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松井今朝子 / 文春文庫 (9件のレビュー)
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kimikokumiken
昨年の12月から読み出したのに、なかなか読み切れなかった本である。 活字も大きく、すぐに読めてしまうだろうと、思っていたのだが・・・ 円朝という偉大な落語家の話なのだが、、、、売れない(?)弟子が…、語り手のように、物がっていく。 テンポの良さに、最初は、ググっと引き込まれて行った。 噺家とお姫様のような旗本のお嬢様の女性。 円朝の息子、、、後に勘当されるのだが、その母親。 吉原の花魁。 引く手あまたの柳橋の名妓から正妻になったお幸さん。 そして、円朝の養女の娘たちと、最後まで世話をした娘。 この時代を風靡した落語家の円朝が、人脈が凄いのに驚かされる。 そして、そのパトロンでさえ、芸を磨かすのに、お金を惜しまない所が、凄い時代だったのだと、、、、。 読んでいて、実物像が、どんなであったのでだろうと・・・と、そして、その時代の身分の差の結婚に、やはり、越えてはいけない範疇が、あったのだと、、、感じてしまった。続きを読む
投稿日:2020.01.16
gaaco
落語が好きで、「塩原多助」も、「真景累ヶ淵」も、昔、『明治文学全集』で読んだことがある。 まったく読んだことがない作家の作品だけれど、数年前からずっと気になっていた。 円朝のおかみさんとなったお幸、…円朝の子を産んだお里、ひょんなことから関わりを持った長門太夫、養女お節などの女性たちとのかかわりを通して、円朝の半生が浮かび上がってくる仕掛けの小説だった。 それを語るのは、円朝の弟子で、今や本業では食いあげて、五厘という、芸人にくっついて上前をはねる仕事(今でいうならマネージャー?)となった八。 まず印象的なのは、本当に聞こえてくるかのような、歯切れのいい江戸弁。 これに惚れ惚れしてしまう。 江戸っ子の痩せ我慢や、そこに根差す粋。 絶対自分には無理(笑) 円朝の語り口がどんなものかも描かれていて、想像を掻き立てられる。 怪談になるとわざと声を細めて粘っこい話し方をする、なんてある。 小さな声でもよく通った、などとも書いてある。 どんな風だったのだろう。 タイムスリップして聞いてみたい。 怖がりで、だからこそ怪談話に強みがあったという分析も面白い。続きを読む
投稿日:2017.10.15
jitan
内容(「BOOK」データベースより) 時代の絶頂を極め、近代落語の祖と言われた大名人・三遊亭円朝と彼を愛した五人の女。江戸から明治に変わる歴史の大転換期に生きた彼らの姿、いつの世も深く果てない男女の仲…を、語りの名手がいま鮮やかに炙り出す―全盛を支えた名妓から、淋しい晩年を看取った娘分まで、女を活写する傑作時代小説。続きを読む
投稿日:2015.07.29
ぶくろろろ
伝法な口調の「語り手」の地の文のおかげで、とにかくスピード感を持って読める。 主人公は円朝自身ではなく、あくまでその周辺の「女」であることが 他の円朝ものとは違う利点。 うむ面白い。 いろんな…女。 ただ決め手に欠ける。 そんな読後感。続きを読む
投稿日:2013.11.26
misachi68
このレビューはネタバレを含みます
江戸末期から明治まで、近代落語の祖と言われた大名人、三遊亭円朝と関わりの深かった女性たちを、身近にいた五厘の目線で噺家の語り口で綴る。 面白かった〜。 落語のことはほとんど知らないのですが、 噺家の生活、江戸時代においては身分などもなかったこと、 吉原のこと、明治になってからの戦争のこと、 鮮やかに情景が目に浮かぶほど細やかな描写で、 それでいて噺家の語り口なので飽きずに楽しく読めました。 円朝を愛した女たち、吉原の花魁、芸者、旗本の娘、など、 複雑な心情を側で見ていた語り手の優しさがいい。 円朝の本心はわからないけれど、語り手が円朝の表情を 話すだけで、その空気感が伝わってくる。 絶頂を極めた円朝も晩年は寂しい様子だったことも描かれる。 庶民の目から見た時代小説。 傑作です。
投稿日:2013.08.17
misaty
円朝の弟子が語るという設定。落語家の話を聞いているようで読みやすかった。出てくる女性はタイプは様々だけど、一所懸命で可愛い。
投稿日:2013.07.14
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