【感想】怪奇小説集 蜘蛛

遠藤周作 / 角川文庫
(8件のレビュー)

総合評価:

平均 3.8
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ブクログレビュー

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  • 浅葱

    浅葱

    針を読みたくて読んだけれど、怪奇小説の名の通りホラーというよりも奇妙な風味を楽しむ短編集。
    説明が足りない印象ではあるけれど、描写が適当なのでそれが更に風味を濃くしていて物足りないとは思わなかった。
    第三者の視点が描かれている中で、ふと読者の視点が入っているように感じた。読者自身も目撃者の1人であるように錯覚させられた。続きを読む

    投稿日:2024.04.22

  • kinoko

    kinoko

    今の時代にそのままかぶせたら怪奇というには物足りなさを感じてしまうかもしれません。
    でも私は好きです。心臓を直撃するような恐怖より背中にじりじり感じるこの雰囲気。いい意味で嘘も誤魔化しも通用した時代なのかもしれないですね。そういえば幼い頃テレビでよく幽霊特集みたいなのがあってわくわくして見ていたなぁ続きを読む

    投稿日:2023.02.16

  • 本ぶら

    本ぶら

    このレビューはネタバレを含みます

    注! 一部ネタバレ



    ★4つは相当おまけ(^^ゞ
    今の基準に照らすならば、3つくらいが適当だろうw

    にも関わらず4つにしたのは、この時点ですでに現在の「実話怪談」と呼ばれるものの原型のほとんどが出来上がっているように感じたから。
    もちろん、某出版社から出ている「実話怪談」のように、実話怪談好きの実話怪談好きによる実話怪談好きのための「実話怪談」みたいな非現実的な怖さはない。
    ていうか、どれもたいして怖くない(爆)

    ただ、この本には「実話怪談」ではない、「誰かが体験した怪談って、おそらくこんな感じだろうなぁー」と納得出来る良さがあるように思う。
    例えば、「時計は12時に止まる」の冒頭にある、“最近、某誌に載った東京下町の幽霊屋敷なども、実際に調べてみると、近所の人はそんな話は知らないと言う”なんて、実際はそういうものだろうなぁーって。
    そういう、“クスッと笑える、程良い怖さ”がいいんだと思う。

    そんな程良い怖さで、今となってはやや陳腐とも思える話ばかりのこの本だが、唯一「霧の中」という話はよかった。
    予言めいた夢を見ることに悩む女性の話なのだが、ミョーに展開が読めないところが面白い。
    唐突なラストも、短編ならむしろこれでいいんだろうと。

    ていうか、これ。
    確か、講談社文庫版は読んだはずなのに、一切憶えてなかったのはなぜなねだろう?(^^ゞ

    レビューの続きを読む

    投稿日:2023.01.29

  • nt

    nt

     週刊新潮に連載した「周作恐怖譚」を1959(昭和34)年に単行本として刊行した『蜘蛛——周作恐怖譚』に4編を加え、1970(昭和45)年、『遠藤周作怪奇小説集』と題して出版されたもの(を、『怪奇小説集』と更に改題して1973年に講談社文庫で出したもの)。

     中学生の頃私は北杜夫のユーモア・エッセイが好きで、その流れでついでにちょこっと読んでみたのが確か『遠藤周作ユーモア小説集』だった。これの巻末にオマケとして一編だけ怪談が入っていて、これがやたらに怖く、ショッキングだった。このとき味わった恐怖感の味が、ずっと記憶に残っている。私がホラー小説を好んで読むようになったのはずっと先、特にここ数年のことだ。
     中学生にトラウマを与えた遠藤周作の「怪奇小説集」が一昨年角川文庫でリバイバル出版されたようで、先日書店で見つけて早速買ってみた。
     ・・・・・・が、全体としては玉石混淆である。というか、これら全作品をすべて「怪奇小説」とか「恐怖譚」と呼ぶのは無理がある。ただの「ややサスペンスフルな短編」や、ギャフンとオチの付くユーモア(というか、意地の悪い)短編も入っている。「怪奇小説集」と題された本を積極的に手に取った読者に対しては絶対に読ませるべきでないようなものもあった。
     それでも、本書の最初の方の数編はけっこう怖く、特に「蜘蛛」など、ちょっと卓越したホラー小説である。
    「週刊新潮」に連載された「周作恐怖譚」は、ふつうにフィクションの態で始まる小説よりも、筆者遠藤周作がエッセイ風に語り出す「実話系」が多く、この手のもののハシリであろう。
     もっとも、小説家が書く小説だから、フィクションも混ざっているのだろうと思う。どこまでが事実なのかは誰にも分からないだろうが、楽しんで読めればそれでよい、という主旨と受け取るべきだ。
     そうやって前半の「怪奇」「恐怖」を楽しんだ読者は、後半は気持ちを入れ替えて読まなければならない。
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    投稿日:2023.01.24

  • りおん

    りおん

    『共犯者』の巻より怪奇小説というのが似合う話が多かった。
    15編中半分ほどはすでに読んだことがあったけど、それでもやはり面白かった。読みやすいし。
    ゾッとする終わりかたの話もあれば、自業自得じゃんみたいなユーモアのある終わりかたする話も多かった。

    『蜘蛛』、『あなたの妻も』、『初年兵』、『霧の中の声』あたりが特に良かった。
    続きを読む

    投稿日:2021.10.31

  • ゆっこ

    ゆっこ

    おもしろい!!!ユーモアとおぞましさがミックスされていて読み応えがある。冷や汗をかきながら読んでいたけど、共感できる部分があるからこそ、ヒヤヒヤしてしまう。「あなたの妻も」「初年兵」がすき

    投稿日:2021.10.12

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