【感想】ダニッチの怪 3 ラヴクラフト傑作集

田辺剛 / ビームコミックス
(2件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • まいつき

    まいつき

    圧倒的存在の実存を知り、慄き震えるダニッチの村人たち。
    終わりの始まりを目の当たりにした彼らは、ただただ理解をあきらめ、そういうものがあるという恐怖に怯えるしかない。

    人間に何ができるのか。大きな存在を知ったところで、できることはないという諦めのもとで来たる日を待つししかできないのか、という終末感がある。

    何度も書くけどメガテンユーザーなので、大いなる存在でもなんでも人間舐めんなよ、の気概がある。悪魔召喚プログラムがあれば、なんとかなるだろ、という盲信の信頼感。まあ、きっと先輩サマナーみたいに瞬殺されそうですが、それでも舐めんなよの気概は大事。

    そんな気概を意にも介さないほどの存在というのが、ヨグ=ソトースであり、古きなるものたち。彼らからしたら虫ケラかもしれないけども、虫ケラを滅ぼしたことは人類はないのだから、大いなる存在だからなんだというのだ。
    「三体」の警部の心意気でもあるな。
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    投稿日:2024.05.12

  • 傘籤

    傘籤

    kindleのタイムセールで一冊99円という格安状態で販売されていたので迷わず全巻購入。いいんでしょうかこんなにすごい漫画をここまでお安く手に入れちゃって。とりあえずすべて読み終わったので最新刊の『ダニッチの怪3』にまとめの感想を。

    この『ラヴクラフト傑作集』は、言わずと知れたラヴクラフトのコズミックホラーな作品群を田辺剛が漫画化したもの。原作に対する解像度の高さがすさまじく、しかも古き神々やダゴンといったこの世界に存在する異形の方たちビジュアルがとんでもなく精緻に描かれています。わーん眼福すぎるってー。2014年に発売された『魔犬』から、2023年の『ダニッチの怪』まで、いっさい手を抜くことなくラヴクラフトの世界を緻密に、迫力を持って表現しようとしており、ラヴクラフト好きにとって大満足な出来。これ以上のメディアミックスは無いんじゃないかと思うほど。

    ほか『インスマスの影』『狂気の山脈にて』『ダニッチの怪』『クトゥルフの呼び声』などもコミカライズされており、いずれも読みやすく完成度も高いです。漫画的なリーダビリティを意識して描かれているため、絵の密度に反してすらすら読めてしまうのも特徴。作者の頽廃的な絵の雰囲気とクトゥルフの世界はよく合いますなあ。

    ところで『ダニッチの怪』を読むと最終巻っぽい雰囲気があるんですが、一応この巻で終わりなんですかね?他の作品もコミカライズしてほしいんですが。
    クトゥルフやラヴクラフトについて知りたい、楽しみたい、という方にとって最初に手に取ることをおすすめしたい見事な漫画化作品。面白くてガーッといっぺんに読んじゃった。
    「宇宙的恐怖」を手軽に楽しみたい方なら鉄板です。さあ、みんなで叫びましょう「テケリ・リ!テケリ・リ!」
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    投稿日:2024.03.18

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