【感想】黒幕の日本史

本郷和人 / 文春新書
(8件のレビュー)

総合評価:

平均 2.8
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ブクログレビュー

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  • ポートスタディ

    ポートスタディ

    興味のあるところだけ拾い読みしました。
    黒田官兵衛、千利休、高山右近、伊奈忠次、西郷隆盛。高山右近が前田家の参謀となってお家存続に大きくかかわったあと出国したのは初めて知りました。

    投稿日:2024.05.04

  • takeshi3017

    takeshi3017

    タイトルにある黒幕とは、朝廷の表にあたる天皇、幕府の表にあたる将軍、それに対し裏の存在を指す。例えば摂関政治を展開した藤原氏、院政期の上皇、明治時代の元老政治なども含まれる。「ウラからオモテを操った人物」「重要な役割を果たしたが、陰に隠れた存在」。そんなところだろうか。ポストと実権が必ずしも一致しない日本の歴史は黒幕的存在を生みやすい。この本では「有名な黒幕」という矛盾した存在から、歴史的に「過小評価されてきた黒幕」、功績に対し政権内での地位待遇が高くない「不遇な黒幕」、歴史上広く名が知れているが、実は、隠れたところで仕事をしていた「意外な黒幕」までが登場する。こうした論は「陰謀史観」として批判されがちだが、歴史上の全ての事象が史料に記されているわけでもない。特に機微に触れるものほど、隠されている部分があると疑うべきである。仮説が成り立つかも含め「黒幕」のあり方を知るとその時代の権力の仕組み、日本社会がどのような力学で動いてきたかがよくわかる。本書では十六人の「黒幕」を紹介しながら、日本の歴史を新しい角度から見ていく。信西/天才学者を「黒幕」にした世襲の壁。北条政子/架空のクーデターでライバルを蹴落とす。海住山長房/承久の乱に反対した実務派貴族。平頼綱/肥大化した側近エリートの末路。北畠親房/正統を追求しつつ上皇を拉致。三宝院賢俊/「錦の御旗」を持ち帰った尊氏の密使。黒田官兵衛/「軍師官兵衛」といわれるが……。高山右近/前田百二十万石を救った「影のブレーン」。伊奈忠次/家康から過小評価された民政家。西郷隆盛/「慶喜に腹を切らせろ」ほか。詳細→
    https://takeshi3017.chu.jp/file10/naiyou28110.html
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    投稿日:2024.01.17

  • tagutti

    tagutti

    <目次>
    第1章  宇多天皇
    第2章  信西
    第3章  北条政子
    第4章  中原親能
    第5章  極楽寺重時
    第6章  海住山長房
    第7章  平頼綱
    第8章  北畠親房
    第9章  三宝院賢俊
    第10章  細川頼之
    第11章  三宝院満済
    第12章  黒田官兵衛
    第13章  千利休
    第14章  高山右近
    第15章  伊奈忠次
    終章   西郷隆盛

    <内容>
    黒幕とは、地位と実験が必ずしも一致しない日本において、ウラの存在でありながらオモテを動かした人物や地位と実権、実績に大きな隔たりがある人、重要な役割を果たしながら目立たない存在、をピックアップした本。歴史の本筋を理解していないとわかりにくいかもしれない。
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    投稿日:2023.12.22

  • kitano

    kitano

    このレビューはネタバレを含みます

    “黒幕の定義”が曖昧なので読むに値しない著作、と言いたくなるほど大嫌いな歴史漫談家の著作だが、魔が差して借りてきてしまった事を深く反省します

    宇多天皇:寵臣見つけただけ
    信西:誰も操っていない
    北条政子:最高責任者
    中原親能:小物にしか見えない
    極楽寺重時:撫民マインド醸成が黒幕?
    海住山長房:法然に愛の手をだしただけ
    平頼綱:欲得
    北畠親房:有能でも上司に嫌われる
    三宝院賢俊:意味不明
    細川頼之:ミッション成功しただけ
    三宝院満済:黒衣の宰相
    黒田官兵衛:小物
    千利休:自分の価値を高めただけ
    伊奈忠次:黒幕じゃないわな
    西郷隆盛:乱暴な一面がある
    以上16名全員黒幕ではない
    ~なハズ、~といえる等々、想像を前提に人物に色セロファン光線を当てて異様な人物像を浮き上がらせようというゲテモノ企画(´・ω・`)

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    投稿日:2023.10.10

  • DJ Charlie

    DJ Charlie

    “歴史”という壮大なドラマの「小さな伏線」とでもいうようなモノに光を当てながら、平安時代から江戸時代迄の「密かに時代を紡いだ何か」を探るような内容になっていると思う。
    所謂「黒幕」だが、頻出する語句のような気がしないでもないのだが、存外に定義が難しいかもしれない。本書でもそういう辺りに言及が在る。
    が、結局は「オモテの自他共に認める立場」ということでもない、言わば「ウラ」というような「非公式な権威」とでも呼べそうな何かを手にしていて、陰に陽に様々な影響を与えていたと見受けられる人物を、本書では「黒幕」としていると思う。
    「例えば如何いう人物?」ということになると思う。本書で論じられているのは…宇多天皇、信西、北条政子、中原親能、極楽寺重時、海住山長房、平頼綱、北畠親房、三宝院賢俊、細川頼之、三宝院満済、黒田官兵衛、千利休、伊奈忠次、西郷隆盛という人物達である。16名挙がっているが「知らない…」という名前が多数派を占めているように思う。
    上述の各人物に関して論じられているのは…平安時代の摂関政治が起こった頃に摂政や関白を排するような動きを見せた人達。院政という中で正式な朝廷の官位が無意味に近いような位置に在りながら「院の近臣」という非公式な立場で権勢をふるって活動した人達。鎌倉幕府の体制が確立する中で実は大きな役目を負っていた人達。鎌倉幕府の体制変化の中で、非公式的な立場で力を振るった人達。南北朝時代という様相の中、南朝や北朝の各々の陣営で様々な手を打った人達。室町幕府の体制の変遷の中で独特な動きを見せた人達。戦国時代に活躍した人達の、前の時代とも後の時代とも違う独特な立ち位置。例えばそういうようなことが論じられているのだが、上述の様々な人達の活動等を説くことで、「少しずつ変質、変容した体制」という「日本史そのものを考えられる材料」を与えてくれている。またここで論じられている状況が生じた背景に、「個人がなかなか越えられない“壁”」というモノが在って、そういう中で“裏技”めいた感じで生じた様子というのも在ったのかもしれない。
    時代が移ろっても、或る程度“共通項”的な形で生じる「ウラ」というような「非公式な権威」というモノが在る。それは“取次”なるモノだ。最高権威者に向けて申し入れることを取り次ぐという役目に任じられる者が在れば、「何を伝え、何を伝えない」または「如何に伝える」を一存で決められるので、そこに「権威」のようなモノが生じてしまう訳だ。何か、そういうような「属人的に物事が動く」という感じは何時でも在るかもしれない。或いは?現代でもそういう一面は在るのだろうか?
    或る程度通史的に、「ウラ」というような「非公式な権威」というモノを担っていたと見受けられる人物を考えてみることで、歴史が益々興味深くなる。結局、「歴史を学ぶ」というのは、年号や用語を覚えるということに尽きるのでもなく、伝えられている様々なことを材料に社会、政治、経済、文化、人生等々の様々な事柄を考えるということではないだろうか?
    かなり面白いので広く御薦めしたい!!
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    投稿日:2023.08.07

  • tokyobay

    tokyobay

    ヒーローと庶民のあいだに存在する「黒幕」を取り上げることにより、英雄史観と唯物史観の双方を汲み取って歴史を語れば面白くなるのではないかという意図で書かれたもの。
    目の付け所は興味深いのだが、著者専門の中世が8割程度で内容的にもかなり細かいので、中世に関心がないと流れを追いかけるのは少々大変かも。また、「黒幕」の史料は少ないので状況証拠から著者の推論がかなり入り込んでいることに留意する必要がある。続きを読む

    投稿日:2023.08.02

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