【感想】国語をめぐる冒険

渡部泰明, 平野多恵, 出口智之, 田中洋美, 仲島ひとみ / 岩波ジュニア新書
(9件のレビュー)

総合評価:

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  • 司書KODOMOブックリスト(注:「司書になるため勉強中」のアカウントです)

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    刊行日2021/08/20
    「「国語は冒険だ」と言われたら、驚きませんか? 国語には,未知の世界や存在が溢れています.危険を恐れず踏み出せば、新しい自分、他者、言葉との出会い、そして成長への機会が待ち受けています。学ぶ意味や楽しさだけでなく、国語を使ってどう生きるかを、「冒険」をモチーフに語ります。」

    はじめに

    第一章 国語は冒険の旅だ……………渡部泰明
     願いは、何?/国語って何を勉強するの?/虹の根もとを探す人/なぜ偶然なのか/境界という場所/冒険者、登場/僕なんていらない!?/八橋という異世界/言葉を武器にせよ/言葉の魔力/すみだ河の都鳥/昔の日本列島はどんなイメージ?/境界の空間/都鳥、現る/命の、危うさ/感動が壁や殻を取り払う

    第二章 言葉で心を知る……………平野多恵
     わたしの心は、どうやったら見える?/占うって何?――隠されたものをあらわす/言霊の力――歌の呪文とお告げ/こんなふうに占った――室町時代の和歌占い/占う前に大切なこと――〈問い〉を立てる/和歌占いにチャレンジ!/歌を読み解く――見えない心と見える景色/心と言葉の深い関係――「むかつく」と「かわいい」の向こうへ/正解は一つじゃない――そして冒険は続く

    【コラム】 「文法を勉強してどうなるの?」前編

    第三章 他者が見えると、自分も見える……………出口智之
     なぜ国語で小説を学ぶのか?/物語の裏側を読む/「山月記」の謎――発端/種本「人虎伝」と中島敦「虎狩」/李徴は噓をついている!/人はなぜ噓をつくのか?/文学者、李徴/小説から人間を理解する/柔軟な発想力を養う/他者が見えると、自分も見える

    【コラム】 「文法を勉強してどうなるの?」後編

    第四章 言葉で伝え合う……………田中洋美
     言葉につまずく/「わかりやすさ」を疑う/「わかりにくさ」と向き合う/書けない理由を整理する/「自由」の不自由さ/「つまずき」のち「ひらめき」/言葉で伝える「きっかけ」/本当の「きっかけ」を見つけよう/できごと×心の動き/題材を選ぼう/モノを見つめて気づくこと/「心の動き」から伝えたいことをつかもう

    【コラム】 「旧字より新字が難しい!?」

    第五章 言葉の地図を手にいれる――そして新たなる旅立ちへ……………仲島ひとみ
     国語って何だろう?/個人の言葉と国家の言葉/日本の「国語」ができるまで/どこまで国語? いつから国語?/消滅の危機にある言語/ろう教育と言語権/境界を越えて

    深掘りしたい人へのオススメの本
    参考文献
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    投稿日:2023.03.12

  • mario3

    mario3

    偶然にも、同じく、ジュニア新書の『読むという冒険 イギリス児童文学』と同時期に読む。
    こちらは五人の著者による共著。ゆえに、やや語りがとっちらかっているが、国語と中高生をつなぐ新書を読んだのは久しぶりなので、新鮮に感じた。
    1章…導入にふさわしく、軽くて楽しく読みやすい。
    2章…突然の占いの話。和歌占いの世界って、タロットカードなんかと同じですね。
    3章…メロスおよび、みんな大好き山月記。著者の隠したいものとは。まさに国語の授業です。
    4章…中高生への文を作るテクニック講座。なんの説明もなく、さくらももこのエッセイの一部を読んでからの解説。わかりやすい。読みやすい文、印象に残る文、共感しやすい文の作り方がこれなんだろうな。
    5章…国語の歴史、言葉を強要する植民地主義を忘れてはならない。国内であっても方言や手話のたどってきた道も忘れてはならない。ニュースで方言が話されることも、ない。
    (ただ、関西ニュースはNHKであっても方言が表に出まくる番組もあります。それも週一の放送ですけどね。おそらく方言のなかで、もっとも❮強い❯はずの関西弁さえこの現状。かつてはこれが標準語だったのに。いつの時代もヒーローは標準語を話してきたし、それが標準語になり…という、経緯は『役割語』の話にもあったなと思ったらやはり巻末にもその本が出てた。)
    ドーデーの『最後の授業』、こうしてみるとすごくイヤな話だな笑。
    牢獄の鍵は言葉なのは確かだけど、それがどの言語なのかを決めるのは自分ですよね。
    温さんのママ語のエピソードが楽しい。

    私は、国語の授業が好きではなかった。
    スピードが合わなくて窮屈だし、当たり前の話ばかりでつまらなかった。
    それでも、自分が最も勉強しなくても点がとれたのは国語だった。
    今も、国語を学ぶのはなぜ?と言われたら、あまり説明はできないと思う。
    私には、古い言葉や他者の言葉が好きだから、面白いから、としか言えない。私が言葉にまつわることには興味があるタイプの人間だから、としか。
    この一冊はそれを代わりに説明してくれる。
    国語嫌いな若い読者にとってはやはり手にとりにくいとは思うが笑、国語好きな人にとって、さらに楽しい世界への入り口になると良い。
    続きを読む

    投稿日:2022.08.31

  • 太田豊太郎

    太田豊太郎

    面白かった。二章の歌占の話や、三章の物語の裏を読む読み方が、正当な読みの際ぎりぎりを攻めるテクスト論の限界って感じ。歌占はむしろ自分に引きつける点でアウトかもしれないけれど、テクストを自分のものとしてあそぶのは面白い。続きを読む

    投稿日:2022.05.04

  • 葉明

    葉明

    山月記、走れメロス、
    そんなふうにも読めるのか!
    普段の授業では、オモテの読み方しかしないから、
    ウラの読み方、新鮮だったなあ。
    しかも、有難かったのは、
    授業でやるオモテの読み方も尊重してくれているところ。

    文学を受験で扱うのは難しい。
    でも、文学を授業で扱うのは、やっぱり意義があると私も思います。
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    投稿日:2022.02.04

  • はっさく

    はっさく

    このレビューはネタバレを含みます

    「国語は冒険だ」と言われて始まっても、その冒険感は全く伝わってこず。「国語」の範囲が広すぎるのも問題なんだとは思いますが、異なる専門のものを無理に一つにまとめようとするからそうなるのだと思いました。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2021.12.19

  • ヒロロロロロっキイイイィィイイイ

    ヒロロロロロっキイイイィィイイイ

    国語に関する本は多くの数があるが、この本は出版が2021年8月とあり、その中でも新しい本である。英語を学ぶべき、という風潮は日本の社会に、とりわけ若手の社会ではとても力のあるものとなっている。そんな「当たり前」を打破するにはもってこいの本。続きを読む

    投稿日:2021.11.19

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