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武石彰夫 / 講談社学術文庫 (1件のレビュー)
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このレビューはネタバレを含みます
他の本に追い越されながら2年ほどかけてゆっくり読んだ作品。 「今昔物語」の内容には文句はないのだが、解説がめちゃくちゃ過ぎて自分が編集なら(解説部分のみ)原稿を破り捨てそうだと思った。古典は、解説で素人の知識を補完してこそ物語をより楽しめると思っているので評価が3点になった。 今昔物語は天竺、震旦、本朝の仏教説話、世俗説話をまとめた説話集で、本書は特に本朝(= 日本)の世俗説話(の前半部分)を現代語訳した作品である。 説話は一話完結で、まれに同じ主人公であることがあるが、前話とのつながりはないようにできている。ほとんどの話が2〜3ページ程度の短編なので、短い時間で読みやすい。 中身も、強い相撲取りの世代交代であったり、貴族の恋愛話や怪異譚、武士の日常や合戦、僧の逸話など当時の人々の生活が分かるような”世俗”のものばかりで面白い。 良くなかったのは解説の部分で、最初の出だしから意味が分からない文章が続く。 その後すぐに解説する内容の雲行きが怪しくなり、一部の僧のやたら詳しい経歴や当時の仏教、密教の話など、内部の登場人物とも今昔物語とも関係ない仏教関連の内容が冗長に続き、そのオチ(本作との関連など)が示されないまま今昔物語の概説が唐突な形で入ってくる。 ただ、概略と言っても非常にいい加減な物で、歴史学的な説明も文学的な位置づけもなく、また性懲りも無く仏教系の羅列が出てくる。論理性もないので著者はバカなのかと思ってしまう内容だ。 度々引き合いに出される梁塵秘抄や徒然草については本書との位置づけ、関連性がほとんど語られることが無く、解説とはなんなのか?を考えさせられる。 数ページの意味の無い今昔物語の概説らしき物を経ると再び仏教っぽい内容がちょろちょろ顔を出すつながりの薄い文章が続く。途中、武士の話などが挟まれ、著者的には今昔の内容を順を追っているような気で書いているのだろうが、全く伝わらなかった。 余りに支離滅裂な(というと言い過ぎだが)解説であったので、本文の現代語訳が心配になり調べると、本書の解説は別の本を丸パクリのようで一安心した。それならば本文と合わない解説も得心がいく(納得はしたがヒドいことに変わりはない)。 著者は法政大出身の国文学者で仏教歌謡が専門とのことで仏教関連の解説が場違いに厚いのも著者の専門分野だからだろう。
投稿日:2024.03.04
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