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松平千秋 / 岩波文庫 (27件のレビュー)
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総合評価:
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けんご
上巻でアキレウス(アキレス)とアガメムノンの言い争いからアキレウスが戦線離脱し、ギリシャ勢は奮闘するもトロイア側が優勢に。 トロイア方の大将ヘクトルに親友が討ち取られたことを知ったアキレウスが満を持…して戦線復帰し、ヘクトルを倒すところで終わり。 読み始めは理解が追いつかなかったのですが、物語開始時点でなんと、このトロイア戦争勃発から10年目だということ。それは分からん そしてこの戦争のきっかけとなった出来事を計画したのが神ゼウスで、その理由は人間が増えすぎたから人間同士で争わせて人口を調節しようという、まぁ身勝手な動機。 神々の意思の前では人間なんてちっぽけな存在なんだと、跪きたくなるような気分になってしまいました。 オデュッセイアにいきます。続きを読む
投稿日:2023.12.26
サマ
このレビューはネタバレを含みます
読み終わって、えっここで終わり!?という感じ。戦争の途中から始まって、途中で終わってしまう。主人公というべき存在のアキレウスの怒りから始まる物語ではあるが、再三予言されるその死までは語られず…と、ちょっと消化不良感がある。食事や火葬の手順が細かく書かれていたり、麦の刈り入れや野獣に食われる羊など、当時の風俗をうかがい知れる例えの描写は相変わらず面白いけども。 アキレウスがかなり頑固で残忍なので(特に仇の死体を何日も馬車で引きずり回すのはドン引きした)、個人的には敵方の完璧兄貴ヘクトルのほうが好感度が高い。親や嫁の嘆きようも哀れを誘うが、お父さんたら他の子に「お前らがヘクトルの代わりに死ねばよかった!」って、それは言っちゃあおしまいだよ(笑)。どうせならへたれの弟がヘクトルの仇を打つところまで読みたかったなあ。「オデュッセイア」は戦後の話のようなので、トロイア戦争のあらすじが追えるような本を探してみようかと思う。
投稿日:2023.07.29
ゴリゴリくん
YouTubeでゲームさんぽを見て、面白そうって思って購入したものの、数ページで難しすぎ!って白旗上げて投げてたやつ。 その後のイベントで解説されていたのを聞いて、「なるほど!」となり、無事「めちゃくちゃ楽しめたヤッター!」となりました。私にとっては読むのにある程度の事前知識が必要だった本。 パトロクロスが殺されたあとのアキレウスは例外として、他の面々はどの場面でも割と理性的なのに、当然のように殺しあって次々と退場していくのがやるせない。戦争嫌だね。 現代人的な価値観のままでも感情移入しやすかったからか、アンドロマケにとても同情してしまって、そこでも戦争嫌だぜ状態になりました。 なんかこう、運命がどこかでガラッと変わって皆で平和に生きていきました〜みたいな、ゲームで言うところのトゥルーエンド的ストーリー、どっかにあったりしませんかね?
投稿日:2023.06.17
ゆうたろう
さすがにアキレウスとヘクトル、両軍のトップがぶつかり合う後半の展開には燃えた。 徐々に物語を加速させ盛り上げていく構成力には、ホメロスの作家としての優れた手腕が発揮されている。 親友パトロクロスの死に…キレたアキレウスが戦場に赴くという、少年漫画的展開を紀元前の時点でやるとは、ほんと男って変わらないな。続きを読む
投稿日:2023.06.10
wata9
戦いはスプラッター気味だが、ときどき日常生活的な比喩が出てきて面白い。 アキレウスは少し頑迷すぎる。ゼウスは適当に介入しすぎ。
投稿日:2023.02.20
一条浩司(ダギナ)
トロイア戦争の最後までは描かれず、アキレウスの物語として幕を閉じる。トロイの木馬が出てこないのは残念。 ゼウスの厳命により神々が人間の戦争に手を出せなくなるなか、ヘレの謀略とポセイダオンの暗躍が目を…引く。女神テティスとの約束を守るべく、ゼウスが戦争のシナリオを緻密に組み立てているのには笑った。すべては彼の手のひらの上といわんばかり。 アキレウスが失意から立ち上がり、神ヘパイストスが新たに鍛えた最強武具を装備して戦いに赴くシーンは、ファンタジーとしても戦記ドラマとしても盛り上がるところ。やがて傍観していた神々も戦闘への参加を許され、人神入り交じった戦争のスペクタクルのあと、本作最大の見どころ、アキレウスVSヘクトル戦へ突入。このあたりは映像的でアツイ。 パトロクロスに対する人気、その慕われっぷりには苦笑してしまうが、最終的にはアキレウスが恋愛よりも友情を重視していることが、この物語を薫り高いものにしていると思う。もともと女の取り合いから始まっているだけに(戦争もそうだが、彼個人としても)、人物の成長が見てとれるのだ。 終盤の葬送競技は8種目?ほどあっただろうか。現代の日本にはない習慣であり、葬式でいきなり陸上競技みたいなのが始まって面食らったが、興味深いところではある。 人名多さ故の読みづらさはあるものの、多様な人間の感情が盛り込まれたドラマの結晶は普遍的な魅力を放っており、数千年を隔ててなお失われないその輝きに感動するほかはない。続きを読む
投稿日:2022.09.27
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