【感想】モンスター

百田尚樹 / 幻冬舎文庫
(1069件のレビュー)

総合評価:

平均 3.7
193
387
331
68
20

ブクログレビュー

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  • yuppi

    yuppi

    整形の力がすごかった。主人公自身も周りも変わってゆく。主人公の整形に費やす執念がすごかった。歯くらい子供の時分から親が矯正してあげていたらよかったのになぁ。崎村は男前だった。そして意味深なエピローグ…

    投稿日:2024.04.26

  • 十兵衛

    十兵衛

    このレビューはネタバレを含みます

    誤解を恐れずに言うと、この作者の作品を読んだ事はなかったけど、事前情報から個人的にあまり良い印象は持ってなかった。その理由の一つが自己顕示欲の高さと言うか、他者を見下すスタンスと言うか、そういう印象だったんだけど、それをそのまま作品にした感じ。このご時世、コンプラ的に良いのか?(笑)と苦笑しちゃうような内容だけど、意外と作品として見ると、ある意味でその時代を無視したブッ飛び感が面白い。ラストもさりげなくダークに締めて、首尾一貫した書き方は評価高いです。振り切ってると言う点で、高評価。

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    投稿日:2024.04.14

  • にしど

    にしど

    こんな歪んだ純愛?ってあるのだろうか。
    醜く生まれてしまった和子は異常なまでに美に執着し、整形を繰り返し美貌を手に入れていく。
    最後まで一気読みしてしまった。

    投稿日:2024.04.11

  • あさ

    あさ

    永遠の0に引き続き、何年振りかの再読。かなり印象に残っている作品。
    美しければ美しいほど、可愛ければ可愛いほど、人生楽に生きられることは間違いない。ただ幸せになれるかどうかは別の要素がいるのですね。ただ主人公は必死に生きて満足のいく終わり方を迎えたのかもしれない。
    女という生き物と男という生き物が、生々しくいろいろな意味でここまで「露骨」に描かれていることがおもしろい。
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    投稿日:2024.03.28

  • 2054929番目の読書家

    2054929番目の読書家

    モンスターと呼ばれた女は私の中では全然モンスターではなくむしろ、周囲の人間の方が嫉妬、プライド、欲むき出しのモンスターだった。

    むしろモンスターと呼ばれた和子は、真があり自身の目標、夢に真っ直ぐだと思った。
    手段がどうであれ自分の手でお金を稼ぎ痛みを伴い整形した和子に頭が上がらないし、それだけ強い心を持ってる和子も恋をすると弱くなってしまう事にリアルさを感じた。 恋は盲目とはまさにこの事。
    レストランまで作って英介を呼び寄せたんだから。

    英介は大した男じゃなかったし、長年恋焦がれたお掛けで白馬の王子様フィルターがかかって居ただけなのかもしれない。崎村と宮崎に行ってくれたら、、、きっとすぐ救急車を呼んでくれて一命を取り留めたのかもしれない。
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    投稿日:2024.03.19

  • チムチム

    チムチム

     とにかく面白かった。男性の著者がどれ程女性主人公の美醜に関する心情を描写出来るか見物だと思っていたが大方的を射ているように思う。
     また、人の奢りや虚飾、自己顕示欲、僻み妬み嫉み等等の人間の弱さに対する著者のシニカルな目線が小気味良い。その格好悪さに気付いていない知性の低さをえぐり出している。ね?こんな奴等、格好悪いでしょう?と。
     崎村さんの言葉、「男は目でセックスする」という件。今までの色々な経験が脳裏をよぎり膝を打つ。全てが腑に落ちる。男達のあからさまな美人を巡るご贔屓言動が蘇える。だからか!納得。
     そりゃ、不器量な女性陣は美人ばかりチヤホヤされたら面白くないだろう。ここが多くの女性陣の苦悩するところ。
     男が女の容姿に評価を下す傾向には幼い頃から気付いており、心中「お前が人の顔蔑む権利はどこに?自分の顔鏡で見てから出直してこい!」と思っていた。何様なんだろう。
     こういう事もあった。「俺は、俺の嫁の顔のレベルはあの程度で我慢したんだぞ!」この発言にも開いた口が塞がらなかった。内心思っていたとしてもそれを公言してしまう品性の無さ。圧巻です。
     整形を否定はしないが時代によって流行りの顔があるし、それに振り回されていたら美という牢獄の中で終わらない舞踏会に参加し続けることになる。(中村うさぎ解説より引用)基本的には化粧、髪型、服装、言動のセンスを磨いて時代時代によって変化していけば乗り越えられるケースが殆どではないか。梅沢富美男の変身をご覧下さい。あそこまで変身できるのです!そして言わずにはいられないのが印象、雰囲気、品性も含めて顔です。顔が原因で生きていくのが本当に大変なこの主人公のような場合は整形して前向きに明るく人生を送って欲しいとは願っています。
     風俗での大阪の客の言葉。「恋や愛や言うても、そんなもん全部綺麗事や。要するに男も女もおめこしたいだけのことや」「鳥はメスがオスを選ぶからオスが綺麗。人間は逆」という件。
     過去にデビ夫人が言っていました。「男性から選ばれるんじゃなくてあなたが選べるようになりなさい」…この発言はそのままストレートに受け止めてしまうと、何という上から目線!と思うかも知れませんが、彼女の真意はきっとこうだったのではないだろうか。人間社会は従来男が女を選ぶのがステレオタイプだが、女性だって男性を選ぶことが出来る。美も人間性も経済力も手に入れて、生きていくのに何不自由無い状態を女性自身が作っていけばそれは叶う、と。デビ夫人のこの発言に好感が持てるのは勝負してるな、と感じるところだ。勝負しない生き方だってある。男性に取り入って気に入られ庇護して貰うやり方もある。でもそれだといつまで経ってもいつも男から施して貰う側。選ばれるのを待っていろ、その為には小さくかわいく纏まって男が管理しやすいように従順でいなさいよ、と言われているようなものだ。そこに真の自由は無い。愛玩犬と同じ境遇。彼らも円らな瞳で目を潤ませいつも物欲しげだ。同じく自由がなく首輪に繋がれている。
     常に女性が選ばれる側という所に釈然としない。腹が立つ。何かねっとりと物欲しそうにしている感じがする。だから女どもの僻み妬み嫉みは凄まじいのだ。施されるのを待つしか無い、自分で人生をコントロール出来ないから余計にフラストレーションが溜まる。これで自分の人生を歩んでいると言えるのだろうか。そして男の上から目線を感じる。舐めんなよ!と言いたくなる。
     未帆の数々の仕返しにスッキリするのはこういう社会へのアンチテーゼがあるからかもしれない。
     村上シェフが未帆のレストランに来る前の自宅をレストランにしていた表現は人間は中身だ、と主張する人に対して気付きを与えているのか。自宅レストランは立地も悪く建物も冴えない、味だけ良くても客は来ない、雰囲気も大事なのだ、と示唆している。人も同じですよね、と著者は言いたいのだと思う。解説の中村うさぎ氏も同じ主張をしている。私も共感する。
     とにかく崎村さん以外の男は全員クズだった。英介は一回も妻に離婚を切り出していないに違いない。女性陣の男性への期待が完全に崩れ去った。本当に男性ってそうなの?と男性に直接聞いたところで本当の事は言わないでしょうね。
     ただ世の中には素敵な男性もいる。宮城県石巻市の医師で小さい頃に自分の母親が毎日魚屋の前で財布から出した小銭を数えている丸まった後ろ姿を見て、女性にこういう思いをさせてはいけない、と胸に誓った。また彼は家の近くに女郎屋がありそこで養われている私生児達と交流があり、医師になってから養子縁組の制度化に寄与した、という記事を見たことがある。
     こういう感受性が育つにはあまりにも幸せでぬるま湯に浸かっていたらそれは育たないのだろうな、と思った。
     
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    投稿日:2024.03.10

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