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アンドレイ・クルコフ, 沼野恭子 / 新潮クレスト・ブックス (164件のレビュー)
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総合評価:
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まふゆん
ウクライナのキエフ(キーウ)でペンギンのミーシャと暮らす売れない小説家のヴィクトルは、ある日、出版社から「十字架」を書く仕事を依頼される。 不穏な空気+ペンギンの物語→ 1990年代、ソ連崩壊後のウ…クライナが舞台。戦後の日本にしか住んだことのない私には最初、とても不思議な気持ちになった。 家の外の世界はとても殺伐としているのに、ヴィクトルのキャラとペンギンのミーシャがその世界から少し浮いていて、それがとても絶妙。一気に読みやすくなる。→ でも、ペンギンのミーシャは動物園が閉園するタイミングでヴィクトルが貰い受けているわけだし、この時点で今の日本にはない感覚なんだよね。 終始この「感覚はわからないけど、何となくわかる」みたいな感じが魅力的なお話(語彙力なさすぎなんだけど伝わってー!) 読んでよかった(語彙力喪失)続きを読む
投稿日:2024.04.11
t
このレビューはネタバレを含みます
閉館した動物園から引き取ってきたペンギンのミーシャと二人で暮らすモノ書きのヴィクトル。著名人が亡くなった際に新聞に掲載する通称「十字架」を書く仕事を引き受けるが、出先の宿では銃声で目を覚ましたり、引き受けた子供の親からピストルを受け取ったり、常に陰鬱な緊張感が続くロシア文学らしいウクライナ文学。 ソ連崩壊後のウクライナの世相をよく表していると解説にもあったが、まさにそのとおりだと思う。ミーシャは動物園という囲いの中から出ても、自分の属していない土地に居るより他なかった。ウクライナもまた、ソ連崩壊後、世界の中で自分たちの居場所を見失っていた。 ヨーロッパ(特に冬の寒さが厳しい地域)の文学では孤独な人間が不条理を押し付けられ、苦悶のうちに死ぬ。みたいな物語がちらほらあるように思うけど、これは厳しい冬がそういった無力感みたいなものを人間に与える面があるのでは、とも思う。
投稿日:2024.01.06
らつき
短編作家の主人公が謎の仕事を引き受けるが、 徐々に明らかになってゆく。 共に暮らすペンギンがなんとも魅力的。途中から一緒に暮らす彼女や子どもとの日常もほっこりするが、主人公は彼女らに愛はないと思ってい…る。 最後のオチがあっと言わせる。 旧ソ連ぽいなーと思わせる管理統制社会、闇社会の面影。続きを読む
投稿日:2023.11.26
七星
初めから終わりまで薄暗く、不穏であり、春の陽射しのように温かくありながらも、常に冷気が優しく吹いているような小説でした。 このあと、彼らはどうなったのか? そんなふうに思わせる小説、僕は好きです。
投稿日:2023.11.10
イケダケンジ
面白い。 村上春樹風のカフカ、あるいはカフカ風の村上春樹でもいいけど。 (ブラック)ユーモアあふれる名品。
投稿日:2023.10.18
アキ
孤独について深く考えさせられる本 人は皆それぞれが違う形で孤独を抱えていると思わされる。 全体を陰鬱な雰囲気が包んでいるがそれを感じるのもまた良い読書体験 ペンギンがそれを緩和してくれる
投稿日:2023.09.09
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