【感想】風土記の世界

三浦佑之 / 岩波新書
(7件のレビュー)

総合評価:

平均 3.5
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ブクログレビュー

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  • goemon00

    goemon00

    風土記を再読するために、本書も再読。
    曖昧な点もありますが、著者の視点は見所ありですね。
    日本書紀を日本書+(紀)とするのは、妥当な考えかただとおもいますね。この考えかたをベースに風土記や記紀万葉を読んでいくと納得点多いですね。
    著者が『古事記』前文偽書説を当書ではありませんが、興味深いところです。
    私は、現存『古事記』自体『日本書紀』よりずっと後世の改作だと思いますがね。
    現存の風土記と逸文をさらっと解説されているので次につながる1書だとお薦めできます。
    続きを読む

    投稿日:2023.01.23

  • shokuzaisetto

    shokuzaisetto

    風土記=「日本書」地理志の構想が頓挫したもの、という観点からの概説。「日本書紀」はあくまでも、中国にならった正史「日本書」のうち「紀」に当たる部分として構想されたというのが筆者の考えである。

    常陸国風土記にみるヤマトタケル伝承や出雲国風土記にみる日本海文化圏の痕跡など、興味深い内容が展開されており、行間からここまで読み取れることに感嘆した。であるからこそ、五風土記しか残存しないのが本当に残念という読後感も残る。続きを読む

    投稿日:2020.10.21

  • 杏の庭

    杏の庭

    このレビューはネタバレを含みます

    この当時から、中央と地方にはある種の明確な差があったのかと思うと面白い。

    記紀の間でヤマトタケルについて比べている本はいくつかあったけど、そういえば、風土記にもかの英雄は出ているのだと思わされた。

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    投稿日:2017.04.30

  • sazuka

    sazuka

    日本書紀は、日本書「記」、であって、日本書「志」、日本書「列伝」とあるはずだったのではないか、と著者は推測する。けれど列伝のような個人にスポットを当てる文化もなかったか、日本書紀だけがヒット(?)して、続編が編まれるようになる。

    さて、風土記だが、残念ながら全国あまねく、とはなっていない。だからかわからないが、日本の古い話を辿って行くと出雲国風土記にあたることが多い。

    本書にも紹介されている出雲国風土記は、成立年と撰録者がはっきりしている唯一の風土記だ。ということになっていたが、そこら辺にも著者は疑いをかける。本当に出雲発信のものなのだろうか、実は国守側がつくったのではないか…そのころからお上はそんなだったのかねえ。

    タイトルからは、もっと歴史的背景をビジュアル的に想起させるような文化語りかと思っていたが、ところがどっこい世界史であった(日本史?)。力のバランスによって実際に起ったこと、書物に記されたこと。この双方が歴史だ。果たしてどちらがただしいか。

    ともかく、思っていたのとは全然違ったのだが、風土記にこう書いてあった、ということをたどるよりも社会性が強くてずっと面白い。

    とはいえ、情報は無限にあるけれど自分の興味や知識でしか読まないから、ほんの片隅を齧ってわかったような気になっているだけだ、と著者の言葉。痛え〜。

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    投稿日:2016.08.12

  • koochann

    koochann

    公式史と異なるが続日本記に出てくる朝廷からの指示で編纂された書物から日本社会の実態を探る。常陸国風土記に出てくる「倭(ヤマト)武(タケル)天皇」は平安のうちに国を巡り歩いた!神功皇后も天皇として登場する。記紀との大きな違い。記紀と併せ、今まで知ることの少なかった8世紀初めの日本の姿を知る貴重な史料で、日本の古代の知らない姿が浮き彫りになる。常陸・出雲・播磨・豊後・肥前の5風土記の特徴も分りやすい。古事記と出雲風土記にあり、書紀にはあまり登場しない出雲神話の謎。カミムスミがちょっと間抜けな大男として出てくる播磨風土記。浦島伝説は500年頃から800年頃へ跳んだ浦島子!として書紀に登場するらしいが、風土記への記載がないのは残念!失われた他の風土記が惜しい!続きを読む

    投稿日:2016.07.15

  • kazubook21613

    kazubook21613

    いつもの三浦節。読みやすく分かりやすい。

    ただ、口語訳古事記が衝撃的だったので、読後の驚きはそれにはかなわない。勿論、新書という制約はあるのだろうけど。

    風土記が一部しか残ってないのは悲しい。多くは、完成せず、中央に報告されてないという事は考えられないのだろうか。全くの素人考えではあるのだが。

    ともかく、残されたものの全文を読んでないのでぜひ読みたい。

    やはり、日本書紀より古事記や万葉、風土記に親しみを感じてしまう。
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    投稿日:2016.07.01

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