【感想】人間不平等起源論 付「戦争法原理」

ジャン=ジャック・ルソー, 坂倉裕治 / 講談社学術文庫
(2件のレビュー)

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  • エチカ

    エチカ

     現代人は「自分の生活を便利にすること」と「他人から尊重されること」のふたつのためだけに生きるようになった。
     共同生活のなかで絶え間なく刺激され続ける、利己愛が、「完成に向かって自己を改善する能力」に後押しされて、生長した結果、「自分の外にあって、他人の評価のうちにしか生きることができない」状態になった。

     ルソーが危惧した未来は、予想通りの現実になった。  
     評価されない人間は「存在しない」と同義だからだ。 
     出生届が出されずに無戸籍になってしまう子供のように、親に、行政に、学校に、先生に、クラスメイトに、会社に、同僚に、上司に、フォロワーに評価されなければ、居場所がない。
     
     だから、他人の評価なんて、どうでもよくなるくらいに自分が強靭になればいいとわたしは思った。文明的で利己愛的な評価体系には、必要最低限だけ依存し、自然状態の自己愛の比率を最大化するという提案だ。

     学校や会社に行ってもいい。集団に所属することにもなろう。だが、他人から評価されえない領域を生きるということが、利己愛のもたらすバトルロワイヤルから抜け出す方法だ。

     他者の介在しえない自分の領域。ひとりの時間。ひとりの空間。自己の積み上げ。日記などがまさにそうだ。大抵の日記は誰にも読まれない。人の目にも触れないからコメントもいいねもなくバズりもしない代わりに、誹謗中傷もされなければ、炎上もしない。
     
     食事や睡眠ひとつとっても、感覚を研ぎ澄ますことができる。(途中、2024・2・2)

     















































     
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    投稿日:2024.02.02

  • whitepapersort

    whitepapersort

    不平等はなぜ起きるのかについての考察。
    人間本来の性質が不平等を引き起こすのではない。
    社会が構築されていく過程で生じた所有権や他者との競争が人間を原初のあり方から歪め、不平等を生むことになった。
    間がバラバラに生きていたとき(検証不能だが)、所有欲や承認欲求はなかったはず。
    比較する他者がいなければ、欲求は三大欲求程度にとどまるはずという指摘はうなずける。
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    投稿日:2017.05.04

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