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TONO / 楽園 (1件のレビュー)
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『黒犬』の優樹
ひでぇ内容だ、イイ意味で(笑) その気は全く、一切、微塵もないけど、表紙詐欺の罪でTONO先生を訴えたら勝つ自信あるわぁ、私 褒めるつもりで言うが、昭和臭が漂う古臭い絵柄と、現代人に合わせた黒い笑いを…盛り込んだショートストーリーのギャップが凄くて、逆に相性の良さを生んでいる これまた、私が深読みしすぎなのかも知れないが、笑える内容ながら、現代人の愚かさを皮肉っている風刺の気配もあり、えもいわれぬ深さも感じた しかし、ちょっと残念だったのは、『西遊筋』(OTOSAMA)と同じく、押しの弱さを感じてしまったコト。TONO先生自身は、100%を出しているつもりなのかも知れないが、読み手からすると、「腰が引けてるなぁ」と感じてしまう。「全力で打って来い」とミットをベストポジションに出しているのだが、今イチ、芯を捉えてないパンチがある (1)と入っているのだから、恐らく、(2)が出る可能性は少なからずあるのだろう。次巻では、もうちょい、思い切って、私らにぶつかってきてほしいもんだ。こっちも受け止めて、投げ返す用意をしておく 表題作の『ウサギコットン100%』は、動くぬいぐるみ、と言う設定こそホラーのド定番なのだが、主役のウサギの性格が悪いっつーより狭量で傲慢が過ぎるからか、最早、怖さなど一欠けらもない。そんなウサギが周りの人間に迷惑をかけ、時に偶然のラッキーを齎しているだけの内容で、彼女(?)の独壇場かと思われがちだが、他の呪いの人形も、負けちゃいない・・・勝ってるかも微妙だが 短編の方で、私的にお勧めなのは、「文字」である。人や物に、物事の本質を告げる文字が浮かび上がっているのが見えるようになったって設定が面白い。そこが、消化不良感が却って可笑しさを強めているラブコメに繋がれているトコもイイな この台詞を引用に選んだのは、捉え方によっちゃ深いな、と思ったので。発泡ってのは、ややオカルトだが、人間が他者に対して感じる魅力はそれぞれだ。ある人は髪の匂いに、ある人は喋り方、ある人は書く文字、と惹かれる箇所は千差万別だ。顔の作りなどではなく、自分が持つ長所に惚れてもらえた人間は恋愛面では幸せ、と言えるだろう続きを読む
投稿日:2016.06.23
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