【感想】死んだレモン

フィン・ベル, 安達眞弓 / 創元推理文庫
(34件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
4
9
11
2
1

ブクログレビュー

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  • sora

    sora

    このレビューはネタバレを含みます

    タイトル「死んだレモン(Dead Lemons)」は人生の落伍者の意味。レモンには俗語で「欠陥品」や「騙す」の意味があるそう。レモンなどの柑橘類が好きなのに、なんてひどい言いぐさだ!←関係ない!人生の落伍者が人生を立て直すおはなし。ベティのセラピーは私にも必要。今へ至る因果である過去とまさに今現在が交互に書かれていて、緊迫感がある。悪の根源は意外な人物。

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    投稿日:2024.06.03

  • あきら

    あきら

    初フィン。タイトルに惹かれ、手に取った本作。ミステリィよりサスペンス要素強め…かな。もう考えてもゾイル兄弟としか思えないのに、なかなか尻尾を掴ませない。読んでいてとてももどかしい——。が、頑固もののフィンとリヴァトンに住む周りのキャラクタたち(厳しいセラピストのベティ、強引だが友達想いのタイ、そのいとこのパトリシア…など)がそれを補って余りあるくらい魅力的だ。作者が心理カウンセラーだからか、人生に示唆を与えてくれる言葉がいくつもあったように感じる。期待値は上回らなかったが、決してつまらなくはない。星三つ半。続きを読む

    投稿日:2024.04.22

  • よし

    よし

    事故で下半身不随になった主人公、フィンが自身かま購入したコテージで起きた未解決事件に挑む作品。犯人の目星はついてるのに決定的な証拠を掴めず未解決となった事件に意外な結末が待っており、すっかり騙されてしまった。ニュージーランドの温かな人たちの雰囲気がよく、こういったとこで生活するのもいいなぁと思った。続きを読む

    投稿日:2024.03.16

  • ぼじょまる

    ぼじょまる

    このレビューはネタバレを含みます

    ・あらすじ
    飲酒運転事故により半身不随、アル中、離婚となり人生に絶望した主人公はNZの最南端の街へ引っ越す。
    購入した古いコテージでは26年前に子供の未解決失踪事件が起こっていた。

    ・感想
    容疑者一家のゾイル家から命を狙われたり、NZの人と関わることで癒されたり、新しくスポーツを始めたりカウンセリングを受けることで己の所在や過去の自分を振り返って人生の再起をはかったりしつつ事件解決のために奔走したり…
    盛り沢山すぎて正直どれも中途半端だったような…

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    投稿日:2024.03.03

  • fukayanegi

    fukayanegi

    このレビューはネタバレを含みます

    珍しきかな、ニュージーランド発ミステリ。
    ナイオ・マーシュ賞新人賞受賞作とのこと。

    幼い頃を南アフリカで過ごし、若くして成功した主人公のフィン・ベル。
    35歳を過ぎた頃から、午前3時になると目覚めてしまう不眠に悩まされ、酒に溺れる。
    妻との別れを迎えた矢先、交通事故に遭い下半身麻痺の障がいを負ってしまう。

    事故後のリハビリ、セラピーを経て、まだ明確な意志は形作られないものの、酒を断ち、事業を売却し、”南の南、ニュージーランドの果ての果て”リヴァトンのコテージを購入し人生のリスタートを切ろうと移り住んできた。

    そんなベルが冒頭、車椅子と共に崖で宙吊りになり、目前に迫った死を嘆くシーンに始まる。
    車椅子ラグビー(マーダーボール)にも出会い、人生に希望を感じ始めていたのに。
    なぜこんなことになってしまったのか。
    全ては隣人のゾイル家に関わってしまったせいだ。。。

    ベルがこの地に身を置くことになった6ヵ月前のパートと現在のパート。
    次第に過去が現在に追いついてくる形式の物語。
    原題「Dead Lemons(死んだレモン)」とは人生の落伍者の意とのこと。
    ベルはリヴァトンの地で出会ったセラピストのベティから「あなたは人生の落伍者かしら?(障がいに甘んじ、人の助けに頼りながら苦しみに耐え抜く人生を歩むのか)」と些かキツい投げかけをされ、今一度自立を図るべく自己に向き合っていく。

    序盤の掴みこそ良かったものの、ミステリ的な側面としては、隣人がかつての凄惨な事件の関わっていたのではと疑い、過去をほじくり返す内に自分の身にも様々な脅しや危険が迫るが、それにも屈せず真相に突き進む、というよくある話。
    車椅子利用の主人公が特徴と言えば特徴だが、解説でも言及されていたリンカーン・ライムという絶大なる先例があり、二番煎じ感が。

    また、著者はかつて法心理学の専門職に就いていたようで、時折プロファイリングめいた深層心理の分析と、濃い洞察、示唆が語られる場面がある。
    これが肌に合う人はまた違う味わいがあったとは思うが、これもまた自分的には内的な難しい感情をこむずかしい理屈で説明されるのはあまり好きではなく、なんかちょっと違うかもとマイナス要素。

    解説の受け売りだが、世界的に有名なニュージーランドのミステリ作家と言えば本書が受賞した賞の冠ともなっているナイオ・マーシュくらいしかいなかった(不勉強ながら存じ上げませんでした)が、このフィン・ベルが俄然注目株とのこと。
    そうかそうか、国内外産問わず良質なミステリが色々と楽しめる環境にある日本にいて自分は幸せだなと思ったが、はて、そう言われてみると海外でも人気のある世界的な現役日本ミステリ作家って?と。
    そもそも、翻訳されて読まれることってあるのだろうか?
    海外ミステリに傾倒しぎみの自分が言うのもなんだが、もったいないなぁ。
    けっこう面白い作品沢山あるけどなぁ、と全然違う方向に思考が飛んで行ってしまった。

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    投稿日:2023.09.03

  • hazel8483

    hazel8483

    死んだレモンとは、人生の落伍者のこと。
    カウンセラーに「あなたは死んだレモンか」と
    聞かれたフィンは返事ができなかった。
    妻と離婚し、事故で半身不随になり
    アル中克服の修行中。
    半ば死ぬ気でニュージーランドの片田舎の
    コテージを買って移り住んできた。

    ところが、このコテージの隣人兄弟がいわくつき。
    前のオーナーの娘が誘拐・殺害された事件は
    街の誰もが彼らの犯行だと思っているが
    まったく証拠がないので逮捕できずにいた。

    隣人に怯えて暮らすことに耐えられないフィンが
    なんとか事件の謎を解こうと動き始めて
    ついには自分の命まで狙われてしまう!
    くそ〜、犯人わかってるのになぁ〜と
    やきもきしながら読み進めると
    よそ者だから「あること」に気がついた!
    伏線ちゃんとあったな…。

    車椅子ラクビーの話題もおもしろかったわ。
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    投稿日:2023.08.27

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