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トミ・アデイェミ, 三辺律子 / 静山社 (2件のレビュー)
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ナオ
黒地にターコイズブルーの鮮やかな表紙。ゼリィの鋭い眼がじっとこちらを見つめている。 ついに魔法がよみがえったオリシャ王国では、タイタンに生まれ変わったネハンダ王妃が強大な魔力を手にする。容赦ない魔師…狩りのシーンに胸が苦しくなった。ゼリィは父を死に追いやったイナンとネハンダを倒すため、兄ゼイン、王女アマリと共に反乱軍アイーカの元へ向かう。反乱軍を組織したママ・アクバに再び会えた時「ワォ〜 ママ・アクバが生きていた!」と思わず私も声を上げていた。 〈刈る者〉の長となったゼリィ、自らの手で王国に平和をと願う王女アマリ、そして王イナン、それぞれの苦悩が痛いほど伝わってくる。終わりの見えない戦いの中、傭兵ローエンの存在がゼリィを癒やしてくれる。マゼリの死で傷つくゼリィを連れて海底に潜る六十三章に惹きつけられた。巨大なウミガメが頭上を泳ぎ、シロナガスクジラは数千のプランクトンを一口で吸い込む。光煌めく海の中をクジラと共に急上昇する二人。映像が目のまえに現れ、心がどんどん浄化されていくようだった。ゼリィに笑顔が戻った瞬間のローエンの言葉にぐっときた。 戦いは果てしなく続き次々に犠牲者を出す。神から与えられた魔法も使い方を誤ると取り返しがつかない。読みながら、魔鉄鋼の煙が「毒ガス」に、将軍が起こした竜巻は「原子爆弾」のように思えてならなかった。 まさかのラストとエピローグを読んで、「エッ、この後どうなるの?」とまた心がざわついて来た。 続きを読む
投稿日:2022.12.25
run
このレビューはネタバレを含みます
ゼリィの父が犠牲となり、オリシャに魔法が戻った。しかし、魔師だけでなく、あろうことか王家や貴族達にも魔法が使える者たちが現れる。彼らはタイタンと呼ばれ、魔師達に襲いかかってきた。アマリはオリシャの統一こそが平和への第一歩だと考えるが、母であるネハンダ女王は仲間のタイタンの生命力を吸い取ってさらにパワーアップし、魔師を根絶やしにしようと向かってくる。アマリは兄イナンも同じ考えのはずと密かにイナンと会うが、そのことで隠れ家の場所がバレてしまい、ゼリィ達はますます苦境に立たされる。 PART2は読んでいてつらい。アマリの崇高な理想はわかるけど、イナンに裏切られたゼリィの気持ちを考えてあげて、とか、何度も繰り返されるゼリィの父の最期のシーンなどゼリィのトラウマが辛すぎる。でも、傭兵ローエンとの結びつきが新たな可能性を見出し、アマリの絶望的な失敗により奪われかけた命を救う。 次々と魔法が出てきて、お腹いっぱい、という感じだが、大きな魔法にはやはり犠牲がともなう。生贄が。こんなにいろいろな人が死んでいるのに、ネハンダはピンピンしてるのが悔しい。 早くPART3が出ないかな。
投稿日:2022.03.21
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