【感想】性のタブーのない日本

橋本治 / 集英社新書
(12件のレビュー)

総合評価:

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ブクログレビュー

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  • djuax

    djuax

    「まぐあう」は「目交う」で視線が合うこと。昔は家族以外で、男女が顔を合わせることはなく、目が合うことは性交渉を意味した。p.39

    闇の中で性交渉するのは平気だが、顔を見られるのは嫌という女。p.143続きを読む

    投稿日:2024.05.02

  • 雨こんこ

    雨こんこ

    このレビューはネタバレを含みます

    橋本治さんの新刊が出ていたので買ってみた。
    氏の桃尻誤訳枕草子(何故か上巻のみ)を昔母が所持しており、こっそり読んで面白かった記憶があったのだ。

    日本の文化史における性表現について、古事記や源氏物語、葉隠などの有名作品や平安~江戸時代の文化を取り上げながら、自由に語られる。
    時折当時と現代を比べて現代女性への皮肉が随所に見られるが(笑)
    大和撫子がおしとやかなのは武士の時代になってかららしい、まあ日本に限らず女性が皆おとなしく貞淑だと思うのは間違いである。

    おっぱいは子供が吸うもので昔の成人男性はおっぱいに特別性的な意味を持たない…“見る刺激”ではあっても揉んだりしゃぶったりする“性愛の具”ではない、という説には少々疑問。
    "あぶな絵"には描かれていた=性的な目で見ていた、ということはやはり行為の時に揉んだり吸ったりしたくならないものだろうか?(我ながら何を書いているんだ)

    昔は男色が盛んだった事情には大変合点がいった。
    まさか肉体関係を結ぶことで人間関係の結びつきを強くするとは。(でもその感覚はわからなくもない。)
    女性との恋愛は和歌送ったりセンスが必要だったりでめんどくさい。
    さらに当時は男色を変な目で見る人も少なかった。
    平成末期~令和になってやっとこさLGBTが世間の知るところとなってきたが、そういった意味では昔の方が多様性があったのだろうか。


    ---22P.“猥褻”という規定は“それを猥褻と感じるかどうか”によって作動するから感じる人間、時代状況次第で“猥褻かどうか”は揺れ動く。---

    そういえばSNS上で二次元女性の性表現が度々炎上するが、そこに怒りを感じる人の気持ちが私にはわからない。(だって絵だし。でも、共感はできないけど、自分が発信者となる際は配慮すべきだと気を付けなければ。)

    炎上対象の表現物を見ても、自分には全く性的に思えないものも多いのだ。
    しかし“慣れたら感じない”とも著者。
    10代の頃、エロにとても近いところにいた経験があるからすっかり慣れてしまっているのだろうな。

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    投稿日:2024.04.18

  • kun92

    kun92

    まぐわうって、目合うで、目が合うとそれは性交するという日本の古代に、タブー謎なかった。それは、ただの自然な生理で過ぎなかったわけで。
    ただしフリーではなく、モラルやルールはあったというのを、古典や絵画から描き出す。
    源氏物語なんか凄いな。これ、よく子供たち読ませようてって思う。当時の女流文革なんか、少女コミックスみたいなもんだってのは、いや、きっとその通りなんだろ思った。
    そんな国に、性的差別なんかあったわけなかろう。
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    投稿日:2022.05.12

  • 棚田 弘一

    棚田 弘一

    この人の本は今までにも何冊か読んできているが、扱うテーマが結構幅広い。強いて言えば共通しているのは「人間とはどういうものか」といった所か。本書では日本人の性に対する価値観を歴史から紐解いている。オープンになったと思われる現代よりも昔(弥生時代~江戸時代)の方がよほどオープンで、その根底には「そういうもんだ」という考えがあったようだ。

    西洋の話も聖書で紹介している。日本で言えば古事記のようなものか。元の内容(?)学校で習うよりも遥かに、性的だけでなく人間の本能をありのままにえぐるような表現が多い。

    社会性、といった方がいいか、それを人間が獲得していく中で、性への考え方、道徳観、表現の仕方は変わっていったようだ。
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    投稿日:2021.03.18

  • hito-koto

    hito-koto

    読売朝刊・新聞小説で金色夜叉の現代版を執筆中の橋本治氏の「性のタブーのない日本」、2015.11発行です。楽しく読了しました。古代、平安、武士の時代を中心に現代と対比させながら描いてます。平安時代の「性」はある意味現代に通じる奔放さがあったのでしょうか。現代が平安時代に近づいているのでしょうか(^-^) 大和撫子はおしとやかが定説ですが、それは武士の時代になってからで、日本の女性は決しておとなしくなんかないそうです(^-^) 北条政子やや春日局が悪女とされるのは武士の時代だからだそうですw!続きを読む

    投稿日:2018.01.03

  • olive9228

    olive9228

    明治以前の日本社会には、性的モラル(道徳的規範、価値観)はあったが、性的タブー(許されない、非難されるべきこと)はなかった。

    題材として、『古事記』『源氏物語』や絵巻物、春画などが取り上げられ、それらが今風の言葉で冗談交じりに解説される。続きを読む

    投稿日:2017.09.01

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