【感想】パレスチナ現代史

内藤陽介 / えにし書房
(3件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • なつく

    なつく

    ・やっぱり難しかった…結構睡魔と戦ってしまった〜。
    ・イスラエルの成り立ちのところだけど、アラブの人めっちゃ可哀想!それでイギリスめっちゃ無責任なのでは?と思った…。
    ・あんまり関係なかったハズなのに、どこでも最後に敵認定されてしまうアメリカさん…。
    ・日本赤軍の岡本公三の尋問に対する答えに私も唖然として…ほんとにそんなこと言ったの??
    ・フサインの理解による「アラブ国家の領域」…っていやいや全てがイラクになるってそうはならんやろ。サウジどこ行った?
    ・サウジアラビアあんまり出てこないのが意外だった。
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    投稿日:2022.05.08

  • fanta

    fanta

    郵便というのは、国家のメディア(情報伝達の媒体)だ。

    郵便を実現する体制、サービスを独占的に提供するという権力の行使が国家という実体の実現を証明するし、切手を中心とした郵便物の存在は、世界の中で自国という体制が承認されていることの証明にもなる。切手は郵便というサービスの対価としての証明書であるが、印刷物として、国が自らの主張や政策、イデオロギーを示すための宣伝物としても働く。消印を押された郵便物に表れてくるその変遷としてのデータは、それがくぐり抜けた時代や社会を写しとるまさに媒体となって、郵便という行為の上に表れる「いま」の世界というもの形を、読み取ることが可能な記録にもなる。


    イスラエル以前から始まる、パレスチナの混沌とした変遷を分析する手段として、郵便というメディアに着目することがこの本のユニークさであり、この複雑で特殊、人間というものの営みを凝縮したものの表れのようなこの地域の難しさを読み解くのに、きっかけとなる分かり易さを盛り込んでくれているように思えた。


    エルサレム旧市街、イスラエル国家の領域内にありながらムスリムの管理下にある神殿の丘(ハラム・シャリーフ)には、ユダヤ教徒、キリスト教徒、ムスリムの始祖とされるアブラハムが一人息子イサクを神に捧げようとした場所“聖なる岩”があり、それを覆うように“岩のドーム”が建てられている。メッカと並びイスラムの聖地とされることの象徴となるものだ。


    永くエルサレムを含む歴史的シリアを領土として支配してきたオスマン帝国の没落に取って代わり、第一次世界大戦の勝者となった英仏露協商国連合が分割統治を始める。帝国主義的イギリスの代名詞となっている3枚舌外交が、アラブ国家を約束し(フサイン・マクマホン協定)、フランス・ロシア、そしてイギリスによる勢力範囲設定とパレスチナの共同統治を定め(サイクス・ピコ協定)、ユダヤ人が民族的郷土としてエルサレムを含むかの地にユダヤ人国家を作ることを約束した(ヴァルフォア宣言)。このはじまりから矛盾にはらみ、様々な態度・意思が研ぎ解されることなく、より絡み合うように作り出されてしまった状態が、現在に至ってもまるで辿りつくべき答えが見あたらない、パレスチナという混乱を常態としてきたのだ。
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    投稿日:2021.05.29

  • kitano

    kitano

    情報伝達の媒体である切手
    発行国の印刷技術・経済水準を図る指標
    物価の変遷とも密接にリンクしている
    消印で地名日時情報や、相手国との受け取りなどで
    地域の支配の正当性を誇示しているツール

    投稿日:2018.03.17

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