソ連邦崩壊後のロシアで自由主義の旗頭の一人と目されたイリーナ・ムツオヴナ・ハカマダは袴田の娘 陸奥男の出生前に生まれ…ていたロシア学の袴田茂雄青山学院大学名誉教授は、イリーナの異母兄にあたる続きを読む
投稿日:2019.03.23
ホトケ
臨終図鑑の続きを切望していたので、この企画はありがたい!山田版と比べると犯罪者成分や皮肉な言い回しが足りないなど感じるが、よくぞ作ってくださったという感謝の念の方が大きい。山田康雄とか勝新太郎とか興味…深い方々も収録されている。続きを読む
投稿日:2018.04.13
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