【感想】エレジーは流れない

三浦しをん / 双葉社
(228件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
19
81
99
12
0

ブクログレビュー

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  • 文海胡

    文海胡

    青春だね。怜の静かな青春っぷりがまぶしい。
    仲間もいいね。
    餅湯という温泉町の温度が、じわじわと伝わってくるような話だった。
    軽妙さはさすがしをんさん。

    投稿日:2024.05.13

  • akatenkoban

    akatenkoban

    かつての賑わいを失ってさびれつつある温泉街に暮らす男子高校生たちの話。主人公の伶は普段は土産物店を営む飾らない性格の寿子との二人暮らしだけれど、毎月第3週は複数の事業を展開する実業家で寿子よりも年長の伊都子と、大きな屋敷で過ごすのが子供のころからのならわしで、寿子をおふくろ、伊都子をお母さん、と呼んでいる。父は居らず、話題にものぼらず、昔からそうだったので事情を知ろうにもきっかけも見つけられず、そろそろ進路も決めねばならない年ごろながら遠慮深く常に他人の気持ちをおもんぱかる性格でいろいろ考えているのに何も結論が出ず知らず知らずのうちにストレスが溜まってしまっている。と、書くと、シリアスな感じだけれど、三浦しをんさんなのでテーマは深刻であっても全体の雰囲気は大変なごやかでくすりと笑ってしまうような小さなやりとりが随所にちりばめられており、楽しく読めました。父親に関する謎はなんだかスッキリしないというか、伶の葛藤と成長を描くための記号に過ぎない感じで漫画っぽいというかラノベっぽい感じではありましたが、それよりも友人たちとの青春模様とか、都市部とは違う温泉街の人たちのかかわり方や人情の在り方などが、読んでいて心地よかったです。近ければ近いほど、共通点が多ければ多いほど、合わない部分や違いが際立って仲が悪くなる、の典型のようなさびれた温泉街だけれど、対抗しながらも相手を思いやる伶たちの暖かい人となりに、とても好感を持ちました。個人的な好みからすればだいぶんラノベ寄りの作品ではありましたが、面白かったです。続きを読む

    投稿日:2024.03.31

  • tpochi0717

    tpochi0717

    このレビューはネタバレを含みます

    餅湯という観光地に暮らす高校生たちの青春。

    玲は物心ついたときからお土産屋の母と、桜台の豪邸に仕事の合間を縫って帰ってくるもう一人の母がいて、
    2つの家を行き来しながら生活していたが、進路のことをどう相談するか悩んでいた。

    美大を目指す人、旅館の跡取りにスポーツ筋肉バカな個性豊かな同級生。
    餅湯の博物館から土器が盗まれたという事件も続き、犯人探しと、玲の父親の存在や、将来のこと。

    青春だった。

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    投稿日:2024.03.08

  • sana

    sana

    のどかな観光地で暮らす高校生たち。
    主人公には、母親が二人いるという、ちょっと複雑な事情があるが?

    山と海に囲まれた餅湯温泉。
    怜は、高校2年生男子。
    家は商店街のお土産屋で、シーズンにはまあまあだが、オフにはあまりお客も来ない。
    高台の別荘地にはお金持ちが暮らし、怜は月に一度はそこにある家の「お母さん」に会いに行く。
    土産物屋の寿絵と高台の邸宅に来る伊都子のどちらかが生母なのだろうが、はっきり聞くことも出来ないまま。
    それで当たり前に暮らしてきたが、進路を決めるとなるともやもやし始めた。
    これと言って、得意なこともやりたいこともないのである。

    美術部員のマルちゃんは喫茶店の息子で、竜人は干物屋の息子という商店街の幼なじみたち。竜人は運動神経抜群で、GFとラブラブなのが知れ渡っていたり。老舗旅館の跡取りの藤島というメンバーも加わって。
    心平の作った土器の騒動やら、ちょいおバカな男の子たちの繰り広げる騒動がおかしくて、楽しい。

    いたことのない父親はま~ろくなもんじゃないだろうと思っていた怜だが、ある日それらしい男を見かける。
    商店街の住人は皆事情を知っていて、怜たちを見守ってくれていた。
    のほほんとした雰囲気の温泉町のあったかさに、ほのぼの。
    ものすごいことは起きない、平和な暮らしの大切さ。
    読んでいて、愛おしくなります。
    続きを読む

    投稿日:2024.02.15

  • ミステイク承知の助

    ミステイク承知の助

    餅湯温泉街で暮らす複雑な家庭環境にある男子高校生の怜。
    怜と友達達の場面が面白すぎる。会話も怜の心の中でのツッコミも。

    投稿日:2024.01.27

  • mi

    mi

    このレビューはネタバレを含みます

    餅湯温泉という土地の高校生を主人公にした日常系のお話。

    やっぱり三浦しをんの書く青春というか、日常っていいなーと思いました。
    特に波乱の展開というわけでもないが気持ちがあったかくなるような気がした。

    主人公は母親が二人いて、月の三週目は二人目の母親のもとに帰るという奇妙な生活をしていた。
    商店街(なぜか熱海をイメージした)のみんなは幼馴染で親同士も仲が良い。
    浮気の末母に主人公を妊娠させた父親もちょっと出てきたが温泉の無料券をくれたのみだった。

    親からの愛とか、親への愛とか友達への愛がたくさんあったなーというお話でした。
    題名のエレジーはそのまま、哀しい歌という意味。
    人並みに将来は不安だしなりたいものもないけど、この日常が気に入っているという感じがした。

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    投稿日:2024.01.25

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