【感想】猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」第15巻 二宮金次郎はなぜ薪を背負っているのか? 人口減少社会の成長戦略

猪瀬直樹 / 小学館
(21件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • hy343

    hy343

    二宮金次郎は、仕事の合間も、寸暇を惜しんで勉強しました。で、偉い人になりました。以上。

    …というのが、(オレも含めて)多くの人の二宮金次郎に関する知識のすべてではないだろうか?

    ところが、この本を読むと次々に目からウロコが落ちる。

    金次郎は、身の丈6尺(約180cm)を超える大男だった。
    薪は、苦労してかき集めてホソボソと売り歩く、という商品ではなかった。(燃料として高利益商品であり、金次郎自身、「山を自ら所有して」調達した)
    人口の流出で荒廃した地方の領地に赴き、その財政を独自に(実践から)培った金融理論をもって建て直した。

    さらに、物語は時代を超えて現代へと飛ぶ。

    金次郎の時代…江戸時代後期は、幕府・藩の財政は逼迫、経済が停滞し、とくに地方で人口も減少傾向にあった。つまり、現代の社会情勢に重なる。

    金次郎が行った(行おうとした)財務政策の基本的考えは、実は今こそ使えるのではないか。

    土木土建に偏重しているカネや人を農業に配置し直し、江戸時代にそうであったように「総合産業」として発展振興してはどうか。と、課題と解決を現代に引き写していく。

    好著。
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    投稿日:2019.06.13

  • mickeymeguj

    mickeymeguj

    序章 皇室は鏡のように
    第1章 人口減少社会に挑戦した男
    第2章 積小為大
    第3章 福利の魔力
    第4章 偉大なる発明「分度」
    第5章 見捨てられた領地の再生
    第6章 希望の未来を指し示す
    第7章 カギは農業にあり
    終章 二宮金次郎は現代に蘇る
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    投稿日:2018.10.13

  • yajjj

    yajjj

    薪を背負って勉強する姿は努力の象徴ではなく効率の象徴だった…。二宮金次郎がどのような人物だったのか興味を持たずにこれまで来たことに反省。

    投稿日:2018.10.09

  • 関根雅泰

    関根雅泰

    ・金次郎の本質は、コスト削減によって生じた余剰をどう活用するかにある。

    ・分度という概念を、もう一度現代によみがえらせてみたい。
     支出を明確にするからこそ、余剰資金は投資と運用に充てられるのだ。

    ・大きな政府の時代は終わったのである。

    ・金次郎の改革では、士農工商の垣根を自在に乗り越えている。

    ・建設業の農業進出。 
     不況の建設業者に、遊休地と化した農地はフロンティア。

    ・「~予が日記を見よ。戦々兢々深淵に臨むが如く、薄氷をふむが如し」
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    投稿日:2017.11.09

  • y_doka

    y_doka

    二宮金次郎ってなんか勉強熱心なお子様というイメージしかなかったのだが、なかなかにやり手だったんだねえ。地方創生に携わる人は読むべし、と思わされるほど内容が詰まっていると思う。

    ちなみになぜ薪を背負っているかというと、それを売って、売った金を誰かに貸すため。ま、そうやってどんどん金を増やしていったわけですな。続きを読む

    投稿日:2016.08.20

  • kakabalika

    kakabalika

    このレビューはネタバレを含みます

    江戸時代は人口停滞の時期があり、その時の改革に取り組んだ二宮金次郎の話の紹介。
    人口白書1974年には人口抑制が言われている。
    1991年に輸送人口は減少をはじめていた。
    二宮金次郎の書いている本は孔子の大学。
    移民は土地に執着がないので夜逃げする。
    一地域の改革に成功したが、藩の改革までいくには環境の違いがあって厳しかった。官僚の抵抗に合う理由を知ることが必要。

    レビューの続きを読む

    投稿日:2016.01.12

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