【感想】川端康成と女たち

小谷野敦 / 幻冬舎新書
(3件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • knkt09222

    knkt09222

    このレビューはネタバレを含みます

    2022年10月に川端康成の再読を始めたとき、結構長いマラソンになりそうだから、中間地点としてこの本を読もうと考え、目次に現れている本を搔き集めた。

    ところへ作者が、津原泰水に対する中傷に近い文章をブログにアップした。
    私は作者の下劣な品性を心底から軽蔑することになった。
    もとより新書の「性と愛の日本語講座」、「日本人のための世界史入門」、
    「文學界」で「ヌエのいた家」や「東十条の女」を読んだくらいの読者。
    積読に「『こころ』は本当に名作か」「純文学とは何か」が控えているが。
    おそらく「歯に衣着せぬ」と戦略的に取ってきたセルフイメージに、ブログやSNSで内側から食われているのだろう。
    無頼と劣等意識とポジショントークとで訴訟馬鹿に。
    この人はSNSは辞めたほうがいい。

    と、思うが、川端初心者にはこの本は結構面白かった。
    「川端康成伝 双面の人」「川端康成 詳細年譜」の落穂拾い、いや、それこそ新書にぴったりの初心者向け「小谷野敦、川端康成を放談する」みたいなコンセプト。
    ものすごく面白いブログ記事のよう。褒めてる。
    作者が川端を「信奉まではしていない」というスタンスが、面白さを引き出している。
    また「魔界」だとか「旅人」といった川端評論のジャーゴンから距離を取っているのも、よい。
    作品論とゴシップの間を縫う、雅俗の間を行き来する、とても面白い文章だと思う。

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    投稿日:2022.12.12

  • こうへい

    こうへい

    川端についての蘊蓄を癖のある書き方で書いた評伝。カバー裏にあるような「幾重にも魅力的に光る女たちの描写から、川端の複層的な人間味も垣間見える画期的論考。」、は多分に誇張されていると思う。どちらかと言うと帯に書かれた様なやや「下衆」な一冊。

    一回読めばふーん、とは思うが、没後50年を機に読む程のものでもないと感じた。

    紀伊国屋書店天王寺ミオ店にて購入。
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    投稿日:2022.05.08

  • Go Extreme

    Go Extreme

    第1章 『雪国』の謎を解く―前衛藝術か、藝者遊び小説か
    第2章 『伊豆の踊子』と二度現れる少年―惹かれてしまうものの深層
    第3章 『父母への手紙』と川端の姉―親族の女性たちへの視線
    第4章 『掌の小説』と川端ロリコン説―なぜ変態的と見られるのか
    第5章 サイデンステッカーの直さない誤訳
    第6章 『山の音』と『千羽鶴』―娘への愛と退廃夫人
    第7章 『眠れる美女』と『片腕』―幻想エロティシズムの限界
    第8章 『古都』と新聞小説―清純路線は踏み外さず
    第9章 『天授の子』と政子もの―ちりばめられた慕情
    第10章 徳田秋聲と横光利一、今東光
    続きを読む

    投稿日:2022.05.08

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