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半藤一利, 出口治明 / 祥伝社 (23件のレビュー)
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ginkan2
このレビューはネタバレを含みます
「維新」とは新政府が後につけた正当化の呼び名。阿部正弘のグランドデザインと引き継いだ大久保。伊藤、山縣の権威付けに利用された吉田松陰(この人へも低評価)。統帥権が西南戦争からの山縣の発想で帝国憲法前にできていたとは知りませんでした。世界を見てきた者と内しか知らない者。権力に対する執念の有無。これまでは新政府側からの時代小説やドラマで語られることの多かった「明治維新」。確かに最近幕府側からのストーリーも増えてきましたね。その方が公平で立体的に考察できますね。やはりこの時代は面白い。お二人の対談、グッド。
投稿日:2024.03.21
麻阿
全体を通してめちゃくちゃ面白かった!! 読みやすい。 賛否両論あるんでしょうが、 明治維新が教科書だけで記されるような輝く歴史ではないとは思うので、その辺りもきちんと理解できる歴史書になっているかと。 第1章: ペリーのルートが那覇→小笠原諸島→江戸 江戸がダメなら、沖縄か小笠原諸島を港にしようと目論んでいた。 ペリーの来た理由: これまでは、蒸気船の燃料である石炭の補給地、捕鯨船の寄港地にしたかったというのが最有力だったが、それよりはシーパワー=自分達の国益のために太平洋航路を開く、というのが最大の目的という見方。 日本人の、「起きて困ることは起こらない」という見方も面白いなぁ。太平洋戦争も同じという半藤氏。 阿部正弘の開国への決断、有為な人材登用、講武所などの作成が、明治維新の「開国、富国、強兵」のグランドデザインを描いたという見方も面白い。 ただ先鋭的すぎて、民への意見も求めた結果、尊皇攘夷派が台頭してきたというのも、 なるほどそういう見方もあるか、と。 本当にこの人が長生きしてただけで歴史は変わったんやないやろうか。 第2章:賛否両論あるんやろうが、薩長が関ヶ原以来の幕府への恨みという一点だけで繋がり、明治維新という名の武力革命を起こしたというのは 面白いなぁ。 というか、そんなに長い恨みを持てるのか人は、とも思うんだが(笑)正月挨拶のたびに、殿、(関ヶ原の)仇討ちはまだですか、と聞いてたという話も面白い。 あと、ビジョンや理想を描くのが得意な人と、それを実現するのが上手い人とは分かれるというのも納得。坂本龍馬や大久保利通は後者だったと。やっぱり西郷さんはその点、理想主義なんやろうな。。 毛沢東と似ているというのはなかなか納得。笑 第4章:シビリアンコントロール(軍人以外が軍隊に対して最高指揮権を持つ。文民統制) が、山縣有朋が西南戦争をきっかけに外していったとは。 直接的でなくても、これが軍事国家に向けての伏線になっていったのは納得。
投稿日:2022.07.03
tr26
奇跡の人材登用が生んだ日本の近代化 〜開国→富国→強兵のグランドデザインと武士階級の自己改革〜 ■概要 作家の半藤さんとライフネット生命創業者の出口治明さんの対談。薩長栄光の歴史とされる明治維新を…幕末の動乱の時期から、各藩/各人の思惑に焦点を当てることで、明治維新をどう観るかを問いなおす。明治維新を見なおすことは、人間ドラマにとどまらず、人材登用や複雑な利害関係者との交渉など、現代社会にも多くの示唆を与える。 ■所感 明治維新をよく理解していなかったが、歴史作家の大家である半藤さんと、歴史と哲学に精通し"啓蒙経営者"と呼べる出口さんの知見から明治維新を学びなおせる。薩長、坂本龍馬、岩倉使節団くらいしか知らなかったが、各人の明治維新において果たした役割を学べた。 ただ歴史をなぞるのではなく、現代の意思決定に学べる要素が大きい。情報収集から情報公開の大切さ、人材配置などはいつの時代も肝になる。 歴史は勝者が作るというのが、明治維新(薩長革命)にも当てはまると痛感。 ■詳細メモ ・明治維新(明治政府誕生)は薩長の暴力革命 関ヶ原の戦い以降の200年の禍根を薩長が晴らした、それが明治維新。幕府の開国決定が尊王攘夷につながったものの、攘夷は無理と判断した薩長が尊王倒幕に傾いた。 そもそもの尊王は、家康?が廃止した「幕府が朝廷にお伺いを立てます」を復活させたあたりから始まっていた。攘夷は開国に伴い生まれたが、薩英戦争と下関戦争で海外の実力を知り断念。まず倒幕が作家の目的に。 ・ただ人材登用は抜群 たとえ薩長を中心とした西軍(官軍)びいきの人材配置でも、奇跡のピースがピタリとはまった。狭義の明治維新かつ(武家政治終了)は暴力革命でも、広義の明治維新(日本の近代化)は当時の素晴らしい人材とその登用術のおかげ。 ・活躍したのは誰か? - 勝海舟の様に幕府側からも支えた人が。〇〇人に入るのは薩摩人、京都人などが当時の概念だったのに対し、初めて「日本人」を概念にした。幕府と薩長で争っている場合ではない、と一気に人々を啓蒙した。 - 隠れた構想家、阿部正弘。グランドデザイン。出口治明さんが選ぶ功労者第1位。 - 坂本龍馬はアイデアのパクリスト、ただ構想力とコーディネート力が抜群。秀吉やビルゲイツタイプ。 - 大久保利通は阿部正弘の構想(グランドデザイン)を実行に移した、視座が高い。出口治明さんが選ぶ第2位。 - 伊藤博文や山縣有朋は"小粒"。それでも伊藤博文は日露戦争の落とし所をわきまえていた、現状把握ができる人。山縣有朋はシビリアンコントロールを日本から無くした。統帥権の独立が後の大戦の悲劇に - 徳川慶喜はよく分からない。鳥羽伏見の戦いで錦の御旗を見ただけで撤退したのは謎 - 岩倉具視は謀略家の腹黒(かなり悪く書かれている)。ただ岩倉使節団は明治維新に寄与した。(倒幕後の国家隆盛に欠かせない) - 西郷隆盛は革命家。毛沢東に近い(詩人であり農本主義、ロマンチスト)。だから革命後の政府で上手く立ち回れなかったが、革命には欠かせない人。 ・明治維新の成功の要諦 阿部正弘が「開国→富国→強兵」の順に進めようとしたこと(出口さん)。日本には資源がない、しかも鎖国で海外の情報ない。だからまず開国しないと富国も強兵もできない。 なお、日露戦争以降、日本が誤った道に進んだのは「閉国」路線を歩んだから(司馬史観に近い)。これでは海外の正確な情報つかめず、兵器開発や戦術面でも劣る、だから大和魂と白兵戦法のゴリ押しで大戦では悲劇を生んだ。 開国後の吉田茂は「強兵」をアメリカに任せて、開国と富国に集中。これが戦後復興に寄与した。 ・勝海舟、西郷隆盛らの自己改革 武士階級が封建社会と決別しようとしたことも忘れてはならない。自己改革できる覚悟ないと「維新」は成し遂げられない。これも阿部正弘がアヘン戦争の現状を知っていたからこそ、開国やむなしとできた。ただそれを受け入れた幕府側の武士(阿部もその一部だが)の功績、勝海舟こそ立役者。(半藤さん) 続きを読む
投稿日:2021.12.18
ミッシェル
読みやすい! 対話形式なので読みやすさは抜群、するすると頭に入ってきます。 仕方のない事ですが、贔屓目で見ている部分が多々見受けられるので、読み手は注意して読む必要があると思いました。 内容は本当に…素晴らしく、より幕末について詳しく知ることができました。続きを読む
投稿日:2021.10.10
タラフリ
非常に面白い!幕末、明治期を深く知ることが出来る本です。河井継之助の長岡藩が好きだったのですが、何故薩長軍と戦わざるを得なくなったのか、腑に落ちました。
投稿日:2021.10.04
hayakawa91
明治維新へ繋がる歴史を変えたのは龍馬さんだと思っていたが。。竜馬がゆく、に影響されている。 お二人の対談から、幕府の阿部正弘であり、世界を見てきた大久保利通なんだとか。で、長州の人たちがこの国をダメにしたとか、特に山県有朋。色々と勉強になりました。開国、外に目を向けておくことが大事!
投稿日:2021.02.13
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