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マンディアルグ, 中条省平 / 光文社古典新訳文庫 (3件のレビュー)
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saigehan
評価しずらい作家だよなあー。大げさ、なのかな?なんか共通して、自分等の世界没頭、優先で、周りの世界が見えてない観が濃厚で、そこは牽かれるというか、退かれる所?エロ部分に関しては、女が極めて好き!という…より、己の男根、または男性性に違和感、コンプレックスを感じている故の、振りほどく?破壊願望?みたいなのを感じてしまった。多分日常に芸術性を導入すると、皆こんな感じになるのかなー?続きを読む
投稿日:2021.05.18
深川夏眠
20世紀フランスの作家、 アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ(1909-1991) 最晩年の掌・短・中編をピックアップした新訳版。 信頼という名の暗黙の了解が粉砕され、男を打ちのめす物語。 某か自…分の思い通りに運ぼうと策を巡らし、 上手く行くかに見えても、 最後は肉体的あるいは精神的に ひどいダメージを食らう男性の姿が描かれているが、 彼らは衝撃を受けつつ、 もしかしたら最初からカタストロフを予見していたのでは…… という疑念も湧いて来る、 そんな“カッコつけた”道化師が演じる悲喜劇といった趣の、 捻じれたダンディズムに彩られた作品群。 ■クラッシュフー(Crachefeu) 白水uブックス『薔薇の葬儀』(田中義広=訳)で既読。 タイトルは「火を吐くもの」の意で、spitfireの仏語訳。 ここでは英国トライアンフ社の2シーターオープンカーの スピットファイアを指す。 国有林の視察が職務の技術長、 森林管理官ブラン・ド・バリュは、ある日、 愛車クラッシュフーで森を走っていて、 自転車を漕ぐ少女に遭遇――。 彼女の不吉な夢が現実化し、彼を打ちのめす。 突発的な性愛と理不尽な死の交錯という不条理劇。 ■催眠術師(L'Hypnotiseur) 港町で《四百羽の兎》という名のバーに入った ティテュス・ペルル。 ホステスに勧められるまま強い酒を呷り、酩酊したが……。 ■すべては消えゆく(Tout disparaîtra) パリの地下鉄で出会った男女、 ユゴー・アルノルドとミリアム・グウェンは 恋愛や性に纏わる会話を、衒学趣味を交え、 オブラートにくるんだような芝居がかった物言いで 繰り広げつつ、街を歩く。 散々焦らされたユゴーは とうとうホテルへ行こうと切り出したが、 ミリアムはもっと特別な場所があると彼を誘い……。 タイトルは地下鉄構内の《Tout disparaîtra》 =「全品一掃処分」というセール広告の決まり文句に 由来することが途中でわかるので、 男女が互いに関係を深めると見せかけて 回りくどい話を続けながら 結局何も起こらないのかと思って読み進めたら、 途中でガラッと様子が変わって 淫蕩かつ残酷な展開になり、ギョッとした。 ミリアムが電話の相手に「はい……はい……」と 返事するだけ(p.218-219)の数行がシュール!続きを読む
投稿日:2020.05.02
toca
このレビューはネタバレを含みます
古典新訳文庫からマンディアルグ。 マンディアルグというとやっぱり生田耕作、澁澤龍彦の両巨頭のイメージが強烈ではあるが、中条省平訳も決して悪くはない……というか、『ねちっこい』雰囲気が漂うマンディアルグって相当レアなんじゃないだろうか。案外このねちっこさ、癖になるよ。
投稿日:2020.05.01
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