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絲山秋子 / 文春e-book (38件のレビュー)
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こっこ
地味で微妙な架空の県、黒蟹県。架空なのに、というか架空ゆえに、リアリティがありすぎる。誰もが「あの地域かな?」と自分の知っている地名を思い浮かべたくなるような、地味でありがちな日常。 各章ごとにその回…に出てきた言葉の辞典がついているが、それが架空のものと現実のものがないまぜになっていて面白い。 「半知半能の神」がときどき出てきて、でもすごいことが起きるわけでもなくて、どこで暮らしても人間ってなんかみんな同じような感じで変だよな。。 と混乱してくる。続きを読む
投稿日:2024.06.02
mei2cat
図書館本 行ってみたいな黒蟹県。 神が60代無職枠で審査員してみたり、落雁ときんつばの戦いがあったり、地味にクスッとなるところがまた心地よい。
投稿日:2024.05.22
miyuki
現代の日本の地方都市、どこにでも起こりそうな日常を描いている。 架空の地方都市で架空の言葉や場所、物質等を作り出し、ストーリーが展開していく。 不思議な小説。
投稿日:2024.04.27
浅葱
黒蟹県という架空の都市を舞台にした、そこに住む人々の短編集。 なんとなく想像はできつつもつまるところ絵を結ばないが雰囲気だけは想像できる世界。架空と現実とがいい具合に混ざっているので、全く存在しないこ…とであってもすんなりと読めてしまう。話の終わりに用意された黒蟹辞典でそれが架空が実際かを判断して、架空であれば頷き実際であって驚く。いかに自分がよくわからいものでも想像で補完して読み進めているのだと実感する。 神という立ち位置はその地に存在し生活をしながら、そこで実際に生きる人とは指先で触れ合うような関わりをする。神にとっては薄い紙越しに見る世界なのかもしれない。だから関わって仕舞えばそれは誰かの見た夢になるのだろう。続きを読む
投稿日:2024.04.25
あおつき
初めて絲山秋子さんを読みましたが、不思議な読書体験でした。 読み始めは馴染みのない田舎文化に入り込めず、期待外れかと思っていたのに、読み終わってみれば、なんだか懐かしさまで感じるほど親しんでいた。 … ふとした場面にはっとする言葉が散りばめられていて、油断ならない。 こういうのが癖になるんだろうなと思います。続きを読む
投稿日:2024.04.21
Masahiro Sera
黒蟹県(架空)を舞台にした短編8話。 独立した話ではなく、登場人物やお店の名前などは共通する。そして異彩を放つのは、所々に現れる神。 神も神だが、登場する人たちも総じて緩い。 読んでて楽しいとはこのこ…とかな。 しかし一方で、教訓的なことや人生訓を想起させるような含蓄のある話もあり、飽きない内容だった。 本文より、 世のおばちゃん方がなぜ飴を持ち歩き、人にくれたがるのか、やっとわかった。唾液の分泌が不安定でふとした弾みに口のなかがカラカラになっていることに気づくのだ。だから飴を持ち歩く。人にあげるということは自分でも舐めていいということだ。不調を隠しつつ愛嬌を前面に出して恩を売る。さっと差し出す迷いのなさと社会性の高さ。これこそがおばちゃんである。 閉経こそ赤飯を炊いたり鏡割りをしたり二階の屋根から餅を投げたりして祝うべきものではないだろうか。これからはいつだって温泉旅行に行けますから誘ってくださいねと紅白饅頭を配ってもいいのではないか。人からもらいたくはないけど。 まあ、それ以前に更年期症状でだるくて動きたくもないのだけれど。 人々は不便でも貧しくても変わらない暮らしが継続することを内心望んでいたりする。見た目の対称性や反復するリズムを好む。予測不能な自由より把握できる不自由を選んでしまう。それなのに退屈する。だからこそぎこちなさやためらい、突然現れる小さな反乱、不穏な気配、刺激に惹きつけられるのではないか。 そうなのか!(?)続きを読む
投稿日:2024.04.20
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