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青木U平 / 月刊ヒーローズ (1件のレビュー)
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『黒犬』の優樹
今、一番にキてるのか、は同意し辛い。そもそも、これはグルメ系の漫画になるのか、ってツッコミは帯に対してしたいが、少なくとも、面白さの質が(1)より高くなっているのは確かだ 本来、破壊の限りを尽くし、人…間をビビらせて何ぼの怪獣や異星人が、こうも、人間臭さを醸し、地球の生活に馴染み、居酒屋にいても違和感を生まないってのは凄い 最初こそ、シュールさに笑わされる、この『酩酊!怪獣酒場』だが、幾度か読むと、案外、内容が深いな、と感じ出した 怪獣ですら、他の勢力と衝突せず、親しい関係を築けるのに、たかだか、肌の色や宗教観、金の有無で争う人間は矮小な存在である。つまらない隔たりを失くせば、世界平和って夢物語なんて、如何様にも実現できるのに、それをしないから、怪獣に地球の支配権を狙われるのだろう、と青木先生は警告したいに違いない そんな事を、友人に話したら、鼻で笑われ、「この先生に限っちゃないわぁ」と否定されてしまった その友人は、青木先生の他の作品もチェックしていて、私より、先生の作風を理解しているっぽいので、私と違い、この『酩酊!怪獣酒場』を変な方向から読まず、純粋に楽しめているようだ どうも深読みしちゃうのが私の悪い癖だなぁ この(2)では、改めて、人間の主人公・うるまの、『左門くんはサモナー』の左門くんに劣らぬ清々しいほどのゲスっぷりが明らかとなったり、店員同士の友情が諍いを経て逆に強まったり、可愛いらしい女性店員が新たなメンバーに加わったり、と変化が多かった ダダとハルちゃんの恋模様の行方も気になるが、やっぱ、卑劣に徹しきれないザラブ星人の営業妨害が今後、成功するのか、も期待所。しかし、最も注目すべきは、やはり、チーフのケムール人の正体、そして、カネゴンの安否だろう あと一つ、文句じゃないのだが、巻末の怪獣図鑑。これは、ちょっと、ウルトラマンシリーズに対する造詣が浅い読み手には、ちょっと解かり辛いかな、と思う。できりゃ、一回ごとに話と話の間で、1pを使って紹介して欲しい 個人的に、この(2)で好きなのは、宇宙怪獣・ベムラーが登場する、23杯目「おっととっと縄だぜ!」だ。私、この手の、面白可笑しいコメディの間に挟みこまれて、感動性が意図的に強められたのが丸判りな、人の温かさにグッと来る話に弱いんですよねぇ。ちなみに、上記の友人は海獣・ゲスラが登場する、28杯目「私、意外に私じゃないの」を読んで、「青木先生、やりやがった」と肩を震わせて笑っていた。どこにツボったのか、はサッパリだが、ミクロ化器、恐るべし、世のビッグマウスは気を付けるべきだな、と私は思った この台詞を引用に選んだのは、やっぱり、この作品、深いなあ、と思い直せたから。青木先生も、色々と自分を曲げようとする「何か」と戦い、跳ね除け、自分らしさを守りながら、これまで漫画を描き、これからも漫画を描き続けるんだろう。カッコいい大人の定義は、やっぱり、私にはまだ分からないが、悪しき権力に迎合せず、自分の道を歩き続け、デカい結果を出した男には憧れを抱ける続きを読む
投稿日:2016.05.25
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