【感想】くちびる遊び(新潮文庫)

花房観音 / 新潮文庫
(6件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • pokke

    pokke

    久々の花房作品。文豪シリーズ第二弾。『女禁高野』神聖な高野山と妖艶な雰囲気を醸し出す宿坊、美しい僧侶と官能的な行為、それらのギャップが何とも言えないエロスを増幅させる。舌を絡めるキスで「口の中でも、感じてしまうなんて初めて知りました」『悦楽椅子』は乱歩の良さに官能増し増しって感じで、理解し難かった変態性欲もありなのかなぁと思わせる。ラストの一言は秀逸。あとがきで「乱歩と谷崎潤一郎の小説は挿入だけがセックスじゃないのだと教えてくれる」と。歳を重ねた今、その通りだと思う。続きを読む

    投稿日:2022.12.30

  • ミイ

    ミイ

    こういうのを初めて読んだ。女性作家さんとは知らなかった。
    どこか劣等感を抱えている登場人物たちの鬱屈して歪んだ心の描写がいい。「愛しの舞姫」で罵倒されてるところとかがいい。
    背徳感とか破滅の予感とか、そういうのがもっとあるとよかったかなあ。わりと纏まりのよい結末が多い感じ。続きを読む

    投稿日:2022.12.08

  • ramunesaitodot

    ramunesaitodot

    森鴎外「舞姫」
    泉鏡花「高野聖」
    太宰治「駆込み訴え」
    江戸川乱歩「人間椅子」
    与謝野晶子「みだれ髪」

    最初に最後まで読んだものがあるだろうか。
    まあ毎度のことだけれど、
    内容をしっかり覚えているのは1作もない。
    「人間椅子」と「駆込み訴え」は、
    読んではいると思うのだけれど。

    いずれも日本文学史に名を残す名作。
    いつの日か一度は読んでみたい。
    文学作品というと敷居が高い。
    高尚でズシリと響く重さ。
    気楽に読むことはできず、
    心して、正座して読まなくてはいけない。
    そんな気がしてしまう。

    そんな人にお勧めなのがこの1冊。
    「愛しの舞姫」
    「女禁高野」
    「タレコミ訴え」
    「悦楽椅子」
    「みだら髪」
    と名を変え、官能小説へとオマージュされている。
    いったい何をもって文学といい、
    何をもって官能小説というのか。
    巻末裏表紙には、官能小説とは書いてなく、
    欲情短編集となっている。

    もちろん欲情を呼び起こすのだけれど、
    それ以上に滑稽味にあふれる。
    人間の欲情とはいくところまでいくと、
    面白おかしく滑稽なのかもしれない。
    作者もそれを意図しているところがある。
    高潔高尚なんてクソくらえ。
    無様にまっすぐに正直に生きろ。
    そんなメッセージが聞こえて来る。
    さあ、どっちを選ぶ!?
    続きを読む

    投稿日:2022.08.31

  • hito-koto

    hito-koto

     花房観音「くちびる遊び」、2017.11発行、「花びらめくり」に続く文豪官能シリーズ第二弾、古典的名作を官能小説にアレンジしたもの。愛しの舞姫、女禁高野、タレコミ訴え、快楽椅子、みだら髪の5話。元の名作がわからなかったのは、タレコミ訴え。太宰治の賭込み訴えだそうです。この本ではBL風でした。乳房に顔を埋めるか、椅子になって尻に顔を埋めるか、そんな比較、生きてるうちにできるかな(^-^)続きを読む

    投稿日:2021.02.17

  • tantan

    tantan

    文豪官能シリーズ第2段!ww
    若干、ホラーとかブラックコメディの要素を含んでいるような?w
    男の嫉妬、コワイわー。ま、女の嫉妬もコワイですけどwww
    肝心のエロは・・・ま、お楽しみくださいww

    投稿日:2017.12.30

  • パラボス

    パラボス

    2017年、41冊目は花房観音、近代文学を、現代官能にアレンジ、remixさせた、文豪官能シリーズ、第二弾。

    今回はタイトルと一言紹介を。

    愛しの舞姫:男の嫉妬話、その①。

    女禁高野:孤独の都会と滾る山野。

    タレコミ訴え:男の嫉妬話、その②、BL編 with 言葉遊び。

    悦楽椅子:性癖話、素晴らしいオチ付。

    みだら髪:文学同人誌の歪な三角関係。

    前作『花びらめくり』が良かったので、予約購入……、のはずが、予約した書店が発売日オーダーかけてなかったと発覚。2日遅れで入手。

    今回、気に入った順では「悦楽椅子」『みだら髪」「女禁高野」この3編は文句無し。完全に好みの問題。「愛しの舞姫」「タレコミ訴え」が続く感じ。 久々の1日、一気読み。元ネタ知らずの文学音痴でも楽しめる、面白さ。評価★★★★☆の価値は充分。
    続きを読む

    投稿日:2017.10.31

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