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色川武大 / 新潮文庫 (71件のレビュー)
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NO Book & Coffee NO LIFE
著者は、阿佐田哲也名義の『麻雀放浪記』が有名で、"ギャンブラー"という負のイメージが私には障壁でした。そう、過去形です。 なぜ本書を読まれた方々が、こぞって「永久保存版」「座右の書」「生涯大切にし…たい一冊」などと表明するのか‥、確かめるべく手にしました。 結論から述べます。本書は、阿佐田哲也さんが本人名義で書いた素晴らしい一冊でした。今更の読了は遅きに失した感じですが、読んでよかったです。 色川さんは、戦後数年間、放浪と無頼、博打など、職を転々とアウトロー生活を送っていたそう。後にカタギとして生きると決心し、出版社に就職。最終的には作家になり、麻雀小説から直木賞作品、純文学まで幅広く執筆し、平成元年(1989)に60歳で逝去されました。 本書は、1983~1984年に毎日新聞日曜版に連載された著者唯一の全国紙連作作品だそうで、1984年の刊行となっています。 自称劣等生の著者が、悩める学生たちに向けた、劣等生がよりよく生きるための指南書と言ってよいでしょう。ただし、指南と言っても生きるための技術より、ものの考え方や進むべき方向を導くヒント満載の書かな。"俺流セオリー"です。 若者が陥りがちな悩みを細かく55に章立てて、語りかける口調の文体がとても優しさにあふれています。とにかく独特の言い回し、言葉も平易で、嘘や偽善が微塵も感じられません。説教臭さがなく、不器用ながらすーっと心に沁みてくるメッセージです。なにしろ強烈な実体験に基づいてますから‥。 大人が読んでも唸らされ腑に落ちる、どんな世界でも通用するヒント満載の書でした。折々に読み返したい気持ちがよく分かりました。40年前の書という古さを感じさせない、まさに発掘本でした。続きを読む
投稿日:2024.04.04
日野めぐみ
自分がエリートではないと感じる人に贈りたい一冊。 話題に上がる9勝6敗の話はもちろんのことだが、 一貫して負ける方法、その後に勝つ方法を記されていたように感じる。 よくある自己啓発本は即効性のある栄養…ドリンクのようで効き目は一瞬だが、 本著は長期的なダイエットのメニューのような 着実に立つための方法を述べているように感じた。 定期的に読み直して自分に当てはめていきたい。続きを読む
投稿日:2024.01.25
tokyokaiyolibs
読書マラソン感想カードより; 「全勝を狙うのではなく9勝6敗を目指せ」など上手い生き方について著者色川の人生と供に語るエッセイ。共感できる話もあればなんやこれ!ってなる話もある。発刊は1987年らし…い。ほへ~ あたらし(海洋政策文化学科)続きを読む
投稿日:2024.01.24
redking
2015/9に読んでいたことを忘れて再読。 9勝6敗、先行、うまく負ける等々の示唆に富む言葉の数々が響く。
投稿日:2023.10.29
seiyan36
著者、色川武大さん、どのような方かというと、ウィキペディアには、次のように書かれています。 ---引用開始 色川 武大(いろかわ たけひろ、1929年〈昭和4年〉3月28日 - 1989年〈平成元…年〉4月10日)は、日本の小説家、エッセイスト、雀士。筆名として色川 武大(いろかわ ぶだい)、阿佐田 哲也(あさだ てつや)、井上 志摩夫(いのうえ しまお)、雀風子を名乗った。阿佐田哲也名義では麻雀小説作家として知られる。 ---引用終了 で、本作の内容は、次のとおり。 ---引用開始 一度、ためしに、小さく負けてごらん。 優等生がひた走る本線のコースばかりが人生じゃない。愚かしくて不格好な人間が生きていく上での〝魂の技術〞を静かに語った名著。 優等生がひた走る本線のコースばかりが人生じゃない。ひとつ、どこか、生きるうえで不便な、生きにくい部分を守り育てていくことも、大切なんだ。勝てばいい、これでは下郎の生き方だ……。著者の別名は雀聖・阿佐田哲也。いくたびか人生の裏街道に踏み迷い、勝負の修羅場もくぐり抜けてきた。愚かしくて不格好な人間が生きていくうえでの魂の技術とセオリーを静かに語った名著。 ---引用終了続きを読む
投稿日:2023.07.07
おびのり
雀聖と呼ばれた作家、阿佐田哲也さんのご自身の人生を振り返りながらの生き方の指南書的エッセイ。ペンネームは、たくさんお持ちのようで、その理由もエッセイの中に書かれてます。 ご本人さんも周知の如くいわゆる…不良少年で、どちらかといえば、劣等感を持っている人達への生き方の技術伝授。 文体は語り口調で、色川さんの不良なところも書いているので、軽くみてしまうと深い言葉にびっくりします。 何事も9勝6敗を目標とする。負けた6敗をきちんと受け入れる。 運をコントロールする。実力と運を分けて考える。 人生は長く、何もかも上手くいくとは限らない。 全て上手くいくわけないんだね。わかっていたつもりでも、ピークの時に欲張ってスランプになる。 一生を6分4分で生きて、生きていくフォームを作る。なんか、少し気が楽になった。 この作品は、昭和59年に刊行、文庫化は昭和62年。古い作品です。色川さんは平成元年に亡くなれてます。そして、4月10日が雀聖忌で文学忌だったので、「麻雀放浪記」以外でと図書館予約したら2月に予約数16で、3ヶ月かかりました。この時代の文庫では、さすがに珍しい。メジャーな本とは思えないのだけど、知っている人は知っているんでしょうか。 ばくちという言葉や賭け事への比喩がでてくるので、そこがダメな方は、読みにくいと思います。続きを読む
投稿日:2023.05.17
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