【感想】新しい星

彩瀬まるさん、11作目
彩瀬作品としては、ストレートな小説です
これまでの作品も言葉文章共美しいのですが
今回は加えてメタファーなし
幻想なし
直木賞候補作品だったようです

別冊文藝春秋2019から…2021掲載の8編
「普通」の幸せを求めて歩んでいたつもりの大学合気道部の同級生男女4人の物語
三十歳を過ぎて　四人はそれぞれ喪ったもの　喪われようとするものがある

早産からの発育不良で2ヶ月の娘を喪い離婚となった女性
新しい上司のパワハラから退職となり実家に引き篭もる男性
まだ幼い娘がありながら　癌宣告を受けた女性
コロナ禍で出産を迎えた妻子と別居状態が続く男性
四人は自分に抱えるものを持ちながらそれぞれの支えとなろうとする
この四人の関係性が良い
気づかせない気遣い
相手の気持ちを受け止める大人の友情
友人を思いやることで自分とも向き合い始める

早逝した友人の娘に　語りかけるシーンが好き
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大人のいい友人関係。こういう友人っていいな。他界した学生時代の友人とのことを思い出して少し切なくなりました。

家庭や仕事、体調の事などそれぞれ問題を抱え、普通という枠組みから離れていくが、それでも前に進んで行く話。今を大切に生きようと思う。大切にしたい友人がいる人に。
#図書館

人間が持つ「不安」「寂しさ」に深く寄り添った作品でした。物語に波がないわけじゃないけど、ゆったりと強弱をつけながら進んでいく感じが好きです。

ちょうど私も休職中なので、心に穴が空いた感覚や漠然とした…不安感にはとてものめり込めました。優しい作品でした。
特にサタデイ・ドライブがオススメです。続きを読む

4人の大人のお話。8話の短編集だけど、8話が繋がっていて、4人の大人のリアルな悩みや葛藤が描かれています。
最後の2話からは涙が止まらなかった〜(泣)
このお話を読んで、友達に会いたくなったし、人には…その人の悩みや苦しみがあるんだなと思って、みんな頑張ってるんだなーって思いました。
仕事を始めた全大人に読んでいただきたい。続きを読む