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エド・マクベイン, 高橋泰邦 / ハヤカワ・ミステリ文庫 (2件のレビュー)
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kysino
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87分署シリーズ第四作。詐欺事件の発生と時を同じくして、ハートの刺青のある死体が川から引き上げられる。詐欺事件は引き続き起き、同じ刺青のある死体がさらに発見される。この二つの事件が交互に描かれ、87分署の刑事たちによる捜査が続く。 詐欺事件はおとり捜査により犯人が捕まる。殺人事件は刺青師の捜査から一気に事件に動きがある。ここにスティーヴ・キャレラの妻テディが巻き込まれる。テディが犯人を尾行し、中国人刺青師が87分署に急を告げる。キャレラが妻の危機を知り現場に駆けつける。キャレラが犯人を撃ち逮捕する。三人目の被害者は保護され、テディも無事だった。 一作ごとに季節を替え、今作は春となり一年が経過する。第一作「警官嫌い」と同様テディが犯人に捕まってしまう。犯人が中国人刺青師によって明らかになってからラストまでの疾走感、スリルがすばらしい。
投稿日:2016.04.03
josejose0804
マクベイン『87分署シリーズ』の第四作目、犯人を追い詰める手に汗握る描写と登場するキャラクターの行動を情感たっぷりに描いた筆致は、本作で完成形を見せます。 詐欺事件と殺人事件が交錯するアイソラの街で…独身女性の水死体が次々と発見され、いずれも拇指と人差指のあいだにはハートの刺青が施されていました。 ハートの中には『MAC』の文字に、『NAC』の文字。これが意味するものとは…。 本筋の殺人事件とは関係がありそうで、伏線のように織り込まれている詐欺事件の描写が、物語を読み進めていくうえでの箸休めのような役割を果たしています。 また、何度も犯人と接触していながら、成り行き上、そこで犯人と断定することは不可能であったと読者に開示してしまう辺りは、作者の潔さを感じました。 特筆すべきは、三作目において『死んだ』とされたクレア・タウンゼントが、本作では生前の元気な姿を見せてくれているのです。 本作の見所はなんと言っても、物語のラスト。スティーブの妻、テディ・キャレラの大活躍に尽きるでしょう。 彼女が勇気を振り絞って犯人の跡を追うラストは、圧巻の描写です。 バート・クリングが、自分に腹を立てる恋人を見て『クレアは怒るとすごく可愛い』と思うシーン。 思わず、『分かる!』と声を上げて言いたくなるような場面が、読了後の今も心に残っています。続きを読む
投稿日:2011.10.09
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