【感想】紛争地で「働く」私の生き方

永井陽右 / 小学館
(12件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • ぴと

    ぴと

    YouTubeで永井さんのお話を聞いて、危険な戦地での取り組みをもっと知りたいと思い読んだ。
    驚くべき行動力だった。

    対話すらできない相手に対し、まず相手の言い分をアクセプトすることから始め、ディスカッションを重ねる。考えを矯正するのではなく共に考えるという姿勢が素晴らしい。
    本人も精神的に大変苦しみながらも仕事を全うしているその姿に感銘を受けざるを得ない。

    最後は若者の権利について触れられている。子供の権利は認められつつあるが、若者にはそれがないと。
    例えば凶悪犯罪を犯した子供について、私はどちらかと言えば更生を期待するより厳罰を希望する考えを持っていた。だが、永井さんは更生する機会を子供だけでなく若者(広い意味で~39歳)まで認めるべきという。

    もちろん被害者の心情を考えると加害者の未来など議論する余地も無いのかもしれないが、永井さんの寛大な考え方が平和へ近づくための一歩であることに間違いは無さそうだ。

    この若さでここまで考え抜いて行動している事に驚きしかない。本当に尊敬する。私は平和ボケの日本にいるが、活動を陰ながら応援したい。
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    投稿日:2024.05.06

  • komoda

    komoda

    My life towards armed conflicts and terrorism:
    the ambitious challenge from Japan to overcoming chains of hatred in the world
    https://www.shogakukan.co.jp/books/09388894 ,
    https://accept-int.org/
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    投稿日:2024.04.07

  • ナガシ

    ナガシ

    著者の永井陽右さんが田村淳さんのNewsCLUBに出演した時の「イスラエル・ハマス紛争の行方」に関する非常に興味深いコメントがきっかけで、この本を読み始めました。

    憎しみの連鎖が拡がる。
    みんな傷つき泣いている。
    憎しみの連鎖を詳しく見ると、やられたからやり返すということがある。
    やられたということにトラウマを持ち、傷つき、泣いている。
    お互い泣き合いながら、傷つきながら殴り合いをしている。
    傷とかトラウマ的なところに目を向けるという視座が必須。
    この視座が無ければ、絵にかいたような憎しみの連鎖が拡大する。

    イスラエルにいる方々が全てネタニヤフのような極右ではない。
    ガザやパレスチナにいる人々みんながハマスではない。
    ではハマスのような組織にいる人々はどうか。
    おそらく多くが10代、20代、30代。一人一人に多様性があり、そこに鍵がある。
    当事者だったからこそ言えることがあるはずで、ユニークな担い手になれるはず。

    二つ目の視座としては、ハマスのような組織にいる若者に対し何が出来るのかということがある。

    このような見方、視座が世界にあまりにも無いので、どうにか日本からつくっていきたい。
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    投稿日:2024.03.01

  • mayuharu21

    mayuharu21

    ソマリア
    アル・シャバーブ
    若者
    テロリスト
    自爆テロ
    投降兵リハビリテーション施設
    リハビリテーションプログラム
    ケアカウンセリング
    イスラーム教再教育プログラム
    NPO法人アクセプト・インターナショナル代表理事

    冒頭から私の知らない世界が押し寄せてくる。
    著者はいったい何をやっているのか。
    読み進むにつれ、少しずつ理解していく。

    紛争が酷いソマリアでは、
    年端のいかない青年、若者がテロリストに仕立て上げられ、
    自爆テロで自分を含め多くの人の命を奪う。
    彼らもそうやって自分の肉親を殺され、敵を憎んでいる。
    政情不安で数十万人が餓死する。
    そのことに気づいた著者は、
    何か自分にできること、と思い立ち、
    テロリストにされた若者を投降させ、
    あるいは刑務所に赴き、
    それぞれの人にあった教育を与え、普通の人間に戻していく。
    人の役に立つ人間にしていく。
    それが最終的に紛争をなくすことだと信じて。

    ほぼ半分の3章まではその状況がこれでもかと書かれ、
    これがまだ続くのか、と正直つらくなってきた。
    ところがそこから話は彼の生い立ちになる。
    いかに著者がそういうことを始めたか。
    1991年生まれ、まだ30歳そこそこ。
    最初から聖人君主だったわけでもなんでもない。
    学級崩壊、喧嘩、家庭内暴力、そのさなかにいる、
    ある意味落ちこぼれ的な生き方をしていた。
    そんな著者がたまたまネットで見た「ツバルが沈む」
    記事を読み、何かしなくては、と思い立つ。
    そこから一念発起、人間が変わったという。
    猛勉強し偏差値40から70にアップし早稲田に合格、
    さらに海外に出て現状を知り、NPOを立ち上げ、、、

    やはり子供のころから優等生、中高一貫とは何かが違うのだ。
    最近の私の説を裏付けるような、地で行くような人。
    最初からぬくぬく育つ温室栽培は弱く、
    雑草から立ち上がってきたものが強いのだ。
    明治日本は今まで苦汁をなめてきた下級武士や農民の中で
    地頭がいいものがのし上がり国を作ってきた。
    戦後は地方の優秀な人が高度成長をもたらした。
    いまは。。東京に集まっている勝組の子息が
    恵まれた環境で学習しいい偏差値でいい大学を出て
    大手企業、官僚、政治家と国をかじ取りするから、
    甘い判断で日本をダメにする。

    話がそれた。
    こういう著者のような人々を応援したい。
    彼もいつ凶弾に倒れるかわからない。
    こういう人こそ日本を救うのだ。

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    投稿日:2023.12.21

  • spica2015

    spica2015

    彼の存在をいつ知ったのだろう。テレビのドキュメンタリー的なものだろうか。その時から、なんと尊敬すべき若者だろうと思ってきた。
    本書を読んでますますその思いは強まった。文字通り命を賭けた毎日だ。そのことがありありと伝わる。身近な人も次々に亡くなっていく。あまりにも過酷な環境で、精神の健康も保たなければならない。いつも驚くほどの爽やかさの中の、危うい精神状態もそれはそうだろうと思いながら心配になる。彼のような人に自分の命だけは大切に、とかきれいごとは言えない。そんなことは当たり前なのだが、命を恐れていては何もできないのだ。ガザで働く(そして命を落とす)国連職員や医師の人たち同様、自分にはできない使命を持った方々を心の中で祈るしかしていない自分は一体何?と思う。
    どんなに不条理な世界であっても、信念に基づき、一つ一つ実行していく彼のような存在がある限り、絶望することはないと言い聞かせる。
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    投稿日:2023.11.13

  • どんぐり

    どんぐり

    すごい人がいるんだなー
    生い立ちからして、使命もって生まれてきた人なんだろーなー
    素直に育った人はこんな人生にはならないのかな

    そこらへんも不思議だし、ちょっと悪いくらいの人じゃないと世の中に影響与えるような人にはなれないんだろーな

    (昔のことかもだけど)親子関係よくないというような事が書かれていたけど、これだけの精神力を持つ人を育てるってすごいなーと親目線でも読んでしまう

    生き抜いて日本人として世界で活躍してほしい

    世界中で戦争してるけど
    地球から戦争をなくしたいと大人たちは本当に思っているのか?(自分も大人だけど)
    じゃあなんで武器を作るんだろう?
    いろんなところでなぜ核実験ばっかりするんだろう?
    いろいろ思っているけど

    綺麗事なしで現実と向き合っている著者がすごい

    タイトルは『私』となってるけど
    『私』と書くところと『私たち』と書くところが混在していて
    NGOのことなんだろーけど、どこまでが『私たち』なのかいまいちわからなかった
    続きを読む

    投稿日:2023.09.10

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