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桜井亜美 / 幻冬舎文庫 (9件のレビュー)
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planets13
厭世的なまでの自己に対する疑義と罪悪感がたどり着くのはいったいどこなのでしょうか。航のやさしさとチズルの超越的な生命の息吹とが、きりなの傷を少しでも癒してほしいものです。
投稿日:2023.12.24
キじばと。。
本書のタイトルのもとになっているのはOasisの「WONDERWALL」ですが、この曲については著者のデビュー作である『イノセントワールド』でも引用されていたように記憶しています。本作も『イノセントワ…ールド』とおなじく、性と遺伝子というモティーフがあつかわれています。 医学部に通う星河きりなは、三年前に堕胎を経験して以来、自意識が自分のもとから流れ出ていくような発作に襲われるようになります。発作が起こった彼女を鎮めることができるのは、弟のシュンヤとのセックスだけでした。ある日きりなは、自分が遺伝性の血友病に犯されていることを知ります。血が流れ出て凝固しない、彼女の発作のメタファーのようなその病気は、本書のなかで、彼女の意識と彼女の存在をつなぐ遺伝子とをクロス・オーヴァーさせる役割を担っています。 きりなは助教授のオダギリのもとで、実験データをコンピュータに入力するスタッフとして働くことになります。彼女とともにこの仕事をおこなうのは、超俗的な雰囲気をまといつかせており、きりなたちから「Prof」というあだ名で呼ばれている萩原航という男でした。きりなと航は交流を深めていきますが、しだいに二人は、オダギリが堕胎児を実験に使っていたのではないかという疑惑に突き当たることになります。 やがて航は、オダギリの実験に、三年前にきりなが堕胎した子どもが使われていたことを突き止めます。このことを知ったことで、きりなはしだいに、みずからの家族の裏面史ともいうべき事実に気づきます。それでも彼女は、航に支えられながら、シュンヤとの関係を清算し、オダギリの犯罪にも決着をつけようとします。 メッセージ性が強く押し出されている作品ですが、そのぶんストーリーに若干のぎこちなさを感じました。ただ個人的には、こうしたモティーフの明瞭な作品はけっしてきらいではありません。続きを読む
投稿日:2018.09.22
なりた
ちょっと、ぶっ飛びすぎのような。 好きな人は大好きだと思う。 でもこの本のおかげで oasisに出会えた。笑
投稿日:2010.07.12
ウガンダ
謎の多い桜井さん。自分はそんな彼女に引き寄せられたひとりです。彼女の感性・世界観と理系・詩的な表現がとても気に入っています。遺伝子を絡めたお話。人によっては嫌悪感を抱くかも…。
投稿日:2008.03.06
keicocco
ミステリー! 面白かった。 どんな作りかたしてもどんな形になっても子供って大事なんだね。 そんなことしたらいかんのだよ。
投稿日:2007.04.05
Ai
誰もが奇跡を求めているのかもしれない。 天に祈りを捧げるように、 自分にはどうにも出来ない何かを叶えるため。 命は命のためだけに。 遺伝子が取り上げられた作品だったけれど、 人間が手を出し…てはイケナイ部分は確かにあるんだと思う。 たとえそれがどんなに科学を進めようと、 その後たくさんの命を救うかもしれないとしても、 人間が命をモノのように扱う権利何てドコにもなくて。 すごく重みのある作品だと思います。続きを読む
投稿日:2006.11.29
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