【感想】夢のような幸福(新潮文庫)

三浦しをん / 新潮文庫
(94件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
20
37
24
4
1

ブクログレビュー

"powered by"

  • Kazu

    Kazu

    しをんさんは、私には「心の広い神経質な人」が合うと言う。
    あまり聞かない言い回しだ。
    私は「心が狭くて無神経な人」だから、自分と反対の性格の人がいいんだと。

    表現の魔術師だと思う。

    「寝ようと思えばいつでも寝れる、いくらでも寝れる。」を、
    「睡眠に関しては、瞬発力、持久力ともにかなり優等生だと自負している。」と言い変える。

    言葉の魔術師だと思う。

    しをんさんのエッセイは、とてもテンポよく読めるのだが、
    「脳内麻薬物質が分泌されている状態で、勢いに任せて書いている。」と書いてあった。
    なるほど、この書き手の勢いが読み手にも伝わってくるんだな。
    そして、読み手にも脳内麻薬物質が分泌されてきているに違いない。

    本書では、自分と同じ錯覚をしていた三浦しをんさんがいた。
    心斎橋にて:しをんさん「通天閣がないよ!」「何度も心斎橋からの中継映像を見たが、そこには通天閣も映っていたぞ!」
    大阪に詳しい友達二人「映ってないってば」
    自分にも、通天閣の"日立"の文字と"グリコ"の看板、テレビでは同時に見ている感覚が確かにある。
    浅草側の吾妻橋からアサヒビールのウン〇ビルとスカイツリーが一緒に見えるのと同じイメージ。
    東京の人、きっと同じように錯覚している人が多いと思う。

    三浦しをんさんの新しいエッセイが書店に並んでいたけれど、次は「乙女なげやり」だ。
    続きを読む

    投稿日:2023.03.05

  • NOB

    NOB

    毎度、小説とエッセイのギャップが凄い。
    私は彼女の小説をほぼ読みきってから、エッセイに手を出した口なので、初めは驚きました(笑)

    今はエッセイの方にもはまってます。

    投稿日:2020.09.04

  • さてさて

    さてさて

    ღƪ(ˆ◡ˆ)ʃ♡ƪ(ˆ◡ˆ)ʃ♪るんるん♪

    やっぱりやっぱりおもしろい〜!
    これは、三浦しをんさんのエッセイだヨイヨイ!!

    ♪♪v(⌒o⌒)v♪♪イエーイ

    もう相当な人数の方がひいてしまっているのが目に浮かびます。が、なんといってもこれは三浦しをんさんのエッセイなんですよ。初めての方、ひかないでくださいね。さてさての三浦さんのエッセイのレビューはこれが標準のテンションなんです。やり出しちゃったからやめられなくなってしまって。期待してくれている人もたくさんいらっしゃるしー?、なので付き合ってちょんまげ!

    (*・.・)ノ ヨロシクニャン・:*:・゚'★.。・:*:・゚'☆♪

    って、もうね。三浦さんのエッセイって言ったら、爆裂したり、悶絶したり、ぐるぐるしたり、それでいて、お友達からお願いしますなんて、orz orz、って言われたり、三浦しをんさんの魅力ってのは、エッセイにあるんだよーきみー、ってこの作品は2003年に刊行されたエッセイ。そう、そう、そう、そう、この三年後に天下の”な・お・き・し・ょ・ー”を受賞される三浦大先生の受賞直前の貴重な、大切な、宝物のような日常の何気ないひと言、てんこ盛り〜!な一冊なのだよー。読めて幸せだよー、いいよねー三浦さんのエッセイ。

    (^^)(--)(^^)(--)ウンウン

    ということで、『校正刷を読み返してみたら、あまりにもアホなことしか記録されていなかったので、「アホか、こいつ…!」と思った』という三浦さんの笑劇のエッセイ!では、では〜、テンション上げて行ってみよう!ちょっとその世界をのぞいてみよー、おー!

    ٩(ˊᗜˋ*)وえいえいおー!

    『うわあーん、ドラ○もーん』、『のび太くん、ぼくは未来に帰ることにしたよ。元気でね…』、『いやだよう、ドラ○もん!』、『のび太くん…!』…といきなりよくわからない展開。そして誰でも丸わかりの意味のない伏せ字の会話は宅配便を待つある日の三浦さん。待ちわびて『ドラ○えもんごっこをはじめてしまった』というまさかの直木賞作家の素顔!『ベッドに寝っ転がって天井を見上げながら、ひとり芝居を大熱演』、『途中に設定を考える短い沈黙(どうしてドラは急に未来に帰ることにしたのか、など)を挟みながらも、二十分にわたって』一人で盛り上がる三浦さん!『それにしても荷物が来るのが遅い』と玄関に行くと『お留守のようなので、また後で配達いたします』の不在通知が!『おお、なんということだ。私のドラ○えもんごっこが佳境にさしかかり、もっとも白熱していたときだ』と不在通知が書かれた時間に愕然とする三浦さん。『あまりの迫真の演技に宅配便屋も恐れをなしたのだろうか』と『しばらく部屋でたそがれるも』、『昼寝をすることにした』三浦さん。目覚めると『どっぷりと日が暮れていた』。それを『私の今日一日はなんだったんだ』と思う三浦さん。大作家さんの日常がどのようなものであるか、とても貴重な一コマを見せていただいた気がします。やっぱりすごいよ〜三浦さん。直木賞作家はこれでなきゃね!

    ( ( = ’ェ ’=)) ほうほうそれで?

    『そして旅に出た』と『日本列島北から南』に旅する予定の三浦さんは、友人と深夜バスでまず弘前に向かいます。『深夜バスはけっこう好きな乗り物だ』という三浦さんですが『今回ばかりは、バスは「夜を疾走する拷問機具」と化した』とさて何があったの?な展開。『おやすみ〜』と寝たはいいものの『後ろの席のおじさんが、私の座席の背を蹴りはじめた』、『ほろ酔いで眠りについたおじさんは、寝相がものすごく悪かったのだ』という深刻な事態。『とろとろと眠りにつこうとすると、必ずおじさんが座席を蹴り上げる』という最悪な展開。『とてもじゃないが寝られない。もしかして後ろのおじさんは特高警察なのか?私に仲間を吐けと無言の脅迫をしているのか?』とだんだん錯乱する三浦さん。これは辛いシチュエーションです。私も深夜バスで、すぐ真横でおじさんが巨大なイビキをかくのに発狂しそうになった苦い思い出がありますよー。あれから深夜バスには二度と乗らないと決めたもんね。ああ、三浦さん、同士だよー。気持ちわかるよー。あー脱線したよー。それで『グッと我慢で夜が明けた』という不快な朝の到来。隣の友人は『なかなか快適な睡眠を取れたということなので、よしとする』三浦さん。『これからレンタカーを運転せねばならぬ大切な身体だ』という友人。そんな友人含め『私の友人たちは、私にハンドルを握らせないことを何ものかに誓ったかのようだ』と一様に『「いいから。運転は私がするから」と、断固として運転席を死守する』と三浦さんがハンドルを握るのを必死で避けていることに気づきます。う〜ん、直接にお会いしたことはないですが、エッセイを読ませていただく限りは、もし三浦さんとご同道できる機会があったら、私も、断固として運転席を死守したいと誓いまする。

    ダヨネ―((*゚艸゚)(゚艸゚*))―☆

    そして、弘前に到着した二人は友人の『お父さんが作成した旅行計画書を広げ』ます。『弘前に単身赴任をしていた』というお父さんが『すでに結婚している』娘のために作ってくれた計画書『パパ指令』を見て『娘を思ういつまでも変わらぬ親心を感じ、目頭が熱くなるのを抑えることができなかった』という三浦さん。こと細かに書かれた計画書に『ちょっと気になるところ』を見つけます。『この道ではかもしかが出るかもしか』?とか『アルミ缶の上にある蜜柑』?とか。『父は、学生時代、落語研究会に入ってたのよ。だからそういうつまんないギャグを言いたがるの』という友人。『そういうツンドラ気候と紙一重の寒いセンスが大好き』と喜ぶ三浦さん。観光地を巡る時もテンションハイな状態です。『写真を撮るたびに、「いいねいいね、うーん、チャーミングだよ。あ、ちょっと顔を横向けてみよう。いいよいいよ!ビューリホーだよ!」とか「えいっ、悩殺!」とか』、『いかがわしげなカメラマン』と『ノリノリのモデル』を演じてしまう二人。『なんだか私、肉体よりも精神が疲労してきたよ』という三浦さん。偉大なお方ではありますが、一緒に旅行させていただく機会があっても丁重にお断りしたいと存じあげる次第でございますです。うーん、どこまでもすごい方だ…。

    (゚O゚)\(--; ォィォィ

    『書いた物を出版していただけるということになると、校正刷を読まなければならない』、まあ大作家さんなんだから当たり前でしょ、と思いますが、『私はこれが非常に苦手だ』という三浦さん。『心身が絶好調だと、二万字に一回ぐらいは、「あら、私ったらこんなこと書いたんだ。天才じゃなかろうか」などとずーずーしくも思う』という三浦さん。いやいや、このエッセイを読んでいると二百字に一回以上、いや、もう二十字に一回以上、これは天才じゃなかろうか!と思う文章表現に出会えてるんじゃないかと。そんな三浦さんのエッセイを読むのは、小説を読むのと同じくらいに幸せな時間、そしてお楽しみ。

    o(^^o)(o^^)oワクワク

    『記憶は消え去るから楽しいのであって、記録することは罪である』という三浦さん。『もうとっくに忘れてしまっていたような些細なことが、ものすごくなまなましく、文字として残っている』というそのエッセイ。三浦さんの小説は万人にオススメしたい一方で、あまりに癖の強いエッセイは極端に人を選ぶので、私のレビューでも万人にはオススメしません。キッパリ!一方でそんな極端に選ばれた人には今生の幸せを感じる読書が待っているという、中毒性のある劇薬、それが三浦さんのエッセイ。『退屈な日常が、夢のような幸福になることを願って』と語る三浦さんのエッセイの世界。

    三浦師匠には永遠に敵いませーんっ!
    読書を続ける限り、どこまでも三浦師匠についていきまーすっ!
    改めてそう誓った作品でした。

    最後まで読んでいただきありがとうございました!

    またね~~♪(*^-^)ノ~~
    続きを読む

    投稿日:2020.09.01

  • 木戸のねこ

    木戸のねこ

    三浦しをんのアラゴルンへの情熱…すごいものがあるわ~。『ロード・オブ・ザ・リング』は観たけど、どれがアラゴルンかまったくわからない…。小汚い男ってどれだ(笑)
    あとパンパースのエピソードも好き。パンパへの愛情のために、1万円もオムツを買えるような友人はいないよ…(笑)
    本当にネタに事欠かん人だなあ。
    続きを読む

    投稿日:2019.08.15

  • majinglang

    majinglang

    おもしろかった。腹抱えて笑った。

    おしむらくは話が古いこと。今から12年も前に書かれたものらしい。

    タイムリーに読みたかった。

    投稿日:2018.12.09

  • TAM

    TAM

    初めてエッセイに手を出した。私の想像していた人物像とかけ離れていた。オタク指数の高さ、好きな物や人へののめり込み方、物事の捉え方とそれを表す言葉選びが天才的。久しぶりに本読んでて声出して笑った。
    今年(2016年)1冊目に読んだ「光」を書いた人と同一人物とは思えない!続きを読む

    投稿日:2018.12.03

Loading...

クーポンコード登録

登録

Reader Storeをご利用のお客様へ

ご利用ありがとうございます!

エラー(エラーコード: )

本棚に以下の作品が追加されました

追加された作品は本棚から読むことが出来ます

本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

スマートフォンの場合

パソコンの場合

このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。

レビューを削除してもよろしいですか?
削除すると元に戻すことはできません。