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花房観音 / 実業之日本社文庫 (1件のレビュー)
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パラボス
2020年、21冊目は、再読月中に購入しておいた、花房観音の新作。和歌(短歌)を下敷きにした官能短編、七編収録。 秘めゆり:不感症ぎみで、セックスレスの人妻が、ふとした出逢いから、レズビアンに目覚め…る。表題作。つかみとしてもイイんじゃない。 雪の跡:15年にわたる不倫の末、女が下した結末は……。この中では、一番、花房観音女史らしい話かな⁉️キーワードは「跡」。 あいみての:50代、バツイチの男。40代、長い不倫関係の末婚期を逃した女の一夜の関係が……。これも女史らしいと言えば、らしい。オチは普通だけど。 人妻ゆえに:仕事の出来る優秀な兄に、恋人を奪われた弟。約20年振りの再会。これは今後の展開を想像させられて、ゾワっとするヤツ。 萩の寺:出版バブル期にデビューした、官能作家。出版不況の中、京都へ移り、時代小説を発表。その売り込みで書店を訪れると、ファンだという女性に声をかけられる。らしいと言えばらしいが、PT.2。 君が若さよ:小さいながら経営者として成功するも、妻の役目を終え、母の役目を終えつつある女が、娘の大学の先輩との情事に溺れていく。なんだか、性的な終活実践しているような印象を受けた。 くれなゐの桃:一編目『秘めゆり』の後日譚。色んな意味で上手いコトやってくれました、って感想。 全体的に、女史の作品としては、久々に思いっ切り官能に振り切ったといった造り。精神と肉体。愛情心理と快楽感覚。受けと責めの表裏一体。その辺りも含め、ココ最近の作品では、官能描写もコッテリめ。 2編目、7編目の不倫男のご都合主義は、やはり、独特の手腕で「ギャフン」と言わせちゃうのね。 50オーバーの自分も、完全に萎れてしまう前に、もぅ一花咲かせられないかな⁉️とは、思わされたが、現実は……。続きを読む
投稿日:2020.07.08
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