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広瀬正 / 集英社文庫 (26件のレビュー)
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「パラレルワールドSFの金字塔 もしもあの時、ああしていれば……。一人の女性歌手の半生を振り返って、実際にあった過去とありえたかもしれない過去が錯綜する。二つの「昭和」を鮮やかに描くSF傑作長編。(解…説/小松左京)」続きを読む
投稿日:2023.12.01
ますたぁ
女優の過去を振り返る、昭和のパラレルifストーリー 歌手デビューから37年のベテランシャンソン歌手 橘百合子 雑誌のインタビューをきっかけに、契機となった出来事を思い出す 田舎から上京してきてからの…回想と、「もしあの時違う選択をしていたら?」という「もう一つの過去」、そして「現代」が入り乱れて描かれるパラレルストーリー 「マイナス・ゼロ」と同じく、昭和初期の風俗が細部にわたって描写されている 今回はテレビの開発に関する情報が細かいところまで言及されている まぁ、興味がなければそこの描写は読み飛ばしても良いのではなかろうか そして、同じ時代の物語という事で、「マイナス・ゼロ」の登場人物達もちょっと登場 こんな作品同士に繋がりを作る作家さん好き ヌードモデルの事務所に行くか、映画を観に行くかという選択という分岐点 歌手になったきっかけは、映画館を出た後に車に泥をかけられ、音楽プロデューサーとの繋がりができたから その場合、いい感じになっていた青年は友人との諍いが原因で盲目になってしまう もしヌードモデルになっていた場合、後に青年が連れ去りにきて、一般的な結婚をする 青年はテレビの技術開発の仕事をする事になるが、戦争が夫婦にも影響を与え…… 最後のところで、「そういうことかー」としてやられた感のある事が明らかになる 個人の選択が与える未来の可能性ってとても大きいのですねぇ…… 新たな技術の発見や開発には、そのきっかけとなる人の想いがあるわけで もし、その人の想いがなければ誕生しなかった技術なんですよねー タイトルの「エロス」は青年の作曲した歌の名前 どちらの選択でも誕生していたであろう曲 ってか、広瀬正作品はタイトルで損してると「マイナス・ゼロ」で書かれてたけど、この作品が一番損してるんじゃなかろうか? 作品の内容はまエロチックなところはないのにね ヌードモデルになるところはあるけど、それとて官能小説のような表現はされてないですしね そう言えば、歌手のモデルはヌードモデルをしていた経歴を持つ淡谷のり子らしい 私としては歌マネの審査員で厳しいコメントをする人というイメージしかないですけど、全盛期にはものすごい人気だったのでしょうねぇ続きを読む
投稿日:2023.02.21
キョー
このレビューはネタバレを含みます
マイナスゼロに続いて2作目。 著者のSFは本当に面白い。 しっかり楽しませてくれる。 パラレルワールドをどう表現するんだろう? と興味からどんどん読んだ。 最後まで読んで、あ、そう来たか!と思わせる 展開さすがです。 また解説にもあった通り、物語のディティールへの こだわりをとても感じた。 マイナスゼロの世界観に近いと思ったら リンクもしてくれたし。 でも「風立ちぬ」の菜穂子がこんなところで 出てくるとは思わなかったなぁ。 風立ちぬの映画観る前にこれ読んでたら テンション上がったかも!笑 面白かった!
投稿日:2020.07.27
m0-0
別の時間を生きる人間に、著者の生きた時間を追体験させてくれるかのような表現力の凄さはこの作品も例外ではない。この人の作品を読んでいる間は、自分自身もタイムトラベラーになったかのような錯覚を覚える。
投稿日:2019.10.23
bukuroguidkodama
品のある文章と『マイナスゼロ』に同じく昭和初期の描写が楽しい が小説として面白いかというととても微妙 いっそ『遥かな街へ』で良いと思う
投稿日:2019.01.12
風みどり
タイトルはなんだかなぁだけど、中身は安心して読める恋愛小説(?) 知らない昭和の時代が勉強できる。 著者自身もちょっと顔を出す。 あ、「マイナスゼロ」のカシラにも再開できた。なんか、うれしい。
投稿日:2017.09.07
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