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ケント・ギルバート / 角川新書 (6件のレビュー)
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ikki1982
憲法にまつわる話を歴史から読み解き、法律家である著者の視点も絡めています。難しい部分も多いですが、すべての日本人が理解するべき内容に感じました。 やはり、憲法がおかしいせいで、日本はまともな外交ができ…ないのでしょう。その辺の議論がもっと進まないと、著者の言うように、やがて日本はなくなってしまう気がします。続きを読む
投稿日:2023.09.02
mylte
このレビューはネタバレを含みます
図書館の本 読了 内容(「BOOK」データベースより) 安倍首相がロードマップを引いたことで、憲法改正は国民にとって最大の争点となるだろう。日本人よりも日本の歴史と政情に精通した米国人弁護士が、日本国憲法の出生秘話や世界の憲法事情を踏まえて改憲論争の核心を語る。 このあたりは結構理論武装できてきたけれどまだまだ弱いので勉強中。 でもこれはかなりいい論理が手に入ったし、読みやすかったので助かりました。
投稿日:2018.08.28
「おやっさん」
日本国憲法の出自については、日本人がいままでに縷々説明してきたところである。 この本は、縁あって日本に来て、日本をこよなく愛するアメリカ人、それも法律の専門家が書いた日本国憲法に関する本だ。 憲法学者…のただ単なる解釈の為の解釈は、辟易していたところだ。 人間が創る・また創ってきた歴史は、動態的に、また、俯瞰的に分析しなければならない。 憲法学者の飯のタネのためにあるのではない。 ということで、中身であるが、 序章 いまだに蔓延る日本国憲法の勘違い なぜ日本人は憲法への誤解を続けるのか 勘違いその一「憲法第9条が戦後日本の平和を守った」 勘違いその二「日本国憲法は日本人がつくった」 勘違いその三「日本国憲法は制定後、 改正されていない」 勘違いその四「政府解釈よりも憲法学者の見解が 正しい」 第1章 東アジアの国際情勢を直視せよ 第2章 知られざる憲法出生の秘密を暴く 第3章 海外憲法が教える憲法改正の本質 第4章 改正反対を語る人たちの嘘を論破する 終章 私の愛する日本を守り抜くために 平和は、一国家がお祈りするだけでは、到底実現するものではない。 相手国があり、それそうおうの駆け引きがあり、リスクも背負いながら、果敢に攻めて勝ち取るものである。 たまたま、戦後、パクスアメリカーナという時代が続き、日本の平和が存在したような気がしているだけであり、アメリカ自身も、戦勝国として日本が二度と立ち上げれないような憲法を押し付けて、しまったと思ったのである。 また、日本人・日本社会を洗脳しすぎ、やり過ぎだと認識しているにもかかわらず、くそ真面目な日本人・日本社会はいまだにその癖が直らない(悲)。 人間のすることだから100%正しいということは絶対あり得ない。 ものごとを動態的にとらえるための「法」はどうあるべきなのか、大人になって考えなければならないのは自明のことだと思うのだが・・・続きを読む
投稿日:2017.11.03
小田 浩彦
◆昔、大学で習った日本国憲法の制定史で忘れていたことを思い出した。日本国憲法案を作られた際(1946年2月)に、国連常設軍構想があり、国連軍が紛争を抑止し、侵略戦争がおきても直ちに国連軍が対応できる。…だから普通の加盟国は自衛権すら必要ないという理想論があった。しかし結局は意見がまとまらず国連軍に関する検討は1948年までに打ち切られたと。 ◆憲法の改正について、選挙制度も憲法の一部であるので、日本では選挙区定数・投票方式等の変更があったのだから、この点では憲法が改正されたという見方もあるという指摘は割と新鮮であった。続きを読む
投稿日:2017.10.31
kun92
最近ケントさん、新刊のペースが早い。 憲法と、日本国憲法についての考え方がよくわかる。 日本のガクシャは、現状肯定と肯定するための解釈しかヤンないのは学生の時からぼんやり感じていた。 倉本さんの本…もそうだったが、そもそも、どういう国にしたいかっていう議論をしないといけないのだ。 ま、同じ顔して、邪魔して、隣国に国を差し出したい奴らが紛れ込んでるのが日本だし、その枠組みを作ったのは米国だ。 検討すること自体が悪、というヒステリーだけは絶対間違っている。続きを読む
投稿日:2017.08.20
wearhamboatclub
2017年、雨ばかりの夏休みに、読了。 ケントギルバート氏が、改憲の必要性を訴えている本。半分は彼の主張が書かれ、もう半分は、日本国憲法制定の経緯や、海外諸国における憲法や改憲のありようを書き示す内容になっている。 改憲や安保法制(集団的自衛権)に関する意見・立場には大きく2つ分かれると思うが、 (1)平和主義のあり方 ①日本が軍事力を持つこと、それらを行使する意志を持つことは、他国への挑発となり、軍拡競争を誘発し、平和を遠ざける ②日本が軍事力を持つこと、それらを行使する意志を持つことは、他国への抑止力となり、平和を近付ける (2)アメリカとの関係 ①これまでも、日本は盾(守り)、米軍は矛(攻め)の関係で平和が保てており、これ以上、日本自らが何らかの武力行使を行う必要はない ②これまでは保ててきた日米関係も変わろうとしている(米国の退潮)。今後も日米関係を保つためには日本がこれまで以上に積極的な武力行使を行えるようにしなくてはならない 本書は、(1)(2)ともに、②の立場をとっている。とくに、北朝鮮や中国をこれ以上のさばらせないためには(日本という国を国境や国益を守るためには)、改憲が必要、という立場だ。より具体的には、 (1)においては、隣国が現状維持を求めている場合は①となるが、隣国が国境を越えようとする野心を持つ場合には、むしろ②であり、現状の中国や北朝鮮は国境を越えようとしている、という考え。 (2)においては、アメリカは退潮しており、これまでのように世界の警察たろうとは考えていない。特に大統領がトランプになってからはより合理的かつ大胆な判断を行うようになっており、日本がある程度の譲歩を示さなければ後ろ盾をうしなうリスクが有る、という考え。 いずれにしても、日本は米軍の庇護の下にある、これは間違いない。従って、軍事的に自立するか、これまで通り庇護されるか、米国の庇護を抜け出てもなお軍事力を持たない(丸裸)か、選択肢は3つしかない。これからも庇護されるように進める他、ないだろう。 思想面では、日本の平和憲法が、日本や世界の平和に寄与してきたか?或いは今後、寄与しうるか?ということにつきる。 答えは否、だろう。日本の平和を守って来たのは米軍の抑止力であるし、今後も含めて日本が丸腰だからと言って世界が平和になるとは思えない。世界で唯一の被爆国として、戦争の悲惨さを知る国として、日本にしかできないことがあるのではないかという考えは分かる。そうありたいと思う。しかし、現実は、肉食動物が跋扈する世界で、自分だけは闘う能力が有りません、といっても、それは食べられるだけのことだ。「やめようよ戦争なんて」といったって、尖閣諸島や竹島は現にやられているわけだし、例えばロシアでも中国でも北朝鮮でも良いが,攻め込んできたときに「自衛だけ」をして、向こうの国に対してなにもしません、ということでは、すまない。というか、日本という国が徐々にむしばまれていくだけだろう。それでもいいのか。日本はこれまで、建国以来ほろんだことが無い。そういう意味で日本の人達は「平和ボケ」しているのだろう。「何とかなる」とたかをくくっているのだろう。でも、本当に国が滅ばんとし、家族がちりぢりになり、国土が失われようとした時、「いや、これで世界が少しでも平和になれば」と思えるだろうか。自分のことは自分で守らなければ。これまではアメリカがやってくれたし、これまでもやってくれるならそれに越したことはないが。 <その他の備忘録> ・東京裁判はおかしい。敗戦したからと言って突然指導者が死刑、とは。「人道への罪」って原爆だってそうじゃん。やりすぎだよ。 ・日本は無条件降伏じゃなかった。ルーズベルトが死んで、徹底抗戦、皇室廃止が退き、今の日本への道筋が出来た。 ・マッカーサーが天皇制継続を判断した。これがなかったら、日本はどんな道をたどっていたのだろうか。 ・国連憲章のたたき台となった「ダンバートン・オークス提案」では、より強大な国連軍を配備すること(それを安全保障理事国が指揮すること)が盛り込まれていた。東西の対立によって夢と消えたが、これが実行されていたら世の中はどうなっていたか。 ・日本の「戦力不保持」は、上記の強大な国連軍思想が前提となっていたという。たしかに、でなければアメリカにとって片務的すぎるか。 ・トルーマンは原爆を落としたかった。だからポツダム宣言に天皇制についての記述をせず、日本が受け入れない状況を作った。で、1カ月もしないうちに原爆を落とした。 ・国連憲章には、未だに「枢軸国」に対する条項(通称、敵国条項)が存在する。第53条、107条、77条の一部であるが、特に53条では「第二次世界大戦中に連合国の敵国であった国が、戦争により確定した事項に反したり、侵略政策を再現する行動等を起こしたりした場合、国際連合加盟国や地域安全保障機構は安保理の許可が無くとも、当該国に対して軍事的制裁を課すことが容認され、この行為は制止できない」としている。
投稿日:2017.08.16
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