【感想】未必のマクベス

早瀬 耕 / ハヤカワ文庫JA
(241件のレビュー)

総合評価:

平均 3.9
75
82
46
18
2

ブクログレビュー

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  • inutools

    inutools

    このレビューはネタバレを含みます

    書店で平積み&ポップで激推しされていたので読んでみましたが、私には合いませんでした。

    まず、登場人物に人間味が感じられません。クールで格好よく描いているつもりかもしれませんが、一般人なのに人を殺すことへの躊躇のなさや、殺したことに対する恐怖を感じないところ、彼氏が人を殺したというのに全く動じないところなどから、無感情・無表情な人物たちという印象を受けます。

    そのため感情移入できる人がまったくおらず、命が狙われていてもハラハラしないし、先の展開を知りたいという欲求が全くわいてきません。

    また、人を殺しても動じないような人たちなのに、高校の入学時に友人がマクベスの登場人物に重ねられたという些末なエピソードに囚われているのは、人物像的に整合性が取れていないように思います。そして、それが原因となって本作全体のストーリーの随所でマクベスの影響が出てくるのには、作り手の都合を強く感じてしまいます。

    人間味のない人物たちと、マクベスになぞらえた設定・内容から漂う「クールでかっこいいでしょ」臭さが鼻につくのも、本作を受け入れづらい理由かもしれません。言葉は悪いですが、意識高い系中二病、という感じがしました。

    世間的には評価が高く、ハマればストーリーを楽しめるのかもしれませんが、私はストーリー以前に人物が魅力的かを重視するタイプのようで、本作のようなタイプは苦手のようです。

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    投稿日:2024.06.03

  • is-one

    is-one

    ここ最近読んだ中で一番面白かった。
    読み終わった後に、もう一度読み返してみたいと思えるほど。
    それほど圧倒的だった。

    投稿日:2024.06.01

  • camille

    camille

    さまざまな伏線があったりするけど、私の読解力ではあまり理解できなかった。
    みなさん高評価なので、私ももう少し頭が良ければと思ってしまった。

    印象に残ったフレーズを記しておきます。
    旅に一番不要なものは「慣れ」だと思わないか?
    貧しい人を見て、ひとときの哀れみを感じなくなる。あるいは、指が四本しかない子どもを抱えた老婆を見ても、この街では物乞いもビジネスなんだな、なんて、知ったようなことを考えてしまう。それと同じように、きれいな景色を見ても、ああこんなものか、としか思わなくなる。
    だから長い旅はしない方がいい。旅に慣れてしまう前に、一旦、自分の元いた場所に帰ることは、必要だと思うんだ。
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    投稿日:2024.06.01

  • suke20

    suke20

    このレビューはネタバレを含みます

    珍しくこの本は所有したいと思える1冊だ。

    マクベスに関しては無知だったが、戯曲になぞらえる構成(殺人など含む)と、主人公とそれを取り巻く女性たちの恋模様がミスマッチのようでいて青春、そして大人の恋、愛するということを教えてくれるような気がする。

    亡命をすることで名前や家族、顔を失ってしまう。けれど、気持ちだけは失わない。心って便利なんだというのが印象的。

    中盤、秘書の森川が鍋島であるのか?そうであればいいのに。などと妄想していると、本当にその展開に。しかし、なかなか森川=鍋島の結論が出ずヤキモキしながら読み進めた。

    互いに本音を隠したまま互いを思いやる姿勢、遠く離れていても相手を思い続ける、相手の心に居残り続けること
    これが本当の愛なのかと。

    p582 l9からの一節
    それから、本当に我が儘な頼みなんだけれど、ぼくのことを忘れないでほしい。ぼくを捜し出してほしいとも言わないし、森川には、これから幸せな結末を迎える恋をしてほしいと、心から願っている。君が、これから森川佐和として歳をとっても、マクベスとレディ・マクベスだった中井優一と鍋島冬香のことを忘れないでほしい。

    これがドンピシャ。

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    投稿日:2024.05.30

  • cloche

    cloche

    IT企業プロトコルの中井。
    異郷の地で
    「あなたは王として旅を続けなければならない。」
    と予言めいた言葉を告げられ 
    ストーリーが動きだしたようで、
    悲劇はもっと
    ずっと前から始まっていた。

    読んでる間も
    読んだ後も楽しめる本は
    久しぶりな感じです。
    まだ、旅が終わった感じがしないのです。
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    投稿日:2024.05.28

  • j

    j

    600ページ以上の大作
    舞台は香港、澳門、東南アジア
    読みきれるのか?と心配だったが
    スタートすると
    次が気になる展開の連続
    魅力的な登場人物
    特に女性の描写が秀逸

    なによりもセンスあふれる文体が
    素晴らしい

    やらなきゃならない仕事も差し置いて
    プライベートのほとんどを費やし
    読破→満足感






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    投稿日:2024.05.25

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