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チャールズ・ブコウスキー, 都甲幸治 / 光文社古典新訳文庫 (5件のレビュー)
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Yusuke Satou
俺はブコウスキー氏の本は全部好きだけど、トコウという翻訳家のやつが特に好きだと気付いたんだ。 だから、俺はこれから彼が推してる本を追って読んでくとするよ(ブコウスキー風に)
投稿日:2024.03.11
175
大好き ひたすら労働に人生を奪われる話なんだけど、そこから完全に抜け出すこともなく大きな何かを成し遂げるわけでもないけど、ただひたすら働いてるだけだけど、チナスキーがずっとチナスキーらしく生きてるの…がすごく好きだった続きを読む
投稿日:2023.06.06
重度積読症
90年代後半だろうか、日本でもブコウスキーの本が次々に出ていた時期があって評判だったとの記憶があるが、酒と女、無頼派的作家という先入観があり、当時読もうとは思わなかった。古典新訳文庫入りということで…、初めてブコウスキーを読んだ。 “無頼”と言えば確かに無頼の生活をしているということになるだろう。酒、煙草、女、競馬。それらが(訳文のせいもあるだろうが)余計な修飾もなく荒っぽい文章で書かれているため、主人公は、好きなときに好きなように暮らしているように見える。 それはある面その通りなのだが、生活をしていくためには人間は仕事を持ち、働かざるを得ない。その仕事の在りよう、特にその理不尽さを、具体的に生々しく描いている。 主人公が勤めるのは、初めは代用の郵便配達人から正規職員に。一度退職した後仕分け係に。何せ本書は、アメリカ合衆国ロサンゼルスの郵便局長事務所事務連絡文書「倫理綱領」から始まる。どれだけ配達や仕分けの量があろうが関係なく、時間に追われる毎日の労働。何かあればすぐ警告書(これは主人公チナスキーだけかもしれないが)。そうして働く者たちは日々疲弊していき、本書でも何人かがそうして倒れていく。そこには労働者間の連帯も何もない。ただただ働かされ、多くの者は辞めていき、ごく幸運な者が管理部門へと回される。チナスキー自身も、遂には目眩に襲われ精神的にも不安定になり、退職することに。 しかし、彼には文学があった。本書は、次のように終わる。 「朝になると朝になってて、おれはまだ生きてた。 ひょっとしたら、小説を書けるかも、とおれは思った。 そして書いた。」 主人公チナスキーは何人もの女と寝て、生活を一緒にしながらも別れを繰り返す。子どもまでできたのにその母娘とも別れてしまう。そんな状況なのだが、本書は読んでいて実に面白い。自分の生きたいように生きる、そんな主人公の破天荒さが、読む者に爽快感を与えてくれるから。 続きを読む
投稿日:2023.05.29
本屋のおっさん
ダメさがいい。 安定のダメなやつチナスキー。 いっつも酒とタバコと女とギャンブル。 それらと淋しさが同居してる。 たまにブコウスキーが欲しくなる。
投稿日:2023.01.01
のっぴ
誰にも捧げられないフィクション。とはいえ著者チャールズ・ブコウスキーの体験を元にしている。主人公チナスキーは楽勝な仕事と勘違いして郵便局の非正規職員になる。ところが配達の大変な雨の日は正規職員が休み、…どんなに配達量が多い日でも規則の時間厳守を言い渡される、とても厳しい環境だった。そんな状況でも上司からの警告、指導を無視してなんとか生きるチナスキーはとても面白い。ただ時々、日々の仕事に擦り切れ、歳をただただ取ってしまった人物への同情、悲哀が出てきてどきっとさせられる。日々のつらさ、逃れられなさ、そしてその偉大さをわかりやすい言葉で書いた文学。続きを読む
投稿日:2022.12.19
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